啡

6月‪✕‬日。
早起きをしなければならないという時はなぜか夜更かししてしまう。明日が来て欲しくないと願うかのように午前3時半まで起きては翌日6時に起きているはずの自分がどうして早く寝なかったんだと後悔する姿が頭に浮かぶ。

いつも乗る電車とは違う客層と気温が違うのを感じながら向かう。途中頭から血の気が引く感覚に苛まれつつ不足した睡眠時間を稼ぐ。
無事に乗り換えも済ませ駅を出てコンビニへ立ち寄る。朝が苦手な僕が頑張れているご褒美に今日はお昼ご飯をお蕎麦にしてみよう。まだ貧血っぽい感覚が残っているから大好きなフィナンシェと眠気覚ましのカフェラテも追加して。

仕事開始前の10分間でフィナンシェをカフェラテで流し込む。コーヒーは好きなのに久しぶりに飲むから身体が受け付けてくれるまでに時間がかかるみたいだ。

寝不足の身体に｢頑張れば明日楽しいことが待っている｣と鞭を打つ。雨の日の後の休日だからかここ最近で一番人が多い景色に目眩がしそうになるがなんとか今日をやり過ごす。

早く来た分早く帰れるのが嬉しい。
明るいうちに職場を出れた時は背徳感と優越感につつまれる。正当な理由で帰っているし何も悪いことなんてしていないのに、不思議だ。
乗り換え駅のホームでぼうっと景色を眺める。真赤な夕日をみることが最近なかったことに気づいた。赤い珊瑚のような色をした光が電車の扉に反射して輝くのをみてどこか懐かしい気持ちになる。

家に帰ったらまずご飯を食べよう。明日からの旅行の準備をして、ネイルを変えて風呂に入ろう。さすがに今日は早く寝なきゃ、でないと翌日の僕が後悔するから。