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(詩)春、雨の月

雨音はざあざあと激しく
それにつられるかのように なき声がする
桜 烏 人 心
あと

今頃 何してる
満ちたり欠けたり
大変なお年頃
それがなんともいとおしい

みえていないからこそか
みえていないものだけをおもう
みえているときは みむきもせずに

片割れのサンダルが
晴るを待つ水たまりに
ぷかぷかと浮かんでいた
拾い上げるとそれは寂しさの重さ
情けない顔が映った

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