【ネスペ7問】ネットワーク機器の機能(ネットワークスペシャリスト)
このNoteでは、ネットワーク機器の機能の問題を集めました。
私たちはインターネットを、普段LANケーブルなりWi-Fiでつなぐだけで使えてますが、仕様や設計、ネットワーク機器の機能のお陰です。本来は正しく通信がされません。ちゃんと仕様や設定を理解する必要があります。糸電話じゃないですし。
ネスペ合格には、ケーブルの規格・機器の機能を知った上で、データパケットが正しい状態と経路で伝送されるかを見積もるスキルが必要です。
午後問題の入口的な位置付けなので、しっかり学んだくださいね。対策自体は簡単ですよ。
なお、私の全てのNoteは、学生時代の独学合格体験、大学・IT専門学校でのIT資格の授業経験に基づいて作成しています。実際に授業して、学生さんは合格しているので、少しでも信用して頂けたら嬉しいです。
それでは始めましょう!
\私の3ヶ月の学習記録/
Automatic MDI/MDI-X
Automatic MDI/MDI-X機能について解説します。
電線1本で送信と受信は同時にはできません。電流が衝突しますから。よってLANケーブルには複数の線があり、1, 2番は受信用、3, 6番は送信用のように決まっています。決まり方はMDIとMDI-Xの2種類。
1番や2番のことを「ピン」と云い、各ピンをどのように使うかを「ピンアサイン」と云います。
さて、もしMDIの接続口同士をLANケーブルでつなげるとき、ピンアサインは同じ。1番はお互いに受信用で使い、3番はお互いが送信用に使います。1番はお互いに聞き耳をたて、3番はお互いに話がぶつかり合いますね。
ぶつかりを回避するため、片方の1番を片方の3番、片方の3番を片方の1番、ピンアサインを互い違いにした「クロスケーブル」を使うと通信できます。なお、両端のピンアサインが同じなのは「ストレートケーブル」と云います。
Automatic MDI/MDI-Xに対応した機器なら、相手がMDIかMDI-Xなのかを自動で判別して接続してくれます。ストレートケーブルでもクロスケーブルでも構いません(ややこしいのでストレートケーブルを普通使います)。
ここまで知っていればOK。どうしてもこれ以上の解説が欲しい方は、過去問道場さんへ。
正答はエ。「ピン割当て」がピンアサインのこと。
ア:スパニングツリープロトコル
イとウ:オートネゴシエーション
アのスパニングツリープロトコル(STP)は、ネットワークのループを検知して、ループ原因になる接続口を使用できない設定にします。用語だけでなく、演習問題も出ます。>STPのNote(準備中*)
少し余談。私はプレイステーション3を買い替えたのですが、2台をLANケーブルで接続してデータを移動させました。
調べたらAutomatic MDI/MDI-Xだったので、PCで使っていたストレートケーブルでシンプルにできました。日常生活の中のITに、知識や観察を生かしてみてくださいね。例えば、SIMカード・MVNO・NFC・Bluetoothなど。
リンクアグリゲーション
リンクアグリゲーションは、複数の回線を束ねて1つの回線のように使って、高速化を図る技術。
道路で例えると、2車線を1車線のように使ってめちゃくちゃ大きなトラックを走らせるようなものです。
正答はエ。「複数の物理回線を論理的に1本の回線に束ねる」から正解一発引き。
ア:スパニングツリーは、ネットワークにループがないかを確かめる手法で、プロトコル名はスパニングツリープロトコル(STP)。>STPのNote(準備中*)
イ:ブリッジは、ネットワーク機器の1種。第二層(データリンク層)で働き、MACアドレスを見て伝送先を決めます。仲間にL2SW、スイッチングハブがありますね。FEレベル。>ネットワーク機器の解説Note
ウ:マルチホーミングは、インターネットで経路の異なる複数の回線で接続する仕組み。もしある経路で障害や輻輳(つまり渋滞)が起こっても他回線経由で通信できます。
正答はエ。正解一発引きでOK。
ア:MIMEは、電子メールの拡張仕様。本来メールでは、文字しか送れませんが、MIMEによって画像や動画などが送れます。更に拡張したS/MIMEはメールを暗号化する仕様。Iパスレベル。
>【IP】メールプロトコルNote
>【SC】メール送信のセキュリティNoteイ:MIMOは、複数のアンテナで複数の信号を送受信できる方式。S(Single)とM(Multi)で2×2、理論的には4通り。出題はないですがIパス・FEレベル。
>Iパス令和06年問84
>FE平成30年秋午前問35ウ:マルチパート(MIMEマルチパート)は、MIMEの拡張仕様。覚えなくてOKかと。複数の異なる形式のデータを1つのメールで送れる。例えばテキストメールとHTMLメールを同梱した場合などに使われる。>【IP】メールの形式Note
正答はエ、ですが、リンクアグリゲーションがどれか考えてください。
イの文意。複数経路に同時にフレーム転送して転送速度を速くする技術が、「リンクアグリゲーション」の説明です。
DHCPリレーエージェント
正答はエ。
FEで理解しているとは思いますが、念のため。
ア:スイッチングハブ:第二層・データリンク層
イ:ブリッジ:第二層・データリンク層
ウ:リピータ:第一層・物理層
エ:ルータ:第三層・ネットワーク層
DHCPは、ネットワークに接続した端末に、DHCPサーバがIPアドレスなどのネットワーク設定を自動的に教えるためのプロトコル。>【FE】DHCPプロトコル
IPアドレスに関してるんだからルータ、程度の判断でOKです。
本来DHCPサーバは、1つのネットワークに1つだけ設置します。またDHCPパケットはルータを超えられません。
「DHCPリレーエージェント」は、1つのDHCPサーバで複数のネットワークを管理させたい時に使います。DHCPリレーエージェントが、DHCPリクエストを受けたら、DHCPサーバに転送します。異なるネットワークに転送するので、ルータに実装されます。
ここまでで、午前対策は充分。DHCPの手順や、ルータ超えは午後対策に必要です。
午後対策では、端末とDHCPサーバの通信手順が出ます。テキストにも過去問道場さんにも解説があるので、要約して学習ノートに箇条書きしてください。
メッセージパケットの名前が重要です。
端末から、DHCP Discorverをブロードキャスト
「DHCPサーバさん聞こえてますかぁ?」DHCPサーバから、DHCP Offerをブロードキャスト
「このIPアドレスでどう?」端末から、DHCP Requestをブロードキャスト
「分かりました。詳細下さい!」DHCPサーバから、DHCP Ackを送信
「使っていいよ!リース期間はxxまでね!」
3の時点でIPアドレスをもう使えばちゃえば良いのに、と思いますよね。
ネットワークに接続する端末は多いので、同時にDHCPサーバに要請がくる場合があり得ます。DHCP Offer時点では、IPアドレスはないのでブロードキャストで送っています。誰宛てか分からないので、複数の端末で同じIPアドレスを使う場合があり得ます。IPアドレスは先着順に割り当てるため、ワンクション置いているんです。
分かりにくいでしょうから、例え話をします。
複数の生徒が「ハサミを使いたい!(Discorver)」と叫んで、先生が「赤いハサミを使って!(Offer)」と叫んだとき、誰宛てか分かりません。そこで「安西が使います!(Request)」「いいよ!(Ack)」という会話が必要なんです。
NICチーミング
正答はエ。
NICチーミングとは、複数のNICに1つのIPアドレスを割り当てます。各NICへの負荷分散、NICを束ねた帯域増加、ハードウェア的な冗長などのメリットがあります。チーム(Team)を動名詞にしてチーミングですね。たぶん。
各選択肢も軽く紹介します。イは他の問題でも出ましたし、ウは今流行りの「仮想」系ですね。
ア:IEEE802.3xの説明らしいですが、覚えなく良いです。どうしても知りたい方は過去問道場さんへ。
イ:オートネゴシエーション。
ウ:仮想NIC。NIC(ハードウェア)をソフトウェアでエミュレートしてますからね。
機器による転送範囲の違い
正答はイ。
端末Aと端末Cは、ルータZで分けられた別々の領域(セグメント)にあるため、L2SWによるMACアドレスの通信では到達できません。
そこでルータZに「うちの範囲じゃないらしいんで、転送お願いできますか?」と見せて、ルータZはIPアドレスを見て、別の接続口から送り出します。
午後問題では、このデータの送信先IP/MACアドレス、送信元IP/MACアドレスの変化を把握するのが重要です。今回も書き換えが行われています。私は午後問題で解説したいと考えています。過去問道場さんで確認を。
まとめ
お疲れ様でした。
Automatic MDI/MDI-X:ピンアサインを自動検出して、通信ができるように対応する機能。利用者がケーブルや接続口の仕様を意識する必要がない。
リンクアグリゲーション:複数の回線を束ねる技術。帯域(速度)増加を図る。
DHCPリレーエージェント:DHCPパケットを転送する機能。ルータの外側にDHCPサーバがある場合に使う。
NICチーミング:複数のNICに1つのIPアドレスを割り当てる。負荷分散・帯域(速度)増加・障害対策に活用。
ざっくばらんだったかもですが、出題実績に基づいて作成したので、これにて午後対策とさせて下さい。
次は >*SDNの解説Note でお会いしましょう。でわでわ。
\私の3ヶ月の学習記録/