見出し画像

【映画感想】『シビル・ウォー アメリカ最後の日』観てきた

めずらしく話題作を鑑賞してみました。

ストーリーは、いくつかの州が独立宣言し、内戦状態になったアメリカをジャーナリストの目線で描くロードムービー、という感じ。

僕はあまり前情報を入れたくないタイプなので(入れれば入れるほど観なくていいやってなっちゃう笑)、蓋を開けてみたら、ということが多い。それで、この作品、蓋を開けてみたら、『A24』というロゴが最初に出てくる。「なるほど」と思いながら観てました。

うん、良くも悪くも『A24』の作品だな、というのが最初の感想でした。

つまり映像、撮影、編集は超一級品で、音楽がうるさくて、なんとなく良さげなストーリー、という僕個人の『A24』へのこれまでの印象をまったく裏切らない作品でした。しかも監督アレックス・ガーランドか、またしても「なるほど」と頷き、エンドロールを観ながら納得してました。

(ちなみにアレックス・ガーランドは監督としては評価したことはありませんが、小説家としては若い頃は夢中になった人です。『テッセラクト』『昏睡』、『そのまばたきが命取り』などなど)


ガーランドは元々小説家

A24らしいスタイリッシュ感と時代をなんとなく掴んでいる感は溢れ出しているのだが、どうしても人物描写が薄いように感じてしまう。

『戦争映画』なんてジャンル分けはバカバカしいけど、戦争を題材とした映画では、例えばテレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』なんかは徹底的に人間を描いていた。だから『戦争映画』なんてジャンルを超えて、僕は傑作だと思っています。

テレンス・マリックの傑作『シン・レッド・ライン』

『シビル・ウォー』は、戦争という題材に対して新しい描き方をした作品、という点においては素晴らしいと思うが、さて、それじゃ何を描こうとしたんだい?という肝心なところがどうも薄っぺらい。

戦争を徹底的にシニカルな目線で、という狙いな気はするのだけど、そうだとすると、あのラストはいただけない。本当にそれでよかったのかな?と疑問が残る。もし違うラストが用意されていたら、傑作の部類になったのかもしれないと思いました。

とはいえ、凄まじい撮影の技量、役者たちの技量にはやはり舌を巻きました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集