【ネスペ4問】データ量の計算問題(ネットワークスペシャリスト)
ネスペではネットワークに絡めた計算問題が少し出ます。
このNoteでは、ネスペの「回線を伝送させるデータ量」に絡む計算問題を集めました。送信間隔や分割送信などが加わっただけで、むしろIパスよりはFEよりも簡単な計算ですらあります。
PART1のアーランと今回で、AMIIの計算問題は終わりです。残りは経路を算出する問題だけ。>ルーティング問題の解説Note
FEで計算問題から逃げてなければ、新しい学びはないかもしれません。ただし少し難しい問題2問は一度解いておいてくださいね。また指数計算に慣れていなければ、今回でモノにしておきましょう。>指数の公式を導く解説Note
このNoteは、私が情報系でない大学時代に独学合格した実績と、大学とIT専門学校で教えてきた経験を下に作成しています。
それでは始めましょう!
\私の3ヶ月の学習記録/
AD変換のデータ量
正答はア。正直IパスやFEより簡単です。必ず正解してください。
1パケットのデータ量を計算します。
設問が「何バイトか?」なので、早々にバイトになおします。1秒間に8kビットは、1秒間に1kバイト。
20ミリ秒(20/1000秒)に1回送られるデータ量を計算します。
$$
1[kバイト] × 20/1000\\
= 1×1000 × 20 / 1000\\
= 20[バイト]
$$
改めて勉強するほどのものでもないですが、VoIPはネスペならではの問題なので追加学習をお願いしますね。
>数式は単位で立てる解説Note
>AD変換の計算問題の解説Note
>【ネスペ用】VoIPの解説Note
回線絡みの問題(みはじ)
正答はウ。完全にFEレベルなので、必ず正解してください。
バイトの方が分かり易いですが、もし割り切れないようであればビットでも大丈夫。
回線速度の単位をバイトにします。100 [Mビット/秒] ÷ 8 = 12.5 [Mバイト/秒]。
12.5 [Mバイト/秒] × 0.5 = 6.25 [Mバイト/秒]。
これで回線速度は完成。 6.25 [Mバイト/秒]。
次は送るデータ量。1,000 [バイト] × 1,000 [件] = 1 [kバイト] × 1,000 [件] = 1000 [kバイト] = 1 [Mバイト]。
ここで補助単位もM(メガ)に合わせました。もし合わせられなかったら、補助単位を消して、1,000,000 [バイト] や 6,250,000 [バイト/秒]や指数を使えば良いです。>指数の公式を導く解説Note
やっと伝送時間を計算できます。
1 [Mバイト] ÷ 6.26 [Mバイト/秒] = 0.16 [秒]。ウ。
FEレベルでしたが、もし指数計算に慣れていないなら読んでくださいね。
>数式は単位で立てる解説Note
>指数の公式を導く解説Note
少し難しい回線問題
正答はエ。「その場で考える」問題です。暗記や公式をする類ではありません。面倒臭がらず考える姿勢を身につけてくださいね。
1回で送れるデータは100[バイト]なので、128,000[バイト] ÷ 100[バイト] = 1,280個の電文を送ります(上図の緑)。
回線速度は、128[kビット/秒] = 16[kバイト/秒]。1個の電文は128[バイト](データ+オーバーヘッド)。
1個の電文を送るのに、128[バイト] ÷(16[バイト/秒] × 1,000) = 0.008[秒]。1280個送るので、0.008 × 1280 = 10.24[秒]。
さらに1個の電文を送って、次の電文を送るまで1ミリ秒だけ待つので、0.001 × 1279 = 1.279[秒]。1個引いたのは、最初に送る電文は待つ必要がないからです(上図の橙)。
10.24 + 1.279 = 11.519[秒]。正答はエ(およそ12)。もし1279を1280で計算しても11.520[秒]で、エですけどね。
折角なので、少しおまけ解説もしておきます。
128バイトについて解説もしておきます。
電文の長さが128バイトは、総量です。データにはヘッダと呼ばれる伝票をつけます。私たちが荷物100グラムを送る時に、伝票28グラムを付けて、合計128グラム送っているようなものです(上図の下)。
次に「オーバーヘッド」とは、メインではないデータや時間のこと。
例えば、PCからWebサーバにアクセスした時の表示速度を考える時、データ量と回線速度で計算しますが、本来は「処理時間」も掛かりますよね。処理時間をオーバーヘッドと云うときもあります。
誤り率の問題
正答はエ。少し確率・平均(期待値)の考え方が必要ですが、充分初見で正解できる問題です。
ビット誤り率が1×10^(-5)は、10万ビット(10の5乗)に1つ誤りが出るぐらいの確率を意味します。
200,000バイトは×8して、1,600,000ビット。1×10^(-5)を掛けて、16ビットの誤りが起こりそうです。
ここで「平均」ビット誤り率なので、16ビットより多く誤る時もあれば、少ない時もあります。
さて100[バイト] = 800[ビット]ずつに分けるので、1,600,000[ビット]/800[ビット]=2,000個の電文に分割されます。
16個のビット誤りが2,000個の電文に1個ずつ表れると考えて、誤りが発生する電文は16個(エ)となります。
少し考察を深めます。
1個の電文に複数のビット誤りが表れることもあり得ます。しかし、2000個の電文から、ランダムに16個選んだ時、同じ電文が選ばれる確率はめちゃくちゃ低いです。「まぁ同じ電文に複数個の誤りはでないかな」と考えてOK。設問でも「平均して幾つか」と書いてある理由なのです。
余談です。特段気づくべき点でもないですが、作問では、別解や反論をされないように少し布石をしたりボカしたりすることもあるんです。午後問題も注意深く見ると、「何でこんな一文入れてるのかな」という表記があります。考えると作問者の意図が少し分かります。
まとめ
お疲れ様でした!
最後の2問。「1ミリ秒待つ」や誤り率の「平均」など読み取りに癖が少しありましたね。しかし、計算問題や演算自体はFEレベルで充分正解できると実感できたとも思います。
ネスペのメインは、用語・仕様の暗記モノと、設定と伝送経路の実習モノが2大柱です。計算問題はちゃちゃっと終わらせて、さっさと覚える学習に取り掛かってくださいね。
>AD変換の計算問題の解説Note
>回線問題の「みはじ」Note
>数式は単位で立てる解説Note
>指数の公式を導く解説Note
次は>伝送手順・誤り検出でお会いしましょう。
でわでわ。
\私の3ヶ月の学習記録/