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2022年「第6回展示会ー戦争トイウ流行」戦時を利用して大はしゃぎしていたのが、ますます戦争を後押しして
新型コロナの流行がようやく収まりかけてきた、2022年、3年ぶりに7回目の展示会「戦争トイウ流行」を8月9日から8月14日まで6日間、ギャラリー82で信州戦争資料センターと公益財団法人八十二文化財団の主催で開きました。いつものごとく、入場無料でした。また、基本的に展示会場の展示物は撮影可能としてきたのが、当方の展示会の特徴です。
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太平洋戦争で敗北し、軍隊が解体されるまでの大日本帝国では、軍隊が庶民の身近な存在でした。日清、日露の戦役で勝利し、そのたびに領土を広げて帝国主義列強となった日々。徴兵制があり、身内の誰かが軍隊生活や戦場を体験している、そんな時代。とすると、軍隊の「強さ」を連想させる広告も世の中には普通に受け入れられていました。
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そしていざ戦争が始まると、軍需景気でも大っぴらには慰安旅行などできないところ、「武運長久」「銃後の休養」を理由とし、「現地の兵隊さんのため」と理由をつけて商品を販売します。芸者さんも愛国歌を歌い、お茶も戦時に役立っていると、理由はさまざまですが、とにかく戦争に関連付けさせすれば堂々とチラシや冊子を配れるとの思いだったのでしょう。
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マスコミも、いかに戦地の様子を早く知らせるか、勇ましい紙面を作るかが競争になり、庶民に受ける軍歌の公募などの取り組みをしました。そして、戦争で動く戦時国債を原資とした大きな資金の流れを、金融機関が見逃しません。国債や株の販売を競い、保険を売り、貯金額を積み上げさせます。どれも「お国のため」で押し通していきました。
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しかし、「どうせ2、3年で終わる」と考えていた戦争が、一向に終わる気配を見せません。物資も不足し、ならばと代用品を販売して、軍や政府も頼っていきますが、物資はさらに不足。金儲けの種は宝くじの元祖を生みます。
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この展示では、兵隊さんを相手にした平時の商売やイメージ広告、満州事変や日中戦争初期の広告や新聞、そして物資不足化でもなお行った別荘の販売や優良証券売り込み、代用品の生産や広告、政府広報に成り下がった出版物などをご覧いただきました。
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そしてそんな商売の最中に進んでいた戦争の実態を伝えるため、疎開先の児童に配られたとみられる当時のビスケットの実物や焼夷弾などを合わせて紹介させていただきました。まだ戦争が本格化する前は、防空用品が懸賞の商品になるといった話題作り程度のものが、現実化した実態です。
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この展示会では、これまでの芳名帳からアンケートに切り替えました。132人の方にご回答いただき、ご希望の方にはDMを出すようにしました。地域情報誌でも大きく取り上げてもらい、来場者の内訳は長野市内4割でしたが、それ以外の県内2割、そして県外は4割と、遠くからお越しいただいた方も多くおられました。展示会の情報入手経路はTwitterが一番多く55%に達し、フォローやフォロワーの皆さんによる拡散の効果が非常に大きくなっています。あらためて感謝申し上げます。
また、回答者の8割は今回が当方の展示会来場が初めてとご回答いただきました。ここまで回を重ね、ようやく「ちょっと行ってみるか」と思っていただけるようになったと実感しました。その期待に応えられるよう、精進してまいります。
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