街角女子図鑑#1土曜のスーパーのおつまみコーナーを塞ぐ女性4人組
―苦手なことについて―
私は週末のスーパーの買い物が苦手だ。
大したこともない量の買い出しに家族総出で広がって歩く人。
カートを押す両親を後目に無礼の限りを尽くす子供達。
これでもかと健康に悪い食料に群がるお年寄りと中年夫婦。
どれを見ても、気が滅入る光景なのだ。
―仕方なく、週末のスーパーへ―
しかし、今日は家の食料が空になりそうだ。
嫌だけど、1番近くの猥雑な地下街のスーパーへと向かうことにした。
例のごとき光景は相変わらずだ。そして、このスーパーは恐ろしいくらいに商品のコーナーが入れ替わる。
いつも買うプルーンがコーナーごと無くなり、仕方なく店員に聞くと、おつまみコーナーに移動になったという。
「酔っぱらいの予備軍に絡まれたくない」そう思いながら、とぼとぼと気に乗らない足取りでそちらへ。
やはり、いた。酔っぱらい予備軍。
盛りを過ぎた女子会か?
服のフェミニンさとは裏腹に買い物カートは渋いおつまみと酒類とで埋め尽くされていた。
悪口に花を咲かせる陰険オーラ満載の不美人4人組。
―恐怖の女子会。決め手はアウター?!―
アウターに着られている人というのは、どうして、こうも間が抜けているのだろう?
丈の長さやシルエット、総合的に見てバランスが悪い。
絵に書くにあたって、かなり修正を加えている。
お目当てのプルーンが見つかり、ほっと一息つく。
あんな女子会、もし呼ばれたら地獄を見る事に違いない。
ふと20代の終わりに聞いた知人の女子会の風景が頭に浮かんだ。
きっと、その面々がそのまま歳をとったら、さっきの4人組みたいな中年になっていただけの話だ。
そそくさと早足でコーナーを抜けようとすると、まだあの4人組が居座っていた。
思わず、家に帰ってから鏡で全身のシルエットを確認し、少し安心した。
―良かった。体型も崩れず、ヒールに頼ることも無く、私はこのアウターを着こなしている。