寄せ集め部隊スピンオフ・AZURITE/進行形
中学生になった少女は、新たな舞台での日々を緊張混じりに期待していた。
しかし、限られて状況下ではそうではなかった。
必死に勉強して、掴み取った結果。面接でも同じ。
数ヵ月は順調だった。
周りの生徒がふざけてからかってくるのは引っかかった。
しかし、日を追うごとに悪質になっていった。
彼らは少女の病弱さと気の弱さに目を付けて彼らにとって都合のいいようにされていった。
金銭目当てでたかられたり、携帯の画面を割られたりされた。最初は小突く程度だったのだが、さすがにおかしいと思った。
止めて欲しいと言ったのにも関わらず、それを面白がって悪乗りしてきたから嫌だった。
当然先生に相談したが、深刻に受け止めてくれなかった。
抜け目ない不良は過度に干渉してくるようになった。
わざと強く肩をぶつけて階段から落とされたり、お金を持ってきていないと知ると暴行を加えて来た。
耐えかねた少女はもう一度相談した。
答えは、全て同じものだった。
「わが校の生徒が野蛮などあり得ない。魔が差しただけだろう。注意はしておくが、彼らがそんな行動を起こすようには思えない」
先生たちは悩みを真剣に聞いてくれなかった。
暴力が苛烈になり、少女は心を閉ざしていった。
ある日、蹴り上げられて体育館で気絶した。腕の骨折が響いている。この頃には警察にも相談しているが、なかなか証拠らしい証拠が見つからないらしく究明には至らない。
見回りに来た派遣清掃員がやってきた。無精ひげの男は少女を見て「冗談だろ」の一言。
心配も駆け寄りもしなかった。冷めた口調で淡々と。
痛む身体でボロボロの鞄と空の財布を拾って帰宅した。
両親は心痛めていた。訴えを起こしたが、校長に一蹴された。あの学校にはまともに取り合ってくれない人間しかいなかった。
「ごめん・・・ごめん!!必死に声を上げたんだけど駄目だった!娘にこんなに辛い思いをさせて、親失格だわ・・・!」
母は満身創痍の少女を抱きしめて無力感と後悔を叫んだ。
その言葉は、心の奥底には届かなかった。
少女はかすれた声で言った。
「もう、いいよ。二度と戻らないから」
手を取ってくれなかった学校中の大人を忘れたかった。
そしてその日以来、彼女が自室から出てくることは極端に減ってしまった。
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