【6問】「みはじ」から始める回線問題(FE計算シリーズ)
回線問題を集めると3種類ありました。
伝送時間・回線速度・データ量を問う問題【頻出】
回線の稼働率を問う問題【まぁまぁ出る】
伝送の誤り率を問う問題【マイナー】
ひとまず最初の1つだけ正解できるようになりましょう。
小学校で習った「みはじ」と同じ公式で解けるので簡単です。
しかし、私のIT専門学校では、単位や指数で間違ってしまう学生さんも多いですね。
私は2つのコツを教えています。
「みはじ」と2つのコツさえ分かれば、余裕で正解できるようになるので、ぜひ読んでいって下さいね。
それでは始めましょう!
基本問題 | 2つの注意点
正答はエ。
超典型的な基本問題から始めます。
情報を集めて整理しましょう。
データ量:12Mバイト
回線速度:1.5Mビット/秒 ただし伝送効率50%
データ量/回線速度 = 伝送時間 でOKですが、2点注意点。
単位が違う:バイトとビット
速度が違う:最大速度の50%
情報を書き換えます。
データ量:12×8 = 96 Mビット
回線速度:1.5 × 0.5 = 0.75 Mビット/秒
データ量/回線速度 = 96 / 0.75 = 128秒
よって正答はエ。
単位もキレイですね。(Mビット) / (Mビット/秒) = 秒。分母の中の分数は逆になってでてきますから。例えば、1/(1/2) = 2のように。
単位はビットへの統一がお薦めです。
1バイト = 8ビットなので、バイトに統一するには「ビット/8」の計算で割り切れない時が厄介ですから。ビットに統一なら「バイト×8」で大きな数値になっても、「割り切れない」は発生しません。
2つの注意点も含めて「基本」です。
基本問題2 | もう大丈夫
正答はエ。
データ量:10Mバイト = 80Mビット
回線速度:100,000ビット/秒&回線効率50% → 50,000ビット/秒
80,000,000 / 50,000 = 1,600秒
2回目なので指数も使ってみますね。>>指数の解説Note<<
$$
80 \times 10^6 / (1 \times 10^5 \times 0.5) = 80/0.5 \times 10^6/10^5 \\
= 160 \times 10 = 1600秒
$$
基本問題3 | データ量を求めれば勝ち
正答はウ。
情報を集めます。
データ量:1000バイトを1000件
回線速度:100Mビット/秒 効率50%
もう大丈夫ですね。
データ量:1,000 ×1,000 × 8 = 8,000,000 = 8Mビット
回線速度:100 × 0.5 = 50 Mビット/秒
伝送時間 = データ量 / 回線速度 = 8 / 50 = 0.16 秒
分子と分母の「Mビット」が打ち消し合うのを確認してくださいね。(Mビット) / (Mビット/秒) = 秒。
指数使ってみると、
$$
10^3バイト \times 10^3件 / (100 \times 10^6ビット \times 0.5) \\
= 8 \times 10^3ビット \times 10^3件 / (100 \times 10^6ビット \times 0.5) \\
= 8/0.5 \times 10^3 \times 10^3 / (10^2 \times 10^6) \\
= 16 \times 10^{3+3-2-6} = 16 \times 10^{-2} \\
= 0.16秒
$$
補強 | 補助単位と指数計算
補助単位のk(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)。小さいm(ミリ)、μ(マイクロ)は大丈夫でしょうか。1000区切りで補助単位が変わります。
k(キロ):1,000倍 (千倍)
M(メガ):1,000,000倍 (百万倍)
G(ギガ):1,000,000,000倍 (十億倍)
m(ミリ):1/1,000倍
μ(マイクロ):1/1,000,000倍
n(ナノ):1/1,000,000,000倍
指数も知っておきたいですが、たくさんになっちゃったの割愛します。気が向いたら >>指数の解説Note<< を覗いてみてください。CPUの処理速度・補助記憶の容量でよく使います。
方程式を解く問題 | 不等式でも気にしない
正答はイ。
右辺の「回線利用率/(1-回線利用率)」が1を超えれば、良いですね。
よって方程式を解きます。不等式ですが気にせず。
$$
\frac{回線利用率}{1-回線利用率} > 1 \\
回線利用率 > 1-回線利用率 \\
2回線利用率 > 1 \\
回線利用率 > 0.5
$$
では確認。「回線利用率/(1-回線利用率)」が1を超えるか。
回線利用率=0.5の時、ちょうど1
回線利用率=0.6の時、1.5
回線利用率=0.5を境に、1より大きくなってますね。
なお「>」は向きを変えるときがあります。
$$
x > 1 の両辺に-1を掛けると \\
-x < -1
$$
「xには2とか3が入るから~」と考えると分かりますね。「x(2や3)>1」「-x(2や3)<-1」。
稼働率の問題 | 公式は複雑でも計算は楽
正答はウ。
並列システムの稼働率は公式が複雑ですよね。
順番に考えていきます。
福岡-東京が動いていない確率は、1-0.9=0.1。
福岡-大阪-東京が動いていない確率は、1-0.9×0.9 = 0.19。
両方の回線が稼働していない確率は、0.1×0.19 = 0.019。つまり1.9%。
回線が稼働している確率は、1-0.019 = 0.981
公式で書くと「1-(1-稼働率A)(1-稼働率B)」より「1-(1-0.9)×(1-0.9×0.9)」。
式は複雑なんですが、計算回数が1回で済んで楽なんです。少し解説しますね。
並列の稼働状況は4パターン。
福岡-大阪-東京だけが稼働:0.9×0.9×(1-0.9) = 0.081
福岡-東京だけが稼働:0.9 × (1-0.9×0.9) = 0.171
どちらの回線も稼働:0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729
どちらの回線も動いてない:(1-0.9)×(1-0.9×0.9)=0.019
上記3つから、0.081 + 0.171 + 0.729 = 0.981 と計算できますが、面倒でしたよね。よって「1-どちらの回線も動いていない確率」が公式になりました。
稼働率の問題2 | 図に描いて理解する
正答はエ。
図を書いて状況を把握しましょう。
公式を使いますね。
$$
1-(1-0.9)(1-0.8x) > 0.95 \\
1-0.1(1-0.8x) > 0.95 \\
1-0.1+0.08x > 0.95 \\
0.9 + 0.08x > 0.95 \\
0.08x > 0.05 \\
x > 0.625
$$
それにしても、稼働率62.5%で充分なんだと驚きつつ、62.5%の回線サービスってものすごく低品質だな、とも思えますね。
確率の問題 | 指数の扱いに慣れる
正答はイ。
「回線のビット誤り率」は「何ビットに1回誤るのか」と分かればOK。
伝送100秒に1回の誤りなので、
30Mビット/秒 × 100秒 = 3000Mビットのデータで1回誤る
$$
1/3000M = 1/(3 \times 10^3 \times 10^6) = 1/3 \times 10^{-9} = 0.333… \times 10^{-9} = 3.33… \times 10^{-10}
$$
指数の取り扱いは >>指数の解説Note<< で。CPUの処理速度・補助記憶の容量でもよく使います。
まとめ | まずは「みはじ」だけでOK
回線の問題では、単位・指数のスキルが必要でした。
データ量・速度の単位はビット絡みに統一する
速度の回線効率を忘れずに掛ける
補助単位(メガ、ギガ、ミリなど)に慣れる
指数の取り扱いができる
そのうえで、稼働率では確率の知識も。
出題しても1~2問なので、手を広げずまずは「みはじ」だけ頑張りましょう。その後に、補助単位・指数の取り扱いに慣れて、CPUの処理速度や補助記録の容量の問題へつなげます。
確率は確率で別テーマなので、また今度特集しますね。
では、また気が向いたら覗きにきてくださいね。
\力試しは修了試験で!4回分の解説です/
p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。
でわでわ(・ω・▼)ノシ
この記事が参加している募集
学習方法・問題特集のNoteは全て無料提供を続けます▼ もしご覧になったNoteが有益だったり、私の志に共感されたりしましたら、サポート頂けますと励みになります▼ もちろんコメントでも結構です(・ω・▼)ノシ