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【本要約】聞き方の一流、二流、三流

営業マンになりたての頃、様々な取引先の経営者に聞いたことがあります。
「できる営業マンとはどのような人ですか?」
ほとんどの経営者が以下のようにおっしゃっていました。
「聞くスキルが高い」と。
当時の私は、聞くことに自信を持っていましたが、スキルとしては全く無かったと今振り返って思います。

聞いているつもり、だったと思いますし、自社の商品のプロモーションに落とすために「聞いていた」から、なかなかうまく商談が進まなかったのだとこの本を読んで気付きました。

ぜひ、読者のみなさんが、聞き方の一流になり成長することを願っています。

● おすすめポイント

聞き上手は誰からも好かれるし、仕事もうまくいく ――。
これは誰もが認識していることでしょう。
では、具体的に何をすれば聞き上手になれるのでしょうか?この疑問に答えてくれるのが本書です。

著者は『すごい雑談力』などの雑談や話し方、聞き方のベストセラーで知られる松橋良紀 氏です。
松橋氏自身、売れない営業担当者だったが、聞き方を学んだことで人生が一変したとのこと。

そんな松橋氏はいま、悩める人々に、聞き方などのスキルを教えている講師をされています。
教え子たちからは「部下との関係が変わった」「友達が1人から300人になった」などのポジティブな声が届いていると記載がありました。

本書には、数々の人たちの人生を変えた「聞き方」の メソッドがぎゅっと詰まっています。
松橋氏は本書の冒頭で「この本を出版することで、今までの受講者のみなさんには激怒されるかもしれません。なぜなら、数万円から数十万円頂く講座の内容を紹介してしまって いるからです」と語っています。
正直、この値段で購入できるのは本当にお得です。笑

「自分はちゃんと相手の話を聞けていると思う」
「聞き方の本はこれまでたくさん読んできたから、同じことが書かれていのではないか?」
と思っている人にも学びがある一冊です。
どの項目も「三流、二流、一流」の対応方法が記載されており、みなさん自身が一流の項目、二流の項目、三流の項目もあるかと思います。
そのことに気づき、行動を改善することが成長の第一歩ですね。

ポイント

・ 三流はなんとなく聞き、二流は「自分」に意識を向けて聞き、一流は第二ポジションで聞く。
〜相手の話を聞くときは、自分のことを考えるのではなく、相手に意識を向けよう〜

• 三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ。
〜相手が話している間 は、言いたいことがあってもグッとこらえるべきだ〜

 相手の心を開くテクニック

・相手の話をおもしろがって聞く

初対面の人と話すとき、三流は社交性がないのは生まれつきだといい、二流は何を話したらいいかわからず、一流は相手の話をおもしろがって聞きます。

二流・三流の人は、常におもしろい話や内容のある話をしなければいけないと思いがちです。
これでは気軽に雑談ができないのも当然ですよね。
意識の矢印が自分に向いてしまうと、相手に質問できません。
相手が投げたボールを受け取ることができず、てんやわんやしてしまう経験をしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で一流は、おもしろい話をしようとは考えません。
特に初対面では、自分が話すよりも相手 にしゃべらせることにエネルギーを使います。
どんな人でも、じっくりと話していると、興味深い体験談などが出てくるものです。
そうした話をおもしろがって聞くことができる人こそ一流です。

・3つのペーシングを使いこなす

親近感を持ってもらいたいとき、三流は自分らしさを発揮して聞き、二流は感じがよさそうな聞き方をし、一流は3つのペーシングを使いこなす。

人は、共通点が多い人に親近感を持ち、好感をいだきやすくなる生き物です。
出身地が同じ、母校が一緒などの共通点があれば、親近感を生むのは簡単ですよね。
ただ、常に共通点が見つかるとは限りませんよね。

一流はそんなとき、共通点を作り出す。
相手と波長を合わせて「この人と自分は似ている」と感じさせることが必要です。

相手の電波が何チャンネルに合っているかを知ってその電波を出せば、ちゃんと受信する。 それがコミュニケーションだ

盛田昭夫 氏

ソニーの創業者である盛田昭夫 氏はこのような言葉を残しています。
相手の波長に合わせたコミュニケーションスタイルにすれば、相手に届きます。

ポイントは3つあります。
「言葉を合わせる」
「声の使い方を合わせる」
「身体の使い方を合わせる」

言葉・声・身体の使い方を似せると、自然と誰からも好感を抱いてもらえます。
仕事や交渉事もぐっとスムーズになるはずです。

オウム返しして待つ

三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ。

会話がうまくない人の共通点は「話泥棒」をしがちなことです。
「この前の日曜日、浅草の雷門に行ったら、ものすごい数の観光客でびっくりしたよ」と言われたら、
「雷門には3年前に行ったよ。すごく混んでて、外国人ばっかりだったよ。そうそう、ほおずき市をやっていて、でかいのを買って帰ったら、1ヶ月くらい飾れてびっくりしたのを思い出すなあ」などといつの間にか自分の話を始めてしまうことは経験ありませんか?

二流は質問攻めです。

「私、ゴルフが趣味なんですよ」
→「へえ、月にどれくらいコースに行かれるんですか?」
「まあ、2回くらいですかね......」
→ 「よく行かれるコースはどちらですか?」
「静岡の○○コースによく行きますよ」
→「そうなんですね......」 といった流れで会話を進めます。

相手の話を奪いはしないものの、自分が聞きたい質問ばかりして、相手の話したいことを邪魔しています。

一流は、自分が話したくてもグッとこらえてオウム返しをします。
「日曜日、浅草の雷門に行ったら、ものすごい数の観光客でびっくりしたよ」と言われたら
「へえ、ものすごい数だったんですね」。
「私、ゴルフが趣味なんですよ」に対しては
「ヘー、ゴルフ?」という感じです。

ポイントは、相手の使った単語をオウム返しした後、口をつぐむことです。
自分のペースで話すのではなく、相手の話したいことが出てくるまで待てるのが一流です。

確かに、商談が進むようになってきた今の私は、基本的にはオウム返しをして、相手が深くまで話してくださるのを待っていることが多くなってきました。
相手が話したいことを話すまでは待ち、その後深堀りする質問をしたりすると、相手がこの人は話を聞いてくれると感じるような印象があります。
聞き上手になると、人間関係の作り方が一変します。
みなさんもチャレンジしてみてください。

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