見出し画像

PA(音響)ってどんな仕事??

PA(音響)の仕事とは?

僕はPA(音響)の仕事をしていた事がある。

そこで、PAってどんな事してるの?
と言う内容を今回は書いてみようと思う。

先に注意喚起です。

専門的な解釈が含まれた言葉をなるべく避けて説明するので「ちょっと違う...」と思われるような場面があると思います。

専門的な方が見ると違和感を覚えるかも知れませんが
PAって何?を初心者でも分かりやすい様に説明するので補足があればコメント貰えると幸せになります。笑

では早速。

PAの仕事内容は?

まず、PAと言う言葉の意味を解説しよう。
PAとは『パブリックアドレス』略語であり
日本語だと『音響』と言う言い方になる。

どんな仕事内容かと言うと

楽器の音が出る様にスピーカーやアンプ等をセッティングしたり音量や音質の調整をする事

ザックリとこんな感じだ。

使用する楽器やロケーションによって音の鳴り方が全然違うので

その時々でベストなセットをするプロだと認識して貰えると良いかと。

例えば音の鳴り方で言うと
体育館と屋外ではライブをするのとでは同じ楽器を使っていても音の鳴り方が違うと言うのは何となく分かるだろうか?

体育館だと音はこもるし反響しやすい
屋外だと反響する場所が無く音量に比例して遠くまで音が届く。

何となくで理解してもらえるとありがたい。

その環境の中で音量や音質を調節するがPAで

ライブだと必ずマイクを使用すると思うのだが
まずPAは『ハウリング』しない様にする事を大前提でセッティングしなければならない。

ハウリングとは?
カラオケでマイクのボリュームを上げすぎたらキーーーン!
ボワァーン!
みたいな感じで音が暴走する様な経験した事が無いだろうか?(擬音語キモくてすいません)

あの現象がハウリングなのだが
何でハウリングが起こるの?に簡単について説明しよう。

ハウリングの現象は
スピーカーから出た音をマイクが拾って
その音をまたスピーカーから再生される事でハウリングする。



音には高音域・中音域・低音域と3つの音域に分かれていて

それぞれの音域でハウリングは起きるのだが
音域ごとにある一定のレベル(音量)を超えるとハウリングが起る

これが起こらないようにPAはハウリングの原因となっている高音域の部分をセッティングの段階で削り取る作業をするのだ

ちなみにカラオケのキーーン!と言うハウリングは高音でのハウリングになる。

ハウリングしやすいポイントと言うのがあり
そのハウリングポイントを探し当てて
あらかじめその部分のレベルを削っておくのがPAの仕事の1つだ

横軸が音域(hz)
縦軸が音量(db)

もちろんマイク以外にも色んな楽器の音をマイクは拾ってしまう。
様々な要因を考え抜いて事故の起こらない様に全体の音のバランスを取り
その上でアーティストや主催者の要望に応えるのが仕事になる。


本当はもっと詳しく説明出来るのですが。
説明し出すとキリがないので

ここからは

全くの未経験からPAになれる?

について語ろう。

ぶっちゃけ未経験からだと
求人から採用される可能性はほぼ0に近い

なぜかと言うと
1つは素人に機材を触らせたく無いからだ
音響機材はピンキリだが
1台数万円〜数十万円もする物もある

200〜300キャパの箱でも1個のセッティングで数百万円の機材を扱っている

ここでPAあるある??大事件のご紹介

電源の入れる順番(もしくは切る順番)を間違えてスピーカーやアンプが致命傷を負う。

次の日来てブレーカーを上げたらアンプの電源がついたままで
スピーカーやアンプがとんでる
なんて事も、、、。

特殊なマイク(コンデンサーマイクとか)の取り扱いの仕方が分からずぶっ壊してしまう。
これ、常駐してあるマイクなら100歩譲ってまだ許せるんですよ。
これが持ち込みの機材だった時は、、、。

ワイヤレスマイク混線事件
ワイヤレスマイクって使用する時に周波数の使用許可取りしないといけないんですよ

じゃないと混線してしまったり法律的にもアウトな事があるので

で、混線する事がありまして。

プツップツッみたいな音が流れたり
音切れみたいなのが発生する時があるんですよ。

混線の主な原因は同一周波数帯域の使用

・無許可で周波数を使ってる人が居ると混線する
・周りが電波の干渉を受けやすい環境

許可を取らずに無線機を使用していたり
その他にも中国製品の電波系を使用されると干渉する事があります…。

ちなみにカラオケとかも混線するんですよ。
そう言う時の解決策はありません。
しれっと他の周波数のチャンネル使うとかで乗り切るしか無いですがバレたら罰金なのでおすすめできません。
なので使用前は念入りにチェックした方が良いです。


さて、話を戻そう

2つ目は現場を任せれるまで時間が掛かるから

どの職業でも独り立ちするまでの苦労は同じだとは思うのですが。
PAって基本セッティングから撤収まで1人でやる物なんですね
完全に独り立ちできるまではほとんどマンツーマンで教えなきゃいけない。

しかも機材やケーブルとかめっちゃ種類が多い
そこから教えないといけない。

PAの未経験者に教える時は
飲食店で言う食材から教えないといけないって事で
トマトってなんすか?
きゅうりってなんすか?
サラダって凄いっすね。
みたいな世界観な訳ですよ。

なので基本的には専門学校に行っていたか
ある程度知識のある状態じゃないと採用されるのは難しいです。

では、全くの未経験だとPAになる道筋は無いのか?

答えはあります。

経験者だから教えれる方法が2つあるんです。

大前提としてPAって慢性的な人手不足の業界なんですよ。
専門的職業なのになりたい人も少ないし
未経験からの育成もハードルが高い

恐らく最低限の知識を持っている人なら雇いたい
と思ってる会社は多いと思います。

じゃあ最低限の知識を得るには?と考えるのですが

経験者だから教えれる方法が2つあるんです。

まずは1つ目
タイミーやシェアフルで設営補助スタッフ募集に応募する。

スキマバイトには機材の搬入や設営の補助の募集が結構あるんです。
恐らくですが『未経験の人を常用で雇用するのは難しいけど、大型現場の時には人手が欲しい』
そんな悩みからスキマバイトに募集を出してるのでしょう。
そんな音響会社の募集に応募して経験を積むと言うのも手かと。

2つ目

ナイトクラブやライブハウスのスタッフとして潜入する。
実はこれが僕のPAになったきっかけでもあり
実際の経験談でもあるのです。

別にナイトクラブやライブハウスに限らなくても良いのですが。

結論を申しますと
同じ仕事先にPAがいる状況を持つ』です。
回りくどいやり方かもしれませんが

実は僕自身が元々PA志望でPAになれた訳では無いのです。

PAになるまでのルーツを語ると
元々は音楽の業界で働きたいと言う理由で
8個のライブハウスの面接に行きました。
志望理由はもちろんPAです
ですが全敗。理由は未経験だから。
僕は諦めてスタッフとして働く事を選び
受付業務やドリンカーの仕事をする事になりました。
スタッフとして働いていると
ある日、PAの人と喋るきっかけがありました。
きっかけは美味しいラーメン屋さんについて。笑
たまたまPAさんがラーメン好きで僕もラーメンが好きだったのです。
その日からPAの人と喋るきっかけが増えて
たわいも無い話をする様な関係になったのです。

たわいも無い話の中にライブハウス全敗の話をしていました。
そしたらある日にPAさんから『PA覚えてみる?』と言って貰えたのです。
そう、そこから毎日通常の仕事以外に時間を作り
PAさんとも食事に行く時間を作ったりして
PAの仕事を覚えて行く事になったのです。

僕の経験上PAと言う仕事は
基本的には単純な作業も多いのですが
知れば知る程奥が深く
1度はまるとオタクに近い領域まで到達する業種だと思います。
実際に色んなPAさんと会話するとオタクに近い人が多かったかと。

そして、未経験でこれからPAを目指そうと言う人で僕の様なキャリアの築き方をする人への助言としては
まずは、コミュ力が大事だとお伝えしたいです。

僕の場合たまたまラーメンの話で仲良くなれたのですが。

いきなりPA教えてください!で教えてくれる人は少ないのでは?と僕は思うのです。

まずは人としての関わりを持つ事が大事で

例えば
そのPAさんいつもレッドブル飲んでるなぁと思えば不意にレッドブルの差し入れをする事から始めるのも良いでしょう。

そのPAさんとXやインスタで繋がってみて
過去の投稿から趣味を探して
共通の趣味を見つけて話題を振ってみる事もありかと。

その中でPAをやってみたいと言う旨を伝えておくと関係性が出来ていたら『PAやってみる?』に繋がるのでは無いでしょうか?

PAに限らず

人間関係の構築は一番と言っても良いほど大事だと思います。
そして、知識を分けてもらうからには自ら学ぶ姿勢が大事

あなたがもし指導者ならどんな人に教えたいと思いますか?

学ぶ事に前向きな人間ですよね。

教えた事をメモに取るのももちろん大事ですが。
本で学ぶ事も大事

指導者の知らない所で知識を身に付ける努力は必須です。

この経験から得た僕の言葉を書き記して終わりたいと思います。

誰もあなたには興味が無い
あなたから他人に興味を持つ事から始めるのだ
他人を理解して共感する事で新しい繋がりが生まれ
きっとあなたの人生を豊かにするでしょう。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集