寄せ集め部隊スピンオフ・AZURITE/パーフェクトオープニング
少女は1年の間大きな成長を遂げた。病んだ心は治療しきれていないが、学んだことはとても多い。
新しい分野の追及、語学の勉強だけでは無い。
多少の反論や不満には動じない精神面の成長もある。
少し病んでいるのはあるが。
「・・・」
今、ネットを見ていて見つけた記事があった。
昨日の去り際にペトロ(おじさんの愛称)が置いて行った記事を詳しく調べている少女。
それは、ここにいてもいいと思える存在。
両親に使わせてしまったお金を返せて、仲間も作れそう。
少女は受け入れてくれるかもしれないと思った。
都合のいい連中を、ペトロが紹介していった。
家庭教師の範疇を超えているような気がするが、彼はそれを「趣味」にしているから関係ないと言う。だから気にしないようにする、と少女は決めていた。
ヤツらは寄せ集め部隊とかいう組織だった。
しかし、評判は少ない。読めない言語のウェブページがあるだけだったが、不思議と引き込まれるように探した。
その記事を見た少女は自己研鑽に時間を費やした。
まだ行かなくていい。しかし必ずしも参加するわけではない。
とにかく知識を身に着けることに尽力し始めた。
情報処理を更に追求し、一筋縄ではいかないが、日本語以外の言語も少しずつ学び始めた。
少女はそこから読書やゲームは欠かさずに、知りたいことを突き詰めていった。
悪質な嫌がらせや学校側の対応から不登校になった少女。
誰がこうなることを知っていたのだろう。
決していい経験では無かった。が、引き換えに得た物も確かにいくつもある。
辛い事があったなら、信用できる人間に話して一緒に考えてもらえればいいのだと知った少女は、自分を堕としてくれた理解しきれない奴等がどうなっているか意識の片隅にもない。
復讐しようとは思うが、そこまで強い実行力は無い。憎悪は消えないが、あの分かり合えない奴等にはそんなくだらない事をすれば必ず報いがやってくると思っているから。
どうしようもない妄想に時間を割いている暇は無い。
少女は、無駄な事はしたくないのだから。
「前向いて行こ」
今日もカーテンを開けた明るい部屋でパソコンと向き合う。
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