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学級における同調圧力の悪影響とは?井口・河村(2021)をもとにその実態を考える


1.始めに

みなさんは、学生時代、空気を読んでいたでしょうか?
学校現場では、子どもたちが自由に意見を発言できる場になったらいいなーと私は思うこともありますが、実際はそう上手くもいかないケースもたくさんあるようには感じてきました。

しかしながら、ちゃんと論文を読んでみなければ、その実態を確かに確かめることは難しいです。

と言うわけで、今回は、井口, 河村(2021)「学級における同調圧力がもたらす否定的側面とその改善を検討した先行研究の展望」を読んでみたいと思います。

2. この論文の立ち位置

この論文は、
(日本の)学校では子どもたちは同調圧力を感じていて、それが子ども達に否定的な教育効果を与えていて、それを改善しようとしている論文がこれまでたくさん発表されてきたので、一度ここで整理しましょう!、という趣旨で書かれています。

3.補足

日本の子どもたちが同調圧力を感じている、これは主張ですので、証明が必要です。なので、本来は証明が必要ですが、この論文はここまでの先行研究において、同調圧力&そのデメリットがあるという論文が既に存在していることを前提に話しているので、一度割愛します。

4.結果と考察


はい、では【結果】というところを見ます。

「以上,同調行動ならびに同調圧力に関連する問題点をまとめ,次のような課題が明らかと なった。
(1)同調圧力が高まった集団においては,スケープゴートなどにみられる異質性排除の傾向がみられる

(2)集団の同調圧力が高まることで,有益な発言が抑制され,集団思考の結果,適切な合意形成が妨げられる

(3)表面的な同調は心的葛藤や認知的不協和を引き起こすが,集団から孤立する不安や緊張を低減する情緒的な作用が働き, 同調行動の維持につながっている

本文p6左段落中央付近より

なるほど・・・私は次のように解釈しました。

① 同調圧力によって、集団の秩序を保つために、誰かをやり玉にあげることで、集団を維持しようとする(かなり大変ですね😥)

② 同調圧力は、子どもたちの話し合い活動にマイナスの影響がある

③ 「表面的な同調は心的葛藤や認知的不協和を引き起こすが,集団から孤立する不安や緊張を低減する情緒的な作用が働き,同調は促進され,同調行動の維持につながっていることが明らかとなった。」
と書いてありましたように、

 同調圧力で不安になる → 不安を解消したい → 同調することで不安を解消する

という負の無限ループが生まれているようです(恐ろしいですね…)

5.まとめ

ここからは、井口さんや河村さんが、これらの分析を踏まえて自分はどうしたらいいと思うかについて考察されていまして、ぜひそちらもご覧になり、普段の学級経営に是非活かされると嬉しいです!

それでは!

【論文詳細:井口武俊, & 河村茂雄. (2021). 学級における同調圧力がもたらす否定的側面とその改善を検討した先行研究の展望 (Doctoral dissertation, Waseda University).http://hdl.handle.net/2065/00074918

文責: みつ


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