作楽(Rococo)#19 宝相華文/しぼ織
1,デザイン/宝相華文
宝相華文は、架空の唐草の一種。正倉院にも納められている、この時代最高といってもよい、デザイン。パルメット柄を基本に、インドから唐を経て、天平時代に日本に入ったもの。
仏教装飾にも使われていると蓮華系の一種とも言われ、帯や着物の世界でも、様々なアレンジがなされている文様です。
このRococoとあるのは、18世紀ヨーロッパ(特にフランス ルイ14世の時代)で流行した『ロココ様式』から。繊細で優美で、特にS字形に特徴を持つデザイン、それと日本の古典文様である『宝相華文』をミックスしてモノづくりしました。
2,織組織/しぼ織
しぼ織の詳細は上記から。
この帯では地部分は縦に流れるしぼを作り、柄部分はブルー色の濃淡とともに、特に隆起が目立つように紋づくりしています。高低差を付けることで、S字形の大きな流れが際立ちます。
3,お腹部分/6通
大きなS字形を描くデザインのため、右と左の柄の重さが異なります。こういう柄付けでは、関東巻・関西巻、出す方向によって印象を大きく変化付けることができます。デザインとして優先順位はお太鼓が一番、ですが6通として、お腹に出る部分のデザインがイメージと異なれば、3通の帯として違ったデザインをお腹部分に持ってきます(別腹)。
今回は、偶然の要素もありつつ、お腹部分もお太鼓と同じ様に、イメージ通り、ベストな柄いきとなっていると思います。
4,裏地/菱鱗柄
この帯では、基本的に裏は結ばない想定です。
だからといって、無地にするわけでなく、身を守ってくれる文様、鱗柄を採用しています。
シンプルな文様ですが、これも織りで表現していますので、僅かな陰影で柄の奥行きがでてきます。二重太鼓に結んだときに、わずかに見える部分でもありますので、そういったときに、この柄が効いてくることも・・・。
5,コーディネート
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