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【6問】「みはじ」から始める回線問題(FE計算シリーズ)

回線問題を集めると3種類ありました。

  • 伝送時間・回線速度・データ量を問う問題【頻出】

  • 回線の稼働率を問う問題【まぁまぁ出る】

  • 伝送の誤り率を問う問題【マイナー】

ひとまず最初の1つだけ正解できるようになりましょう。

小学校で習った「みはじ」と同じ公式で解けるので簡単です。

しかし、私のIT専門学校では、単位や指数で間違ってしまう学生さんも多いですね。

私は2つのコツを教えています。

・データ量・速度の単位はビット絡みに統一する
・速度の回線効率を忘れない

「みはじ」と2つのコツさえ分かれば、余裕で正解できるようになるので、ぜひ読んでいって下さいね。

それでは始めましょう!





基本問題 | 2つの注意点


基本情報技術者 修了試験 令和04年06月問30

正答はエ。

超典型的な基本問題から始めます。

情報を集めて整理しましょう。

  • データ量:12Mバイト

  • 回線速度:1.5Mビット/秒 ただし伝送効率50%

データ量/回線速度 = 伝送時間 でOKですが、2点注意点。

  1. 単位が違う:バイトとビット

  2. 速度が違う:最大速度の50%

情報を書き換えます。

  • データ量:12×8 = 96 Mビット

  • 回線速度:1.5 × 0.5 = 0.75 Mビット/秒

データ量/回線速度 = 96 / 0.75 = 128秒

よって正答はエ。

単位もキレイですね。(Mビット) / (Mビット/秒) = 秒。分母の中の分数は逆になってでてきますから。例えば、1/(1/2) = 2のように。


単位はビットへの統一がお薦めです。

1バイト = 8ビットなので、バイトに統一するには「ビット/8」の計算で割り切れない時が厄介ですから。ビットに統一なら「バイト×8」で大きな数値になっても、「割り切れない」は発生しません。

2つの注意点も含めて「基本」です。

・データ量・速度の単位はビット絡みに統一する
・速度の回線効率を忘れない



基本問題2 | もう大丈夫

基本情報技術者 修了試験 令和03年06月問30

正答はエ。

  • データ量:10Mバイト = 80Mビット

  • 回線速度:100,000ビット/秒&回線効率50% → 50,000ビット/秒

80,000,000 / 50,000 = 1,600秒

2回目なので指数も使ってみますね。>>指数の解説Note<<

$$
80 \times 10^6 / (1 \times 10^5 \times 0.5) = 80/0.5 \times 10^6/10^5 \\
= 160 \times 10 = 1600秒
$$




基本問題3 | データ量を求めれば勝ち

基本情報技術者 修了試験 令和03年07月問30

正答はウ。

情報を集めます。

  • データ量:1000バイトを1000件

  • 回線速度:100Mビット/秒 効率50%

もう大丈夫ですね。

  • データ量:1,000 ×1,000 × 8 = 8,000,000 = 8Mビット

  • 回線速度:100 × 0.5 = 50 Mビット/秒

伝送時間 = データ量 / 回線速度 = 8 / 50 = 0.16 秒

分子と分母の「Mビット」が打ち消し合うのを確認してくださいね。(Mビット) / (Mビット/秒) = 秒。


指数使ってみると、

$$
10^3バイト \times 10^3件 / (100 \times 10^6ビット \times 0.5) \\
= 8 \times 10^3ビット \times 10^3件 / (100 \times 10^6ビット \times 0.5) \\
= 8/0.5 \times 10^3 \times 10^3 / (10^2 \times 10^6) \\
= 16 \times 10^{3+3-2-6} = 16 \times 10^{-2} \\
= 0.16秒
$$




補強 | 補助単位と指数計算


補助単位のk(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)。小さいm(ミリ)、μ(マイクロ)は大丈夫でしょうか。1000区切りで補助単位が変わります。

  • k(キロ):1,000倍 (千倍)

  • M(メガ):1,000,000倍 (百万倍)

  • G(ギガ):1,000,000,000倍 (十億倍)


  • m(ミリ):1/1,000倍

  • μ(マイクロ):1/1,000,000倍

  • n(ナノ):1/1,000,000,000倍

指数も知っておきたいですが、たくさんになっちゃったの割愛します。気が向いたら >>指数の解説Note<< を覗いてみてください。CPUの処理速度・補助記憶の容量でよく使います。




方程式を解く問題 | 不等式でも気にしない

基本情報技術者 修了試験 令和05年07月問04 令和04年12月問02

正答はイ。

右辺の「回線利用率/(1-回線利用率)」が1を超えれば、良いですね。

よって方程式を解きます。不等式ですが気にせず。

$$
\frac{回線利用率}{1-回線利用率} > 1 \\
回線利用率 > 1-回線利用率 \\
2回線利用率 > 1 \\
回線利用率 > 0.5
$$

では確認。「回線利用率/(1-回線利用率)」が1を超えるか。

  • 回線利用率=0.5の時、ちょうど1

  • 回線利用率=0.6の時、1.5

回線利用率=0.5を境に、1より大きくなってますね。


なお「>」は向きを変えるときがあります。

$$
x > 1 の両辺に-1を掛けると \\
-x < -1
$$

「xには2とか3が入るから~」と考えると分かりますね。「x(2や3)>1」「-x(2や3)<-1」。




稼働率の問題 | 公式は複雑でも計算は楽

基本情報技術者 修了試験 令和05年07月問12

正答はウ。

並列システムの稼働率は公式が複雑ですよね。

順番に考えていきます。

  • 福岡-東京が動いていない確率は、1-0.9=0.1。

  • 福岡-大阪-東京が動いていない確率は、1-0.9×0.9 = 0.19。

  • 両方の回線が稼働していない確率は、0.1×0.19 = 0.019。つまり1.9%。

  • 回線が稼働している確率は、1-0.019 = 0.981

公式で書くと「1-(1-稼働率A)(1-稼働率B)」より「1-(1-0.9)×(1-0.9×0.9)」。

式は複雑なんですが、計算回数が1回で済んで楽なんです。少し解説しますね。


並列の稼働状況は4パターン。

  • 福岡-大阪-東京だけが稼働:0.9×0.9×(1-0.9) = 0.081

  • 福岡-東京だけが稼働:0.9 × (1-0.9×0.9) = 0.171

  • どちらの回線も稼働:0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729

  • どちらの回線も動いてない:(1-0.9)×(1-0.9×0.9)=0.019

上記3つから、0.081 + 0.171 + 0.729 = 0.981 と計算できますが、面倒でしたよね。よって「1-どちらの回線も動いていない確率」が公式になりました。




稼働率の問題2 | 図に描いて理解する

基本情報技術者 修了試験 令和03年07月問16

正答はエ。

図を書いて状況を把握しましょう。

公式を使いますね。

$$
1-(1-0.9)(1-0.8x) > 0.95 \\
1-0.1(1-0.8x) > 0.95 \\
1-0.1+0.08x > 0.95 \\
0.9 + 0.08x > 0.95 \\
0.08x > 0.05 \\
x > 0.625
$$

それにしても、稼働率62.5%で充分なんだと驚きつつ、62.5%の回線サービスってものすごく低品質だな、とも思えますね。




確率の問題 | 指数の扱いに慣れる

基本情報技術者 修了試験 令和03年12月問30

正答はイ。

「回線のビット誤り率」は「何ビットに1回誤るのか」と分かればOK。

  • 伝送100秒に1回の誤りなので、

  • 30Mビット/秒 × 100秒 = 3000Mビットのデータで1回誤る

$$
1/3000M = 1/(3 \times 10^3 \times 10^6) = 1/3 \times 10^{-9} = 0.333… \times 10^{-9} = 3.33… \times 10^{-10}
$$

指数の取り扱いは >>指数の解説Note<< で。CPUの処理速度・補助記憶の容量でもよく使います。



まとめ | まずは「みはじ」だけでOK


回線の問題では、単位・指数のスキルが必要でした。

  • データ量・速度の単位はビット絡みに統一する

  • 速度の回線効率を忘れずに掛ける

  • 補助単位(メガ、ギガ、ミリなど)に慣れる

  • 指数の取り扱いができる

そのうえで、稼働率では確率の知識も。

出題しても1~2問なので、手を広げずまずは「みはじ」だけ頑張りましょう。その後に、補助単位・指数の取り扱いに慣れて、CPUの処理速度や補助記録の容量の問題へつなげます。

確率は確率で別テーマなので、また今度特集しますね。

では、また気が向いたら覗きにきてくださいね。



\力試しは修了試験で!4回分の解説です/


p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

でわでわ(・ω・▼)ノシ


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