ロシアンルーレット

あと少し
試験まであと少し

これが終わったら
次の試験が待っている

それが終わったら
次の行程が待っている

カチッ、カチッ

トリガーはずっと前から
何度も何度も引かれていた

ただ、不発だっただけ。

私には夢があった

発展途上国に
貧困の子供達が通える学校を建てる

その為に必要な2000万
それを貯めることに夢中になった

毎日毎日
お金をいかに稼ぐかを考え

軍資金5万円からスタートし
一年後にはお店を手に入れた


よし、次は会社をつくろう。

それに必要な資格の勉強をし
それに不要なことは全て排除した

ただ、一つ
拭えない不安があった

それは私が、孤独だということ。

志が同じだと思ってた人達が
私と違う人と思っていなかった

計画が深くなるにつれ
何かがズレていく感覚

一歩進んでは
二歩下がっている困惑

不安という闇は
リボルバーに装填した実包となり

ある日突然、私の夢や希望を貫通した。

破壊された未来の破片は
私の心をズタズタにした挙句

夢から悪夢へと変わる
ロシアンルーレットの弾丸となった。