3分で読める読書感想文#11 男子校という選択
今回はこの本を紹介いたします。
本書は自身も麻布中学・高校で男子校を経験した、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が著者となっています。中高を男子のみで過ごすことについて、男子校の歴史的背景、学力面での男子校の優位性、男子校各校の特色、海外での教育事例などが述べられています。
私自身も中高男子校出身であり図書館でタイトルに一目惚れし、借りることにしました。「自分の男子校生活は異常だったのか」、「なぜ男子校を選んだのか」、「男子校で何を学んだんだろうか」と思いながら読み進めました。
本書は2011年に発行されており、本書に記載されている教育環境と現在では異なる可能性があります(特に各校の特色を解説した部分など)。しかし、なかなか興味深い内容がたくさんありました。男子校への進学理由の第一位が「男子だけでのびのびできるから」という内容や、「女子の目を気にせず自分探しに集中できる」といったような内容に、思わず「あるある」と感じてしまいました。
男子校は思春期に男子のみで学生成果を送り、間違ったステレオタイプを醸成しがちではないか、ダイバーシティが大切という今の時代には逆行しているのではないか、と感じるかもしれません。しかし、本書では男女別学についての意味合いも説明しています。少しだけ紹介すると、男女では学習に対する性差がある、そしてそれぞれに適切な教育法も違う、という内容がそれにあたります。
ここからは自分の意見となりますが、本書を読むことで、共学の学校では女子の目があり、思春期男子はむしろ自分らしさを殺してしまう可能性もあるのではないかと思いました。自分らしさを殺すということはダイバーシティを狭めることにつながります。「自分らしく振舞う」大切さを学べるということが、男子校があり続ける意味の一つになっているのかもしれません。
ちなみに、本書の続編も出版されています。
もし本書に少しでも興味を持った方は、以下の続編を読んでみるのもいいと思います。
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