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耳鳴り

アンプにジョジョに
エレキを近づけていったけれど
特別な疚しさに揺れることなく
僕はすべてを楽しみにしていた
音が高くなるにつれて
身長が伸びるにつれて
不思議の国のメロディは
ピアノとはひと味違ったやさしさで
共鳴をし始めた
すぐ側の誰かには
ただの雑音にも聴こえたような
心配になるだけの無責任さに
ムダという言葉はあえて遣わず
まわり道がクネクネと曲がっていても
寄り道したことを後悔なんてしない
今日だって
明日だって変わらないものはある
光の粒をチョイと眺めただけで
時間が少しずつ減っていくのなら
面倒臭いくらいが丁度良くなった
毎度毎度のお決まりに
ブロック塀の積まれただけのお約束に
壊せないものなど実はないよと
過ちを諭した自分にも
最後から始まりまでの直線ではない輪郭にも
昨日まで全く予想していなかった返事をした
5人目のメンバーじゃなかったけれど
話の内容はすぐに飲み込めたから
喧しくは鳴らない
綺麗に鳴らないのはこちらのギターで
その理由なら知っていた
練習をほとんどしない習慣と
チューニングをしないままほったらかした
自身の退屈感に苛まれた
シラケた天井にも睨まれただけ
黒い鍵盤のフラットさが伝わらなくて
昨夜も猫にはなれなくて
君だけのために描いた絵を見て泣いたけど
不孝は知らぬ間に眠った
それがたとえば幸せなら
僕にでも同じ位はできそうな
生易しい気持ちに一瞬でなったんだけど
現実的には甘くなかったみたい
最高に不細工な自分にも
一応、説明書なら付いてたから
パッケージを3分見つめただけで
心は踊りだした、もう一度
コレはリピ確定だね
だいぶ怒られた、最終的には

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