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障がいは治らない、だからこそ


療育グッズのオンラインショップを始めました

昨年、療育グッズのオンラインショップをオープンしました。物販もECもマーケティングも事業運営も、まったくの素人。それでも、「紹介したいものがある」「知ってほしいものがある」── その気持ちで、まずは「やってみよう」と始めました。

療育グッズについて、よく聞かれるのが「このアイテムで何が変わるの?」という疑問。とあるブログでは「療育グッズには〇〇がない?!」というタイトルを目にしたこともあります。「高額な療育グッズで障がいは治らないから、意味がない」という主張のようです。

…はっきり言いましょう。

療育グッズで障がいは治らない。でも…

療育グッズで障がいは治りません。
発達障がいや知的障がいは、生まれ持った脳の特性によるもの。風邪や骨折のように「治る」ものではないからです。

ただ、成長や環境によって、「できること」は増えていきます。工夫や経験を積むことで、苦手なことができるようになったり、環境に適応するスキルを身につけたりもする。軽度であれば診断が外れるケースもありますが、それは障がいが消えたのではなく、環境とスキルの掛け合わせによって、社会的な障がいが減っただけなのです。

だからこそ、親が持つべき視点は「子どもの障がいを治す」ことではなく、「社会的・環境的な障がいを減らすこと」なのです。

“今”の困りごとに向き合うために療育グッズを広めたい

「今は泣き喚いているけど、そのうち慣れるはず」
「前も似たようなことで困っていたけど、いつの間にか落ち着いたから、今回もきっと大丈夫」

私自身、こんなふうに息子の困りごとをやり過ごしてきた過去があります。でも、忘れてはいけないのは子どもにとって、今がすべてだということ。

今感じたこと、今学んだこと、今覚えたこと、今人にされたこと── その「今」の積み重ねが、未来の子ども自身をつくります。療育グッズは未来のためではなく、「今」の困りごとに向き合うためのもの。「いつか成長すれば……」と待つのではなく、今の困りごとを少しでも楽にし、ストレスを減らしたいと考えました。

アメリカで過ごした2年間、日本ではまだ知られていない療育グッズが色々あることに気づきました。
教育や社会構造、文化の違いを加味しても、日本でも選択肢の一つにあって良いと思えるものです。

「より多くの人に知ってもらいたい」
それが、私が療育グッズの販売を始めた理由です。

今の環境調整が、子どもの未来につながる

「落ち着きがなくて授業に集中できない」
「音に敏感で、学校のチャイムが鳴るたびにパニックになる」
「椅子にじっと座っていられなくて、気が散ってしまう」

こうした困りごとは、成長すれば自然に解決することもあるかもしれません。でも、「今」困っている子どもにとっては、それがどれだけ大変かを考える必要があります。

例えば──

ADHDの子どもが45分間、大勢のクラスの中でじっと座って話を聞く環境。脳が刺激を求めているのに、手元の文具をいじるだけでもうるさいと怒られる。

聴覚過敏の子どもが、教室中の雑音と先生の声がすべて混じった大音量の状態で過ごす45分。「みんなできてる、私もちゃんと聞き取らなきゃ」と必死にに耐える姿。

たった45分でも、大人より時間感覚が長い子どもにとって、それは耐えがたい苦痛の時間です。私だったら不登校になります。

でも、ちょっとした工夫で、怒る大人のストレスも、怒られる子どものストレスも減らせるとしたら、やらない理由はありませんよね。

例えば、学校での環境調整のアイデアはこんなのがあります。
• じっと座っていられないなら → バランススツールやクッションで姿勢をサポート
• 音に敏感なら → ノイズキャンセリングイヤーマフを取り入れる
• 手が落ち着かないなら → フィジェットトイで感覚を満たす

こうした環境調整をすることで、子どもが自分に合った方法で学び、生活できるようになります。これは楽をさせることではなく、自分が学ぶために必要なスキルを身につけることです。

「誰にでも合うもの」はないからこそ

「このグッズを使えば落ち着きますか?」
「どのアイテムが一番おすすめですか?」
よく聞かれる質問ですが、答えは一つ。

「その子による」

どんなに優れた療育グッズでも、すべての子どもに合う万能なものはありません。療育は、その子に合ったものを見つけ、試し、調整しながら続けていくものですよね。だからこそ、私はInstagramなどで使う様子を発信しながら、「選べる場」を作りたいと思っています。

まだまだ商品数は少ないですが、ぜひ一度ショップをのぞいてみてください。

「この子にはこれがいいかも?」というヒントが見つかるかもしれません。

療育グッズが、子どもも大人も楽にする

療育グッズは、障がいも治さないし、万能でもないし、ずっと使うものでもありません。でも、子どもの今の困りごとを楽にする手助けはできる。そして、ダメダメ言わなくて済むとしたら親もストレスが少し減るのではないでしょうか。

私のショップでは、日本でまだ一般的ではないアイテムも紹介していきます。また、すでにある良いサポートグッズも、ここnoteやInstagramでどんどん紹介していかたら良いなと思っています。

ぜひ、チェックしてみてくださいね!
たくさんの方とつながれたら嬉しいです。

Instagram→


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