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【組織開発】「安心安全の場」をつくる④ワークショップの例 その2
こんにちは、組織開発実践コーチの「はやまこ」です。
リアルな「組織開発」活動に関する、「はじめ方」「活用方法」「人材育成」などをテーマに書いています。
「安心安全の場」特集4回目、前回にひきつづきワークショップの例をもうひとつを紹介します。
組織開発視点でグイっと深める「業務の棚卸し」ワークショップです。
ステップ1: 見える化「業務の棚卸し」
見出しのとおり各自が担当している業務を洗い出す「見える化」です。
席が並んでいる者どうしでも、お互い意外と知らないことが多いと気づけるワークです。
毎日やる仕事、週一回のもの、月に一回、四半期に一回、年に一回、など定期的に行うルーチンワークを残さずに付箋紙に一点一葉で書きましょう。
「〇〇の開発」というようにプロジェクト型の業務は、もう少し分解して書き出します。
例えば、アイデアだし、仕様検討、仕様書作成、特許調査、設計、など一連の作業項目に展開して書きます。
それから、自分が出席している会議体も単に「会議出席」ではなく、その会議名ごとに書き出してください。
あとは、特命業務やトラブル対応、問い合わせ対応、など突発的に発生する業務も忘れないようにしましょう。
一人ひとりの付箋紙の量がかなり多くなるかもしれませんので、模造紙に貼り付けるのがいいかもしれません。
書き終えたら付箋紙全部を俯瞰して見てみましょう。
チーム全体で行っている業務の全容が見渡せるはずです。
ステップ2: 対話「各自の業務について共有」
「見える化」の作業が終わったら、チームで内容を共有します。
一人あたり20枚くらいの付箋が出るのは普通ですから、時間がかかることを覚悟しましょう。
中には「これって何?」というものも出てきます。
もちろんていねいに共有するのは基本ですが、時間のかかり方との兼ね合いで、「細かい内容は後日あらためて共有する時間をとろう!」
という判断も必要です。
それから「誰が何について詳しそうか?」という情報が、これによってわかりやすく一覧できます。
「先輩、あとで〇〇について教えてください」
というふうに、OJTのきっかけにもなるでしょう。
ステップ3: 見える化「もやもや業務に印をつける」
ひと通り共有の対話が済んだら、各自で自分の付箋紙の中で「もやもや」している業務に「もやもやマーク」を付けます。
全部「もやもや」というのではキリがなくなるのでそれはなしにして、
「もやもや度の高い業務、上位三つにマークを付けよう!」
というルールにすると良いかもしれません。
この時、あまりきっちりやるよりも遊び心をもって取り組むことをお勧めします。
ネガティブな内容のときの「見える化」は、笑顔で共有するのがコツなのです。
ステップ4: 対話「もやもやの共有」
「もやもやマーク」を付けた業務項目について、
「なぜ、もやもやしているのか?」を共有する対話を行います。
聴いている側は、「もやもやしている人」の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。
たとえば「どんなときそう感じるの?」「ひっかかるポイントは何?」など、意見ではなく質問で相手の気持ちを引き出すようなサポートを心がけましょう。
もちろんすぐに答の出るアドバイスはOKです。
「それは、○○を参考にするとすぐできると思うよ」的な言葉は、話している人にとってとてもありがたいOJTだからです。
ステップ5: 振返りと学び
このワークでも必ず「振返り」の時間を確保しましょう。
そこで得られる気づきは、大別すると以下の二つに分類できます。
・業務内容そのものに関する具体的な気づき
・気づきが生まれるプロセスに関する気づき
前者は、実務にすぐ役立つ情報なのでとてもありがたい気づきです。
でも、もっと重要なのは後者の気づきです。
後者は、各自が抱えていた「もやもや」が「私ごと」から「私たちごと」に変化する「プロセス」の気づきです。
「ひとりで考え込んでいないで、まわりに頼ること」の価値。
その気づきは、組織開発根本の「学び」であり、これを自然にできるようなチームづくりは「組織開発」そのものです。
また、「プロセス振返り」とそのプロセスを「再現」するスキルは、人と組織を成長させるうえで重要な「マネジメント・スキル」だと言えます。
単純に業務内容を共有するだけのワークショップではなく、組織開発の効果を意図したものにするポイントは、この「振返り」の中にあるのです。
「安心安全の場」とは、「助け合い」「教え合い」が定着した組織風土であるとともに、一人ひとりが成長実感を得られるような「場」だと思いませんか。
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