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生後3ヶ月の彼との1日

頭の片隅で聞こえていた声が、次第にはっきりしてくる。その時間は大抵は朝6時台で、まだ暗い中ながらもしっかりと太陽ののぼる気配がみえる。

「ええうー、あー、えーえーう」

母音だけを紡いだ甘く、しかし懸命さを感じさせる息子の声。ボリュームは結構大きい。「もう起きたの」とか「朝だねぇ」とか言いながらとりあえず寝ながら手を繋ぐ。そのままうつらうつら、息子の歌声のような叫びのような声をしばらくきく。私は目覚めが悪い。
夫が起き上がって息子の頭を撫でる、すると「きゃきゃきゃっ」と喜んで笑う。お尻が浮くほどに足をあげながら喜ぶ。観念するように息子を抱き上げて、リビングに向かう。

最近は朝に泣いたりすることもなく、夜中に起きる回数もぐんと減った。ありがたいことに、一度も起きないことも多い。

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寝ぼけながら朝一番の授乳をしている間、ランニングをはじめた夫が外にでる。0655から続く7時台のEテレが面白くてついついずっと見てしまう。8時にはニュースに変える。ニュースを見ている間に朝ごはんを作る。息子の興奮が止まない日は台所に立つのも難しく、ずっとあやしたり家を歩き回ったりするのでどんどんとお腹が空く。「自分は朝一でたっぷりエネルギーチャージしておいてこの仕打ち……」と思わなくもないけれど、その愛嬌があるからなんでもする。

台所で動くわたしは、リビングからだと死角になってみえないので、台所のすみにバウンサーごと息子を連れてきて朝ごはんをつくる。一人だったらパンと卵を焼いてあとは適当にあるものとヨーグルトで済ませるのだけど、最近は夫がいることが多いのでご飯を炊いたり魚を焼いたりサラダを作ったりする。

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朝ごはんを食べながら一日の予定をぼんやりと決めて、息子の授乳のリズムにそって散歩か外出をする。わたしも夫も散歩好きなので、お気に入りの道を行ったり、新規開拓をしたりと結構盛り上がる。日に日に花が開いてきているので彩りが増える様子も嬉しい。少し前までは外に出ると寝てしまっていた息子も最近はずっと起きている。声も出さず、じっと雲や壁をみていることが多い。顔をあわせるとにこーっと笑う。私をごく身近な人としてきちんと認識しているようで、うれしい。可愛い。

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何をするでもなく、あっという間に夕方になる。6時すぎから夜のルーティーンワークをはじめて(お風呂・授乳・入眠)9時前に息子が寝付く。夕方近くなるとムズムズ不満げに声をだしたり、寝かせると泣き出したりと息子が落ち着かないことが多くなってきているのでひたすらに抱っこをして、お風呂に入れる頃には腕や肩が悲鳴をあげている日もある。ひどい時は湿布を貼って痛みを散らすので、なんだか一気に老け込んだような気分になる。
そこから夜ご飯をつくって二人で食べる。息子が長く寝るのが安定してから、2回だけお酒を飲んだ。あくまで慣らし程度に、2回ともハイボールを小さめのグラス一杯。

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本当はしっかりした飲み口のビールを飲みたいのだけど、いきなり飲んで美味しく飲めない……という話題を目にしたので、いつかやってくるその日に向けての準備運動のつもりで済ませている。
妊娠がわかってから1年ほど飲んでいなかったお酒、感想は「美味しい」ではなくて「お酒…」である。お酒を覚えた頃のようだ。「餃子にビールがないなんて……」と散々嘆いていたのにおかずの直後に白米を口に運んでお酒とおかずを楽しむタイミングを見失っている自分にも気がつく。あまりに淋しいのでチャンスを伺ってはトレーニングを続けるつもりである。

2ヶ月のときとほぼ変わらないようで、息子の成長にあわせてほんの少しだけ生活が変わっている。こうして生活は続いていくのだろうと思うと、どことなく嬉しいし、幸せな心地がする。


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