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Fuhrer

誰一人

助けない

誰一人

救わない

誰一人として

愛したりも

誰一人として

憎むことも

誰も

お前も

国も

家族も

血まみれの

世界の中で

死体の山を

築いてくのは

独?

ドイツか?

アドルフなんか

俺は知らねぇよ

惰性

名前だな

お前も変わらず

死んで

100年くらいしか

どうせ、遺らないような

俺さえも憶えてない

教科書にも載らない

何万人

殺したって

名前は残らない

だからと言って

お前を

君を

スプーンで

掬ったりしないから

どうぞ

先に逝け

云ってくれ

堕ちついた顔のまま

地獄の絵を描いた

君の気持ち

たった今

無感覚に

無感動に

無理矢理に

無茶苦茶に

君の存在を

理解した

形の無くなった自分の姿

鏡にも

水溜まりにも

透明な世界が

何処にも無いのと

同意に

賛成に

酸性の水が

アルカリ性に変わる前に

中性だった僕の心の中心

高校生が光合成をする瞬間に

太陽の光が反射して

生命が薄まってしまうよりも

遥かに遠く

淡くなった現実感と一緒になって

千切れた雲の合間に

射し込んだ一筋の光

流れていった時間の愛だ

その未練は

僕には未練ではなく

後悔なんて何も無い

物語にもしない

優しくはないから

近寄らない方が

身の為

君のためにもなるだろう?

戯言にしか聞こえない

死語ばかり

私語ばかり

独逸も子逸も

目の前から

居なくなる前に

挨拶くらいしろって

君だけには

僕は云う

やっぱり

君のこと

あなたのこと

好きだから

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