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【テスト小説】「詐欺師、広告業界を破壊する!?」/第1幕:『詐欺師、広告業界に参戦』

キャラクター
主人公:高杉 陸(たかすぎ りく)
・元プロ詐欺師。詐欺の天才であり、策略家。
・信念よりも"勝つこと" を優先する合理主義者。

御堂 一馬(みどう かずま)
・40代の広告クリエイター。業界のカリスマだが、内心では嫌気がさしている。
・資本主義社会の矛盾を理解しつつも、完全には抗えずにいる。

第1章:『策略家の敗北』

夜の繁華街。ネオンがきらめくビルの谷間を、男が悠然と歩いていた。
高杉陸(たかすぎ りく)——詐欺師。

「いやぁ、いい仕事だったな」

彼はポケットの中の封筒を軽く叩く。そこには、さっきまで別の男が持っていた数百万の大金が収められていた。

ターゲットは50代の投資家風の男。
白いスーツに金の腕時計、いかにも「金持ち」な出で立ち。

陸が仕掛けたのは、**「架空のベンチャー企業への投資詐欺」**だった…


陸は、ある日投資セミナーに潜り込み、金持ちたちが集まるバーの情報を手に入れた。
そこでターゲットに近づき、あたかも偶然を装って会話を始める。

「いやー、今の日本はチャンスですね。AIとブロックチェーンを活用した新しい金融システムが、投資業界をひっくり返しますよ!」

金持ちの男は興味を示した。

「ほう、それは面白いな」

陸は懐からスマホを取り出し、偽のニュースサイトを見せる。そこには、自作の「有望なベンチャー企業」の記事が載っていた。

「この会社、今プレIPOの段階で、特定の投資家にだけ秘密裏に出資の話が来てるんですよ。僕の師匠がCEOと繋がってて、特別枠があるんですけど……」

男は食いつく。

「投資の最低額は?」

「300万です。もちろん、今なら200万でも何とかなりますが……」

男は少し考えた後、封筒を取り出し、現金を渡した。

「頼んだぞ」

陸は笑顔で封筒を受け取る。

「ありがとうございます。間違いなくリターンは10倍になります」

そして、数時間後。

陸はその金を持ち、さっさと別の街へ移動していた。

そんな陸の前に、一人の男が立っていた。

「君、詐欺の才能があるね」

御堂一馬(みどう かずま)——大手広告代理店「ワンダーマーケティング」の幹部。
彼はスーツを整えながら、陸をじっと見つめた。

「……あんた、何者?」

「君をスカウトしたい。広告業界で、その才能を活かさないか?」

詐欺師が広告業界に? 陸は一瞬、笑いそうになった。

「冗談ですか? 俺、企業勤めとか興味ないんで」

「君なら合法的に詐欺ができるぞ」

陸の表情が変わる。

「……面白い話ですね」

陸は御堂を一瞥し、ニヤリと笑った。

「あー、紹介が遅れたね。私の名前は御堂だ。」

(こいつも金を持ってそうだ……一丁、騙してみるか)

陸は即座にターゲットを切り替え、御堂を罠にかける算段を始めた。

「なるほど、広告業界ですか。実は僕、投資事業にも関わってましてね……」

再び、例の架空のベンチャー企業の話を持ち出した。

「御堂さん、せっかくなら一口いかがですか? 特別に、あなたには100万から参加できる枠をご用意します」

御堂は微笑んだ。

「なるほど、100万ね。確かに魅力的な話だ」

陸は心の中でほくそ笑む。

(こいつも結局、金が目当てのバカか)

しかし、次の瞬間——

バチン!

陸の手からスマホがはたき落とされた。

「は?」

「君の詐欺、見破ったよ」

御堂は冷静にスマホの画面を指さした。

「そのニュースサイト、フォントが一部違う。記事の日付が矛盾してるし、なにより、僕はこの会社のCEOと直接繋がっている。……そんな話、一度も聞いたことがない」

陸の顔から血の気が引いた。

(バレた……!?)

御堂はスマホを拾い上げ、陸の肩をポンと叩いた。

「さて、君は今すぐここで警察に突き出されるか、それとも俺の下で働くか、選んでくれ」

「……脅迫ですか?」

「いや、ビジネスの提案だよ」

御堂は笑う。

「詐欺師なら分かるだろ? 俺が君を必要としていることくらい」

陸はしばし考えた後、大きく息をついた。

「……条件は?」

「君の仕事は、広告業界の欺瞞を暴くことだ」

「……それが御堂さんの目的?」

御堂は静かに頷く。

「この業界は腐ってる。嘘で塗り固めた広告が、無意味な消費を煽る。でも、俺一人じゃ何もできない。だから、お前をスカウトしたんだ」

陸は思わず笑った。

「ハッ……面白ぇな」

こうして、詐欺師は広告業界に足を踏み入れた。


第2章:疑念の種

高杉陸は広告企業での新しい生活に慣れてきていた。広告制作の手法を学び、次々と消費者を惹きつける広告を仕上げていく彼の才能は、瞬く間に社内でも評価されるようになった。だが、その広告の内容は、必ずしも真実とは言えないものばかりだった。

ある日、彼が手掛けた商品の広告が大ヒットする。その商品は「飲むだけで痩せる」という触れ込みのサプリメント。しかし実際には、製品の効果はほとんど科学的根拠がない。にもかかわらず、売上は爆発的に伸び、多くの消費者がこぞって購入しているニュースが流れる。

「陸くん、君の広告は見事だな!」
上司の御堂一馬が褒める。しかし、その表情はどこか複雑だった。

「いやあ、こんなのは簡単ですよ。騙される方が悪いんですって。消費者は自分で情報を精査するべきなんですから。」
陸は笑いながら答える。

御堂はしばらく沈黙し、それからふと窓の外を見ながら言った。
「陸くん、君は『何かを売る』ってどういうことだと思う?」

「何かを売る?それはお金を得るための手段でしょう?消費者が望むものを与える。それだけのことです。」

御堂は首を振り、少し低い声で続けた。
「売るとは、他者の心を動かすことだ。だが、その心を動かす先が、果たして本当にその人の幸せにつながるのか。そこを考えないといけない。」

陸は小さく鼻で笑った。

「ははっ、綺麗事ですね。消費者は自分で考えて行動するものじゃないですか?それを見抜けない方が悪いんです。」

「……そうかもしれないな。でも、たとえば——」

御堂は少し考えてから言葉を選ぶようにして続けた。

「もし君が作った広告を信じて、最後に絶望する人がいたら?それでも『騙される方が悪い』で済ませるのか?」

陸は言葉に詰まった。

彼は詐欺師だった。これまで数多の人間を騙し、金を巻き上げてきた。そんな彼が、いまさら「他人の人生」について考える必要があるのか?

「……考えたことはないですね。」

そう答えながらも、どこかモヤモヤとしたものが胸に残る。

会社を出て夜道を歩く。ネオンが煌々と輝く街の片隅で、陸はスマホを取り出し、自分が作った広告のレビューを眺めた。

「これを飲んだら本当に痩せるんですね!楽しみ!」
「絶対に効果があるって信じています!」

期待に満ちたコメントが並ぶ。

(……バカバカしい。こんなもの、ちょっと考えれば分かることじゃないか。)

そう思いながらも、御堂の言葉が頭から離れない。

——本当に相手のためになっているかどうか、考えたことはあるか?

(……いや、そんなこと考えても無駄だ。)

自分にそう言い聞かせるように、スマホの画面を消し、夜の闇に溶け込むように歩き出した…


第3章 欺瞞の影

広告会社に勤めて数ヶ月。陸は変わらず成果を出し続けていた。
むしろ、詐欺師時代より "合法的に" 人を騙せる環境は心地よかった。

今日の案件は「若返り美容クリーム」。

「たった3日で10歳若返る」
「科学的に証明された奇跡の処方」
「世界のセレブが愛用!」

(まあ、相変わらずデタラメばっかだな。)

だが、問題はない。消費者は疑わずに信じるし、会社も売上さえ上がれば何も言わない。

そんな中、御堂がいつものように彼に問いかける。

「陸くん、この広告、本当に問題ないと思うか?」

「ええ。全然問題ないですね。」

「……そうか。じゃあ今日は少し現場を見に行ってみようか?」

御堂は陸を連れて、街へと出た。

"広告の影響"を目の当たりにする

繁華街のドラッグストア。店頭には 陸が作った美容クリームの広告 が堂々と貼られている。
その前に、一人の中年女性が立ち尽くしていた。

手には広告のチラシを握りしめ、真剣な眼差しでクリームの箱を見つめている。

(あの人、俺の広告を信じてるのか?)

「すみません……これ、本当に効果あるんですよね?」

店員に尋ねる女性の声は、どこか不安げだった。

「はい!たくさんの方が効果を実感してますよ!」

店員は満面の笑みで答える。
すると女性は 財布から震える手でお札を取り出した。

陸は その一瞬に、違和感を覚えた。

(……あの人、本当に信じて買おうとしてる。)

ただの数字だった売上が、 "現実の人間の決断" になった瞬間だった。

「……彼女は何を考えてると思う?」

横で立っていた御堂が静かに問う。

「……さあ。でも、若返りたいんじゃないですか?」

「そうかもしれないな。でも、もしかしたら——"若返らなきゃならない" と思わされているのかもしれない。」

御堂の言葉に、陸の胸の奥がざわついた。

("若返らなきゃならない" と思わされている……?)

「広告ってのは、ただ商品を売るだけじゃない。"こうあるべき" という幻想を作り出すものでもあるんだ。」

御堂はそう言い残し、店を後にした。
陸は何も言えず、ただ女性がレジで商品を買う姿を見つめていた。

——彼女は、本当にこのクリームが欲しかったのか?
それとも、広告に "欲しいと思わされた" だけなのか?


会社に戻る途中、陸はいつものように軽口を叩かなかった。

スマホでSNSを開くと、また自分の作った広告を信じるコメントが並んでいる。

(……いや、関係ない。買うのはあくまで自己責任だ。)

そう思おうとするが、今日の光景が頭を離れない。

御堂の問いが、ずっと耳の奥で響いていた。

「……俺は、今まで何をやってきたんだ?」

だが、その答えを出すにはまだ時間がかかりそうだった——。


あとがき
この物語はChatGPTと自分が議論を交わして作られたわけだが、これはちゃんとした小説になっているのだろうか。
機会があれば、また続きをChatGPTと話し合って?作っていくわけだが、もっと高杉 陸と御堂 一馬のキャラを濃くしていきたい。
そういう点では、今回、主人公と御堂のキャラの魅力を引き立たせることが出来なかったのは反省点だ。

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