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『作楽(さくら)』をはじめとする5代目のモノづくり

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となみ織物5代目が制作する帯や着物のモノづくりを紹介。 その一つシリーズ『作楽』は、『楽しさをつくる。』それをコンセプトにモノづくりをしているシリーズです。今まで帯にはなかった…
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#袋帯

【番外編02】作楽×MONOHA-1/総紗縫

1,デザイン/弦月お太鼓にお月さま、というシンプルなデザインの袋帯。 むかしからお月さまをモチーフにした帯はやまほどあります。月は、女性・優しさ象徴、満ちていくことから成長を意味する、ツキを呼ぶなど。また昔は太陰暦を用いていたように、生活と密接に関わっていたため、意匠としても用いやすかったこともあります。 となみ織物でも、三日月、満月(大きな月から小さなモノまで)、下弦、上弦など様々織り帯として制作してきました。シンプルなモノから、ある程度リアルなお月さま、まで。

作楽#21 彩作楽唐草(雲龍錦版) もう織れない帯

1,デザイン 唐草は、蔓草の様子を図案化したもの。古代四大文明のメソポタミアやエジプトを起源に持ち、ギリシアに伝播、ユーラシア大陸を渡り、日本に伝わったものとされています。ロータス柄やパルメットとも合わさることで、それぞれの地域や文化に根付き、今でも世界各国で見られる文様となっています。 蔓がどこまでも伸びていく様子を生命のシンボルとみなしたり、繁栄や長寿を意味すると考えられた吉祥文の一つです。 帯としては、帯幅いっぱいに広がる唐草を4色の色糸と金銀糸、それをミックスさせ

作楽(Rococo)#19 宝相華文/しぼ織

1,デザイン/宝相華文 宝相華文は、架空の唐草の一種。正倉院にも納められている、この時代最高といってもよい、デザイン。パルメット柄を基本に、インドから唐を経て、天平時代に日本に入ったもの。 仏教装飾にも使われていると蓮華系の一種とも言われ、帯や着物の世界でも、様々なアレンジがなされている文様です。 このRococoとあるのは、18世紀ヨーロッパ(特にフランス ルイ14世の時代)で流行した『ロココ様式』から。繊細で優美で、特にS字形に特徴を持つデザイン、それと日本の古典文

作楽#16 モール七宝繋ぎ/千寿錦

1,デザイン 古典文様『七宝繋ぎ』柄の中に、少し大きめの四角ドットを入れたシンプルなデザインの袋帯。 「七宝繋ぎ」文様は、「四方」に良縁が広がっていく、四方が転じて「七宝」とも言われいます。ちなみに、七宝は、金・銀・瑠璃・玻璃(水晶)・しゃこ貝・珊瑚・瑪瑙( めのう)。仏教において、貴重な7つの宝のことを言います。  ※真珠が入る場合も 文様が持つ意味としては、和(輪)を繋げる、円満、子孫繁栄、永遠など、数多くの縁起の良い意味を持つ文様です。シンプルなデザインですので、

作楽#11 アリス /紹巴織

1,デザイン帯の元は図案。その図案は①図案展で競り落とす、②自社で図案を描く・制作する、③なにを元に(例えば、人間国宝の作品から許可を頂き、制作する)、などパターンはいくつかあります。 会社としては①〜③までバランス良く、私の場合②、③が多いです。ちなみに「作楽」は②がほとんどです。この②の場合、デザインするときは、様々なところからヒントを頂きます。この帯に関しては「不思議の国のアリス」の本からイメージしました。 おそらく子供のときに読んでいたはずですが、久々に読んでみま

作楽(Nord)#4 作楽宝相華文/千寿錦織

1,正倉院文様の一つ、作楽宝相華文制作した帯を出してきて、デザインはもちろんのこと、一つ一つの色同士の関係性や織組織をみて、やっぱり好きだなぁと思ってしまうのが、この帯。 宝相華文は、架空の唐草の一種。正倉院にも納められている、この時代最高といってもよい、デザイン。パルメット柄を基本に、インドから唐を経て、天平時代に日本に入ったもの。 仏教装飾にも使われていると蓮華系の一種とも言われ、帯や着物のほう様々なアレンジがなされている文様です。 2,織組織は千寿錦織 ちなみに