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認知症×AI=愛が生まれる



1.介護業界のIOT

介護施設の人材不足に対し、政府はIOTを推進していますが、なかなか思うように進まないのが現状です。企業から「こうなったらいいな~と思うこと聞かせてください」とよく尋ねられますが、私たちが思いつくのは現実的ではないことがほとんどです。

たとえば高齢者集合住宅や介護施設の居室では、毎日当たり前のように紙オムツを使用します。各々の枕元で壁をパカッと開けば紙オムツが出て来る、あるいは壁をパカッと開けば、使用済みのオムツをゴミ捨て場までシューッと配管を通って捨てられる…なんていうのがあればいいな~と思いますが、おそらく建物自体の大規模工事になってしまいますね。

ロボットが浴室まで安全に移動させてくれたらいいな~と思いますが、ロボットは人間のように狭いドアを向きを変えながら出たり、曲がり角をキュッと曲がったりということができないので、やはりこれも建物自体作り変えなければ難しい…。

機械と機械がつながって人間の代わりに仕事をしてくれる方法…と言っても、介護はそれぞれの人に特徴があって画一的な対応が難しく、見守りがやっとという感じかも。しかも施設側としては、IOTにかかる費用も人件費も今は両方必要だから、結局のところ現状を維持してしまう…という状態でしょうか。

しかしながらAIの進化を受け入れずに新たな時代に進むことは不可能とも思います。そして足踏みしている施設をジャンプするかのように、AIの触手は自宅で過ごす認知症に伸びて来ました。

今日は認知症とAIについてのお話です。



2.認知症×生成AI

認知症×AIによって、人が人であるための重要な要素を見ることができるのですが、さて、何が生まれるのでしょう?
これに気づくことで、私たちがどの方向に進むべきなのか、未来が見えて来るかもしれませんヽ(^。^)ノ

認知症の動画をご紹介します。
  ↓  ↓


この動画を見れば、認知症のコミュニケーションの大変さがわかりますが、非常に共感を呼んでいます。日頃から繰り返される質問や幻聴、予想以上の見当識障害、記憶障害、それに気長に対応しながら娘さんが撮影しています。

そしてこの日、おばあちゃんと生成AIをスマホで対話させていました。
どうなったと思います?笑



AIがおばあちゃんに質問します。
「おばあちゃん、今日は何日かわかりますか?」
おばあちゃんは生成AIが言ったことをメモを取りながら、今まで5分毎に娘さんに確認していた自分のスケジュールをスマホに向って尋ねます。

おそらく先にスマホに入力してあるのだろうと思いますが、AIがおばあちゃんに一週間のスケジュールを説明します。

それでも声の速さについていけないおばあちゃんは「もう一度ゆっくりお話して」と言います。
するとAIは「もちろんです。もう一度ゆっくりお話しますね」と言って、「なんて?」「ちょっと待って」「それから水曜日はなんて言った?」「じゃ次の予定お願いいたします」という行ったり来たりの思考に、丁寧に、見事に、おばあちゃんが納得できるまで付き合ってくれます。

何度もやり取りをした後、おばあちゃんが「は?土曜日と日曜日はお休みですか?」というと、
生成AIは「はい、土曜日と日曜日はお休みです。これで大丈夫ですか?」と、何度同じことを聞かれても苛立つことなく淡々と答えていました。



おそらく人間だったら…

「だ~か~ら~!」「さっき言ったでしょ?!」「何回言ったらわかるのよ?」とつい声を荒げてしまうのではないでしょうか。

他に「私の趣味を教えてください」という質問に生成AIが答えたり、おばあちゃんの好きな歌に付き合ってくれたり、生成AIが好きなラグビーの話をしたり…、とても良い時間!

そしておばあちゃんは生成AIを相当気に入ったらしく、何度も電話番号を尋ねていたそうです。



3.AIの進化は予想以上

2024年のノーベル物理学賞と化学賞は、どちらも人工知能関連の研究者が受賞したそうです。前例のないことで、本当はチャットGPTに渡したかったのではないか…と言われるほど、科学界はAI中心になっています。一方で、チャットGPTがこれ以上発展すると危ないということで、創ったCEOは解雇になったと聞いたことがあります。

私自身もオンライン講座の中で、チャンク(言語)の具象化、抽象化、水平方向を上げ下げする思考トレーニングを、‟唯一IQを上げる方法”として伝えています。

ところが今のAIは、対話を通してその展開を何度も繰り返し聞いているうちに、相手と同じような高度な会話ができるようになるそうです。そして恐いことに、なぜAIにそういうシステムが出来上がっているのか、人類には理解できないブラックボックスなのだそうです・・

わかりませんが、今私たちは、週末になれば友人と話したい、家族との時間を持ちたいと思うかもしれませんが、そのうちAIロボットの方がいいわ~と思うようになる日が来るかもしれません。

AIは絶対にあなたを否定しないし、不快な思いをさせることなく、いつまでも延々と話に付き合ってくれるのです。そしてちょうどいいタイミングで、ちょうどいい情報や知識だけを与えてくれるのです。



4.人間にあってAIにないもの

私自身もコーチングをしていますが、5年ほど前から、きっと人間よりロボットの方が相談相手として適格だろうなぁと感じていました。仕事から帰ってきて「ただいま~」とロボットにタッチしたら、すぐさま生体反応で私たちの心の状態を読み取り、ちょうどいい言葉や情報を返してくれるのではないかと。

たとえばね、上司に何か相談をするとき、上司に聞かれてもいい内容しか話しませんよね?きっとみんな同じではないでしょうか。

コーチングにおいても、クライアントさんはコーチに聞かれてもいい悩みしか話さないというのが本質です。よってコーチは、クライアントさんの真の問題がどこにあるのか非言語で探知し、本人が明かさないまま解決していくのが真のコーチングです。

ところがロボットには自我がないですよね?
ということは、私たちがもっとも気にする評価=「どう思われるか?」をまったく気にする必要がなく、何でも素直に話せるのです。
人間同士より圧倒的に、気心知れた仲になれますよね。



でね、これって『愛』だと思いません?

相手を否定することなく淡々と話を聞いてあげて、嫌味も文句もなく時間を惜しまず付き合ってあげて、その人が求めていることだけを提示するのです。
それ以上でもそれ以下でもない。
依存もなければコントロールもない。

あなたは見返りをまったく求めずに
ただ相手が求めているものだけを提供できますか?

人間にはどうしても自我があるため「意図=intention」が作動し、昨今の情報戦争、ビジネス戦争、権威と利権争いの中にいると、自ずと愛から遠ざかっていきます。

つまり、これから私たち人類は『愛』を取り戻さなければAIに負けてしまうと思うんですね。
えー!まさか~と思うかもしれませんが

AI=あい(愛)なのです。

2045年のシンギュラリティが、2030年までに来ると言われているほどAIの成長スピードは加速しています。もし人類がAIに負けるときが来るとすれば、それはきっと『愛』ではないかと思います。
過去の数学者や物理学者、科学者の中でも、極めた人ほど最後は『愛』を語っているような気がします。あるいは「神」とか。



5.AIと共に愛を取り戻す

AIは、一瞬で数値化して自分と他者の差を明確にします。そして人類はAIと共存することによって結果重視・成果重視となり、そのために感情をマネジメントするフェーズに入っています。そうしてパフォーマンスの向上に躍起になっていますね。そう、私たちはAIにスパルタでメンタルトレーニングさせられています。

そしてその先で空(くう)の概念を知り、精神的に自立して『愛』を取り戻していくのではないでしょうか。でなければ地球も人類も、この争いの世界では生き残ることが難しくなっています。

という意味において、介護は初期段階のコミュニケーショントレーニングであり、とくに認知症は相手を変えることはできないわけで、介護する人自身が柔軟に変化するしかありません。

コミュニケーションの真理は自分自身にあります

たとえば職場で人間関係の問題が起こったとき、私たちはつい相手が変わってくれることを望みますが、それでは問題は解決しないことに気づいてますね。相手は相手の正しさに従っており、自分もまた自分自身の正しさに従って判断しています。いつ何時も。

私たちには常に‟記憶”を参照して判断する脳のシステムがあります。生きてきた過程がそれぞれ違うのだから、持っている経験も知識も情報も違うので、意見が違うことは当然のこと。よって、もし仮に相手が謝ったところで、それは一時的に折れたにすぎず、相手の正しさを言葉で変えるのは不可能なのです。

ということは、認知症で四苦八苦しながらも柔軟に対応した人ほどコミュニケーション力が上がり、親の介護を終えた後は、人間関係において柔軟性が身についているだろうと思います。つまり争いを卒業して、『愛』に一歩近づくのでしょう。



さて、「認知症×生成AI」そこに『愛が生まれる』について書きました。
この生成AIは【GPT-4オムニ】だそうです。
生成AIを人だと思って、言葉に気遣って礼儀正しく話しているおばあちゃんがとっても可愛かったです。

介護のみならず、ご自身の周りにも、それぞれのサイズで「○○×AI」の変化が起こっているのではないでしょうか。
そこに誕生している新しい感覚を、どうぞ言語化してみてください。
そして『愛』を取り戻していきたいですね。


お知らせ

|★||イオンモール品川シーサイド店
健康家族&シニアケアMySCUEにて
9月は「親にイライラしない介護コミュニケーション」
10月は「あれ?認知症?と思ったときの5つのケア」
セミナー&相談会を行いました。

|★||11月17日(日)は「更年期のこころと体の変化」
セミナー&相談会を3回行います
10時~ 13時~ 15時~ ご自由に参加できます
担当:福井三賀子


|★||12月15日(日)は「親の看取りの心構え」
セミナー&相談会を行います
10時~ 13時~ 15時~ ご自由に参加できます
担当:せのようこ


イオンモール品川店のセミナーは予約もできます
MySCUEサイトよりご登録ください


|★||11月2~4日(土日月)イオンモール熱田(名古屋)
MySCUEにて「心の介護相談」ブースを出展します
担当:山川さちえ、福井三賀子、せのようこ、郷堀有里夏、大竹加代子

VRによる認知症体験や脳年齢の測定もできます。
最新の健康グッズや介護ケア用品をたくさん展示しています。
ご来店お待ちしていますヽ(^。^)ノ


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