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引き金を弾いたのは誰


あの日から
ボーっとする日が増えた

それでもまだ
何とかなると思っていた

カチッ、カチッ

問題集を開き
聴こえないフリをした。



12月29日

心が疲弊した時は
温泉に行くことにしていたけど

この日は
年の瀬だということもあり

宿泊のお客様が
午後から一気に流れ込んできた。

人が苦手な私は
サウナに逃げ込み

誰もいない空間で一人
膝を抱えて座っていると

誰もいないはずなのに
突如として声が聞こえてきた


「お前なんか死ねばいい」


呆然とする私に
たたみかけるように言い放つ

「生きていても
なんの意味もないだろ?

自分の為に生きる?

お前がそれをして
貧しい子供達はどうなる?

なんの為に生きてるんだ?

お前は一体
なんの為に生まれたんだ?」


砕けた未来からの散弾。


そんなの知らないよ
そんなの知らないよ

けど、もう無理なんだ

今の私には
なんの力も無いんだ

砕けた未来への拒絶


悲しくなって
濡れたタオルで顔を覆った

なんの為に頑張るのか
人に話したことがあった

私が努力する理由は
死にたいと思いたくないから

なんの為に生まれて
なんの為に生きているのかを

一秒でも考えたくないから。

何かをしてれば
考えなくてすんだのかもしれない

存在価値とか存在意義とか
そんなムズカシイことじゃなくて

ただ、怖かっただけなんだと思う。

ここにいてもいいよ
ここが君の居場所だよ

そうやって
安心できる場所が欲しくて

空に手を伸ばし
夜道を彷徨ったあの日々の様に

銃口を向けられてるとも知らずに
暗闇を走り続けたのかもしれない


ソンナモノドコニモアリハシナイ。


そう思った瞬間
悪夢のロシアンルーレットは終わりを迎えた。



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