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沖下シン
2023年8月17日 05:28
瞳には星のかがやき、くちびるには歌。甘く軽やかな「少女」という語感と、相反する存在としてその者は生まれた。瞳には暗い憎しみ。くちびるには呪詛。…はやく殺して、はやく。一日でもはやく、わたしを。世界を。世界の終焉を、焼けつくようにねがっていた。―――――――――――――――――――――――――――悪魔のように長く伸びる自分の影を、狂い踊りながら踏みつけた。牢獄めいた住処へ戻る