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月の光

自分自身が
かつて、思い描いた
すべての夢や憧れは

現実の
ホントの
精神に等しい

適したサイズには
見合わない大きさ
または
小ささであることに気づき

他者という
まだ名前を知らなかった存在
ヒトに気づかされ

最も
身の丈に合った
喜び、幸せ、不孝、嬉しさ、可憐
可哀想、愛想、愛情、優しさ、柔らかさ

頑なで固まった自我は
その、回答、解答と
あなたからの
過去から、未来からの解凍は
全く味わえなかった筈の
恥ずかしいような
自己に対する評価も覆し

全く別の生き物
生物になった
かのような感覚と感情

そして、
ただの肌色(ハダイロ)の
生命の温もり
自己を柔らかく包み込んだ
美しくはないこの世界に対する
新しい存在に対する
溢れでるような生存意識と充足感

つまりは
かつて、悩んだ
悩まされた自我を
自身の手と足で乗り越えていく

孤独の闇
暗闇のホントの意味が
腑に落ちた瞬間にこそ

求めていた憧れと夢が
たしかに
足元、靴の裏に存在した

本来の在るべき
自分の姿に

蛹(サナギ)から
成虫に
赤ん坊が
やがて
大人に成長するかのように

しかし、自分は
蝶でもなければ
鳥でもなく
透き通った羽根
自由の翼は
生の美しさは
背中に生えてはいない

蛾であることを
たった今
鏡のなかの世界に
確認、認識する

蚕の唇から紡がれた
一本の絹の糸を
指先で慎重になって
手繰り寄せるように

新しい日々
未来の道は
今日も明るく照らされていた

夜の闇のなか
月の光によって

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