新卒4ヶ月で転職して
かき氷がおいしい季節になりましたね。住吉です。私は、新卒で入社した地域工務店を4ヶ月で退職し、プライム上場企業に転職しました。現在は丸の内にある本社で研修を受けており、10月から松山に戻って四国全体をカバーする営業所での勤務となります。まだ少ししか出社していませんが、その所感を述べたいと思います。中小企業で働いていた視点が薄れる前に書き留めておきたかったんです。
【会社の仕組みの違い】
前職では、歯車にエンジンがついているような仕組みでした。歯車が自主的に回っていかないと、仕事が、会社が進んでいきません。仕組みの整備不足です。もう廃盤の歯車だらけで、変えが効きません。特定の人物に負担が集中することで成り立っているという仕組みになっています。現職では、誰が何の仕事をやるのかが明確化されており、誰が入社しても会社が回っていきます。歯車は規格化されて、どこでも手に入るものばかりで構成されているイメージです。そこが仕組みとしての、つまり会社としてのクオリティーが圧倒的に高いと言えます。前職は歯車が欠けたら特注で注文する(お金も時間もかかる)、現職は量販店に行って規格物の歯車を買うだけ。
【自分の仕事がどう会社に繋がっているのかわかっていない人がいる】
前職は、例えば営業なら1棟の契約があり、契約時点での利益額があり、それを現場の管理で守っていくという流れが分かりやすく、自分が見える範囲のみで産まれた利益で実際に会社が回っていく様子を目の当たりにできました。しかし、現職ではそれが実感しにくいどころか、自分の仕事がどこに繋がっているのかもわからないまま仕事をしている社員さんもいらっしゃいます。やりがいが分かりやすいという点においては、中小企業の方が向いている人もいるかもしれません。
【コンプライアンスにビビる社員】
東証プライムに上場するためには、様々な課題が課されます。その中に労働環境も、もちろん整えるべきものとして基準が設けられています。そのため社内の労働環境は非常に整備されており、ノー残業デーには上司が口酸っぱく社員に当たっている様子が見られます。勤怠時間も1分単位で付けられており、労働時間は人事部の厳しい目が向けられています。そんな中、一番皆がビビっているものがコンプラ違反です。コンプラ違反が起こってしまうと、株主へのイメージダウン等、現代、とりわけ東京では大きなダメージになってしまいます。
【社員の余裕が違う】
まず、社員に対するスタンスが前職とは全く違います。前職では、教育に対しての見返りへの執着が尋常ではありませんでした。新入社員に結果とやる気と生産性が求められていました。しかし、現職では、合わなければ転職をすれば良いし、転職ありきのキャリアプランでも、社員が成長すればよいという、社員としてでなく個人として尊重されているという風土があります。かといって離職率はかなり低く、人員過剰で文系の新卒の採用が止められるほどの充足率になっています。困ったことがあればすぐに教えてくれますし、こちらが聞く前に察してデスクに来てくれたりもします。仕事の範囲がかっちり決まっているため、タスクの分配が可能です。だからこそ、教育に割けるリソースが捻出できる環境になっています。また、若手とされる社員さんでさえ精神的なゆとりが感じられるため、社員同士の相性が悪いことはもちろんありますが、それで職場の雰囲気に影響したりすることがありません。自分の感情をコントロールし、職場全体の雰囲気に気を遣えるほどみんなが大人で、精神的なゆとりがあります。
【意外にも2年目でも活躍できる】
前職では、圧倒的に成長できる環境でありました。しかし、大手が生ぬるいかというと、そうではありません。仕事は求めれば求めるだけ大量にくれますし、通信インフラという前職とは比にならない規模の事業でも、2年目からひとり立ちしてお仕事をし、億規模の契約をどしどし受注している2年目の先輩もいます。ここは自分自身で想像と違っていた部分で、来年の自分がどうなっているのかワクワクできます。もっと長い下積みがあっての実戦デビューかと思っていましたが、個人の能力によっては上記の先輩のようになることもできるのです。
【ステレオタイプなし】
中途採用の新卒という微妙な肩書の私ですが、大人びているね、30代かと思ったとよく言われます。実際の仕事レベルは我ながら新卒の域を出ないものですが、それでも、私のスキルに合わせてよく仕事をくれますし、新卒だからという理由で新しい仕事を振ってくれなかったりはしません。個人を見て、そのレベルに合わせてステップアップしていきます。この会社には、新卒だから〇〇というステレオタイプは存在しません。
【刺激的な毎日はない】
前職では、毎週のように目玉が飛び出るような事件が起こっていました。エンタメの数々をみんなで共有して大笑いする時間は痛快でした。しかし、治安のいい会社ではそういった刺激的な出来事は皆無で、ただ見通しの立つ平凡な毎日が過ぎていきます。パチンコのような強い刺激に脳みそが毒された僕は、少し寂しい思いもあります。だから、平和な大手企業の多い東京には刺激を娯楽に求める傾向があり、刺激的な娯楽がたくさんあるのではないかなと感じました。前職在職時は、みんな娯楽に刺激なんか求めていませんでした。
【休みが多すぎる】
年間休日127日、これは年間の3分の1以上はお休みである日数です。これに加えて毎年20日の有給が付与されます。ありえないほど休みが多いです。そのお休みで、お仕事を通して足りないと感じた知識、役立つと思った能力を伸ばす時間を作れます。今の私も、12日付与された有給を入社一週間目にして3日間申請しました。お盆休みは10連休、その他にも、大型連休が年に何回もあります。好きなこと、やりたいことに打ち込んで、さっぱりしてまた仕事に打ち込む。そんな環境です。
【まとめ】
前職の良いところは、人がよかった点、毎日刺激的であった点、会社規模からしてお金の流れやビジネスの仕組みをよく捉えられた点、習うより慣れろ方式での圧倒的成長です。それらがあったからこそ今の自分がありますし、もう同じ過ちを繰り返すことはないという点で、前職に新卒カードを切って後悔はありません。ただ、今こうして恵まれた環境に身を置けたのは半分は運でした。もし満足の行く転職ができなかった場合、そうは思えなかったかもしれません。私は、ここでも力をつけ、より市場価値の高い人間になるべく飛躍していく所存です。