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『作楽(さくら)』をはじめとする5代目のモノづくり

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となみ織物5代目が制作する帯や着物のモノづくりを紹介。 その一つシリーズ『作楽』は、『楽しさをつくる。』それをコンセプトにモノづくりをしているシリーズです。今まで帯にはなかった…
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#しぼ織

『紅村帯』-1

1、このシリーズについて京都の清水で四代にわたり、青磁・白磁を制作する窯元。その四代目 林侑子さんの作品デザインをモチーフに制作する帯です。 まだ仮称ですが、帯シリーズの名前は、窯元から頂き『紅村(こうそん)』帯と呼んでいます。はじまったばかりのモノづくり、作品の立体感や雰囲気をどう織物で表現していくのか?今後、楽しみしかないモノづくりです。 ◆京の紅村窯◆ 百年を超える長い歴史を持つ京焼の伝統の中で、四代にわたって培われた技術と格調を研磨しつつ、新しい息吹を盛り込んだ作

作楽(Rococo)#19 宝相華文/しぼ織

1,デザイン/宝相華文 宝相華文は、架空の唐草の一種。正倉院にも納められている、この時代最高といってもよい、デザイン。パルメット柄を基本に、インドから唐を経て、天平時代に日本に入ったもの。 仏教装飾にも使われていると蓮華系の一種とも言われ、帯や着物の世界でも、様々なアレンジがなされている文様です。 このRococoとあるのは、18世紀ヨーロッパ(特にフランス ルイ14世の時代)で流行した『ロココ様式』から。繊細で優美で、特にS字形に特徴を持つデザイン、それと日本の古典文

作楽#5 象の行進/しぼ織

1,象のデザイン古来は日本に象はいないにも関わらず、日本書紀には記載があったり、着物や帯の意匠としても、現在でも人気の『象』柄。 意味としては、力、知恵、平和、幸せのシンボルなど。様々。 インドでは、お盆のような世界を象と大蛇が下から世界を支えている図があったり、縁起の良い神聖な生き物。 象の神様、ガネーシャは富や繁栄を司る幸運、障害を取り除くとして、信仰されています。 また、仏教の開祖お釈迦さまが生まれる前、王妃の胎内に白い象が入ってくるのを夢で見て懐妊、世界が救