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【迷うからこそ問題文】応用情報技術者R05秋プロジェクトマネジメントの解説

このNoteは、問9をリアルタイムに解きつつ解説します。


本試験で問題を選ぶときは、見た目は良さそうでした。

専門知識を必要としないのも、技術系問題よりもとっつきやすさはありますね。

しかし解いてみると、結構迷います。

プロジェクトマネジメントは「人の判断」を問題文から読み取る必要があります。「自分だったらこうするのに」を消して、「問題文に書いてあることだけでの解答」を心がけます。


個人的には、私との相性もあまり良くなく「5割は切らないけど、8割を狙える問題ではない」印象。興味はあるので得点源にしたいんですけどね。

得点再現性の高い技術系問題(セキュリティ・ネットワーク・データベース・組み込み)で得点を稼いでフォローに回したいところです。


今回も私がIT専門学校でしている授業と同じ形式。本試験で「どう読んで」「どうマーキングして」「どう解くか」の流れを一緒にやりましょう。


過去問のダウンロードはIPA公式より。
>>公式の問題pdfへのリンク<<
>>公式の解答pdfへのリンク<<





選択するか | パッと見は良さそう

図はなく表2個ですが、全4頁なので読む量は少なそうです。組織図のようなものもないので、「考えさせる問題」よりは「問題文から拾い出す問題」が多いのかなと推測。

作文が多いですね。6問。

設問1(1)と(2)が、20文字と一見ハイカロリー。しかし、問題文をみると「●●な点」とあるため「問題文の流用系かな」と予測でき、ハードルは下がりました。

設問2も会社名と選択肢、(3)の25字作文は短め。

設問3の作文も30, 15文字なので書けそうと判断できます。

長くても30文字作文が1つ、40文字作文はないは救いでした。プロジェクトマネジメントに興味やモチベがある、対策勉強で得点が安定しているなら、まず選んで良いですね。




読み | 概要

概要なので重要情報がないのがほとんど。

金融サービスだから特別な点があるわけでもなく、部署や数値などを淡々とマーキングします。

名称(サービス・部署)は四角囲み
数値は丸囲み


お客さんとのつながりを強めるために、新しいITサービスを作りたいとのこと。部署は、マーケティング部と情報システム部が絡みそうかなと。

それぐらい軽い読みでOK。




読み | 【プロジェクトの立ち上げ】

プロジェクトのコンセプト。

2頁近くと長いですが、特徴を捉えていきます。

マイルストーン。6ヶ月以内にファーストリリース。リリース後に計画を更に検討する。「急ぎだし、変更もするんだなぁ」と。

スコープ。マーケティング部の多様な意見に対応して、頻繁に変更。「すごく大変そうだなぁ」と。

プロジェクトフェーズ。AIを導入に「新しいなぁ」と「PoCフェーズの評価基準が、重要成功要因の指標とは具体性ないなぁ」と、異彩を感じます。

プロジェクトチーム。表1は問題を解く時にしっかり読むので、軽く把握でスキップ。「マーケティング部と情報システム部で連携して作るんだな」。


最後にB役員からの留意点。

「いかにも問題を解く時に、チェックする必要があるんだな」と。重要な境界条件です。

  • 様々な年代層が容易に利用できる

  • PoC検証結果のレポートが欲しい

  • 同業他社が自社開発したら2年もかかった

「いかにも業務委託しますよね!な理由」が書かれているので、設問で問われる匂いを感じます。


やっと穴埋めのパラグラフに入ります。

  • アジャイル開発を採用する

  • AI機械学習の検証PoCを業務委託する

最後に、PoCを実施しても未知のリスクに遭遇するので「レジリエンス」を高める対策が必要、と「わざわざ」書き加えています。今後トラブルになってくるか、考慮点として使うのかも、と先読み。


読んでいると、ひしひしとジャブを感じる問題文でしたね。




解き | 設問1(1)a, (2)b

穴埋めa。模範解答は「頻繁なプロジェクトの変更を想定」。

アジャイル開発は、ガッチリした開発の逆。なるべく早く開発・途中変更に柔軟に対応する開発手法。

ITパスポートからずっと見てきましたね。あやふやなら、>>Iパスでのアジャル対策Note<< と >>基本情報技術者でのアジャイル対策Note<< をどうぞ。

問題文に「6ヶ月しかない」があるので「早く開発」は書かれています。「じゃぁ途中変更の方かな?」と問題文のプロジェクト憲章を見返します。

「頻繁なスコープの変更を想定(13文字)」を発見。そのまま使って大丈夫です。「頻繁なスコープの変更をしそうな(15文字)」など多少変えてもOK。


穴埋めb。模範解答は「機械学習技術の習得の時間がない」。

業務委託(外注)で「お任せ」する理由は、自社で人員が容易できない、技術力がない、責任を持ち切れないなどですね。

「機械学習」の留意点を問題文から探すと、B役員の指摘。「同業者が自社開発したら2年かかった」旨を発見。

では作文しましょう。

「間に合わない」「時間がかかる」などの旨を、なるべく問題文の言葉を使って表現すると良いですね。

「ファーストリリースまで6ヶ月しかない(18文字)」惜しい。「ファーストリリースが6ヶ月後な(15文字)」、ちょっと強引ですが大丈夫でしょう。ファーストリリースが文字数をくってますね。

ファーストリリースを使わないパターンも考えてみます。「同業者が自力習得に2年要した(14文字)」、良さそう。

単純に「時間がない」などでも正解にしてくれそうですが、「問題文を理解した解答ですよ」とアピールする方が安全かと。

なお、PoCもITパスレベル、気が向いたら >>AI特有の技術用語<< もどうぞ。




読み | 【ベンダーの選定】

業務委託する企業の選定の話。

7社挙げて、更に4社に絞り込んで、表2で比較。

表2は「スコアがあるなー」程度でスキップ。

表2下。選定した会社名が、穴埋めc。

下線①。準委任契約で委任。「準委任の準ってなんぞ。委任じゃなくて準委託ならではの特徴があるの!?」とちょっと不安に(取り越し苦労です)。

下線②。開発フェーズでの変更に対応できるかを確認したい旨。




解き | 設問2(1)選定

プロジェクトの特性、重要視したい点を考えて評価をしていきます。

  1. 金融サービスへの事例の多さ

  2. AI機械学習の定着サポートの充実さ

  3. 他社と差別化ができるか

  4. 顧客視点でのきめ細かい開発

  5. コストパフォーマンス

セキュリティのリスク値みたいに、重みを書いてくれてたら楽ですが、ありません。

仕方がないので、今までのプロジェクトの特徴、B役員からの留意点を見ながら優先項目を考えます。

まず3番目の差別化、5番目のコスパは、一切記述がないのでもう見ません。残り3つで優勢な企業を挙げていきます。

  • 金融サービス事例:S社

  • 機械学習の定着:QとS社

  • 顧客視点:Q社

S社とQ社で迷います。逆に2社に絞れたのは成果。間違っても「惜しかった」と思ってOKですよ。

さて、金融事例数と顧客視点のどちらを優先すべきか。問題文を見るとB役員の指摘事項に。

  1. 自社社員がAIを使いこなせるまで習得支援の旨:定着化

  2. 広い年代層が容易に使えるシステム開発の旨:使用性

  3. PoC検証のレポート作成の旨:定着化?

以上のように記述と評価項目が対応しました。


私は迷いましたね。

  • 評価項目「事例数」VS 問題文「金融サービスの適用事例」

  • 評価項目「使用性」VS 問題文「顧客視点での開発」を「広い年代層が使える」と解釈できるか

今回は「多様な意見」など、利用者の幅に注目しているので、使用例だろうと判断しました。

人によっては迷うこともありますし、問題の選択肢の差が小さい時もあります。「強いていればどちらか」「問題文に書かれているのはどちらか」。個人的な考えや勘もありますが、まずは問題文から判断します。




解き | 設問2(1)理由

模範解答は「定着化と使用性の両方が最高点だから」。

「いや当たり前のことでしょ」「めっちゃ悩まされて答えそれ?」と思う方もいらっしゃるかと。

「高等なゼロから作文した」ような理由が要求されてるのかな?と思っちゃいますね。

理由は、まずはシンプルに最低限。当たり前のことを書いてみると、正解だった!ってことは良くあります。


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