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【本要約】Z世代の社員マネジメント

こんな声を聞くことはありませんか?

「モチベーションが上がる仕事の付与をお願いします!」
「配属ガチャに外れたので転職を考えています!」

このような状況の若手社員にどう対応すればいいのか悩む読方もいらっしゃると思います。
なぜ、Z世代のマネジメントは気を遣うものになっているのでしょうか?
このような課題意識を持つマネジメント層に読んでいただきたい一冊です。

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この本の魅力は、Z世代の特性を洗い出したうえで、会社と彼らにとってよいマネジメントを応用性の高い方法論に落としこんでいるところにあります。

Z世代の早期離職を防ぎ、定着してもらうために、マネジメント層や人事はどんなことを意識・実践すると効果的かを考えています。

マネジメント力を強化して、成長したいと考える方にとってはおすすめの一冊です。


ポイント1
一人の人間には個人人格と組織人格が同時に存在する。
両者を適切にチューニングすることが重要である。

「個人人格」と「組織人格」

近代組織論の父とも呼ばれる経営学者チェスター・バーナード氏は、組織における人間には2つの人格があると唱えています。
それが個人人格と組織人格です。
個人人格とは、自由な意志や動機に基づいて、何にどのくらいの時間や労力を割くかを決めている人格です。
一方、組織人格とは、組織の指針によってある役割を担うことを強制されて行動している人格です。
バーナード氏は両方の人格が同時に存在しているといいます。
若手社員の離職を防ぐためには、個人人格と組織人格の存在を理解する必要があります。
会社を演劇の舞台だとすれば、会社が舞台ならば社員は役者です。
舞台上では役者に配役があり、自分の役が持つセリフや動きを表現することで、観客を盛り上げます。
ビジネススキルとは、舞台上での「役割演技力」といえます。
プロデューサーや演出家は、その役者の特性に応じて配役を決めており、役者がその役を演じきることで舞台が成り立ちますよね。
これをすることにより、観客が喜ぶことが舞台の成功に近づきます。
重要なのは、一人の人間の中で個人人格と組織人格が適切にチューニングされることです。
個人人格ばかり優先していては組織が成り立たちませんし、組織人格ばかり優先していると、個人人格が犠牲を強いられ、健全な関係が築けません。
そもそも組織と個人は対等な関係だ。
健全に発展する社会とは、組織と個人が互いに効力感と幸福感を感じられる社会です。

Z世代の若手社員にありがちな傾向

個人人格と組織人格のチューニングができていないZ世代の特徴とは何でしょうか。
それは個人人格を最優先にする傾向です。
その一例が、配属先に一喜一憂する若手社員です。
希望の部署に配属されなかったからというだけで離職する新入社員が増えています。
近年のジョブ型雇用への注目も、この判断に拍車をかけています。
入社段階から希望の仕事につけるのが当たり前という風潮が生まれつつあります。
しかし、必ずしも希望する部署に配属されるわけではありませんよね。
与えられた場所で経験を重ねることで組織人格も磨かれていきます。
Z世代は個性を重んじる環境で育ってきました。
しかし、ビジネスにおける個性は「舞台上での個性」であることを理解してほしいと思いますよね。
役者が精一杯自分の役を演じきったときににじみ出るその人らしさが、ビジネスにおける個性となります。
マネジメント層は、個人人格ばかり優先する部下には「あなたのキャリア上、自分自身のやりたいことのみを主張しすぎるのはよくない」と伝えることが大事です。

ポイント2
Z世代のスタンスを強化するためのキーワードは、「STARの観点」である。
「Say」「Target」「Action」「Role play」の4つのことを指しています。

キャリア創りに重要なスキルセットの中で、新入社員の成長スピードを決めるのは何でしょうか。
それは、仕事に向き合う姿勢「スタンス」です。
Z世代のスタンス強化に欠かせない観点は4つあります。
キーワードは、「Say」「Target」「Action」「Role play」で、頭文字を取って「STARの観点」と呼びます。

Say:受け身にならずに発信してもらう
ビジネスの推進には情報共有が欠かせませんよね。
新入社員が「この仕事は面白い」と発信すると、それに合わせた仕事を提案される可能性が高まります。
また、仕事がきついと感じた際に素直に発信すれば、誰かが手助けしてくれるでしょう。

Target:目標・目的を自分事化してもらう
Z世代は、目標達成の執着心や、誰よりも成果を出そうとする競争心が希薄な傾向があります。
ビジネスで生き抜くためには、一定の競争意識や目標への執着が必要です。
さらには、Z世代の特徴に「理想よりも現実」があります。
組織の理想を追求する意識が薄く、目の前にある仕事がミッションのすべてになりがちです。
しかし、これでは仕事の意味が矮小化され、「やらされ仕事」になってしまいます。
これを防ぐには、目的を自分事化することが有効です。

Action:失敗を恐れず行動することを促す
Z世代の特徴として、「挑戦するよりも調整する」「失敗を恐れて挑戦をしない」という傾向がわかっています。
しかし、仕事には失敗がつきものです。
企業側も、新入社員が失敗から何かをつかみ取ってくれることを望んでいます。
マネジメント層は、悩む前に行動するよう促すようにしたいですよね。

Role play:他者視点を踏まえて指摘する
周囲との調和を大切にすることがZ世代の特性といえます。
しかし、波風を立てないことばかり考えていたら、協働によって価値を生み出せません。
また、自分の意見が否定されるのを恐れて発言しないでいると、適切な意思決定が困難になります。
顧客や上司といった他者の立場に立ち、相手に配慮しながらも指摘できる勇気や愛情を持つことが大切です。

いかがでしょうか。

ぜひ、手にとって読んでいただきたい一冊になります。


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