#一度は行きたいあの場所 ヴェネツィアのムラーノ島
映画「旅情」を観て以来、私の一生に一度は訪れたい場所はベネチアだ。
主演の2人の恋の小道具として登場するのが、ベネチアンガラスだという真っ赤な曲線形のゴブレット。
あれを見た10代の私は、すっかり心惹かれてしまった。
そして、その当時からガラス工芸品を見て回ることがライフワークにもなっている。
とりわけガラス工芸品を愛するものにとって、ベネチアングラスの門外不出の技術の宝庫だったムラーノ島は外せない。
その高度なガラス工芸品の加工技術の流出を防ぐため、ある時期、島の外への渡航が禁じられた歴史を持つ島でもある。
実は、とある親戚の家にもベネチアンガラスらしき不思議な壺があり、幼い私はその形態や見事な色のグラデーションに歓喜していたのを覚えている。
もしかして、あれはベネチアンガラスなのではないかと思ったりもするのだが、今となっては分からないのが悔しい限りだ。
オレンジ→黄色→緑色→青、4色が融合してそれは見事な壺だった。
気になって、何となくベネチアンガラスについて調べていると、なんと、それによく似たものを発見したのだ。
鑑定家でもなんでもない私だが、あの写真を見た時は、ただただ懐かしかった。
何故、親戚の家にあったかも不明なあの壺に、もしかすると、あそこに行けば出会えるかもしれない…
そんな嬉しい予感がしてくる場所こそ、ここヴェネツィアのムラーノ島なのだった。
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穂波せら(Serra Honami)
画家・俳優・映画コンシェルジュ・ライター。
自由と猫を愛するスナフキン似の人。座右の銘は「押してダメなら引いてみよ」