寄せ集め部隊スピンオフ・AZURITE/期待

少女は学校に行かなくなった。両親は必死に打開策を探している。
無駄な事は、したくない。
先生から何度か電話が掛かってきたが、生徒の悩みを聞く気が無い先生と話したいと思える程にはならない。
実は、彼女は嫌な事が嫌でなくなってきていた。
不意に襲ってきた喪失感、心当たりが全くないのに流れ出す涙。突然泣き出した事を境に「全部どうでもいい」感情が芽生えた。それから家に引き籠って半年が過ぎた。少女は少しずつ部屋から出てくるようになった。
両親は真摯に受け止め、しっかりと彼らなりに応援してくれている。
少女は殆どの時間を読書やゲームに費やす様になった。
自国のゲーム会社のシューティングゲーム、有名タイトル、RPGなど多くのゲーム作品をやり続けた。
長らく外に出ない生活を続けた。
深く傷付いた心の回復は相応の時間が必要なのは少女は把握済みだったが、今の彼女にはそんな余裕はない。
気力が無くなり、両親と言葉を交わす事も減った。
1人でいると落ち着く。誰に対して気を遣う事もしなくていいし、1人の方が何かしらの作業に集中できる。
昼夜逆転もあるが、少女は意識を喧騒に遮られることも無く趣味に没頭できた。
両親は、できる限りの事はしようと思っていた。
寄り添ってあげれば少しずつ回復できるだろうと。
父は仕事が多忙で最近はほぼと言っていい程に会っていない。
しかし、彼らは常に少女の事を考えてくれていた。
それでもやはり心境の変化は薄かった。

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