【AP】令和6年秋午後問11システム監査の解説(応用情報技術者試験)
このNoteでは「応用情報技術者試験 令和6年秋午後問11(システム監査)」の解説をします。
相変わらず問9, 10, 11は、解き始めるまで読む文量が多い傾向がありますね。
解き始めないと、得点できそうか・波に乗れるかの判断ができないんですよね。解き始めが遅いと時間ロスも大きくなって、退けなくなりますし。
しかし作文がないのはすごい魅力。一方逆に難しいのかな、とメタ読みもしちゃいます。
解いた印象は、集中力があれば6割は切らない印象。人によって得点に大きな差が出る気がしました。
このNoteでは、私がIT以外の学生時代にAPに独学合格した経験と、大学・IT専門学校で応用情報技術者試験の対策授業を担当した経験を詰め込んで作りました。
それでは始めましょう!
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設問1(1)a | AIの基礎知識(Iパスレベル)
正答は「学習」用データ
AIの基礎知識です。
AIに学習させるデータが「学習データ」、AIの学習が正しいかをテストするのが「テスト用データ」。
なおテスト用データは、呼び名も準備の仕方も複数あります。
例えば、写真を見せて犬/猫を識別するAIを作る時、10,000枚の写真が準備できたとします。
8,000枚を学習用データとしてAIに繰り返し入力し、AIの学習が終わったら、残り2,000枚のテスト用データを識別させてチェックします。2,000枚は学習には使いません。他にも学習用データとテスト用データを混ぜるやり方もあります。
少し詳しく説明しましたが、ひとまずは、AIを学習させるためのデータ、AIの学習をテストするためのデータがあるのだけ知っておいてください。
Iパス用ですが、AIを4つのNoteにまとめてました。>【Iパス】AIの問題PART1Note
設問1(1)b | 同じ言葉を探す
正答は「手作業入力」機能。
表1項目2を見て、「類義語DB」を整備する「機能」を探せば良いと方針を立てます。
59頁後半(3)①:「用語データベース(類義語DBという)」あたりに概要
59頁後半(3)②:類義語DBの整備の二つの方法←これだ!
手作業入力機能で整備する
現行CBのCB回答履歴を品詞別に分解して機械学習させる
以上より、「機能」なのは類義語DB整備の1つ目の方法「手作業入力機能」。空欄bに配置して文章が成立するかも確認しましょう。
補強 | 機械学習の監査はしなくて良かったの?
国語の問題テクニック気味で正解するのは、本試験ではOKです。
点数を取らねばなりませんからね。
しかし、本質として「現行CBの回答履歴の手法」を監査しなくて良いのか気になります。せっかくの過去問演習なので少し考察(屁理屈)。
60頁(3)①~④を見ると、機械学習でのDB整備について「予備調査」の結果が出ています。手作業入力方式については予備調査をしてないので、表1の監査(本調査)に名指しで入ったのかなと。
つまり予備調査で目途が立ったので、本調査で本格的に調べなくてもOKと判断したのかなと。
たしかにDBを作る際、最初に膨大な手作業をするのは現実的ではないです。大まかで良いので、AIに膨大なデータを機械学習させ、AIをテストして網羅できない点を手作業でデータを追加するなり修正するなりしたいですね。
表1項目2左で「類義語DBの整備が不充分であった」場合に備えて、表1項目2右で「手作業入力機能による類義語DBの整備を実施する」と書かれています。
類義語DBの整備は、初手は機械学習。不充分だったら手作業入力機能。という流れを示唆しています。
繰り返しますが、本試験でここまで深く考えなくてOKです。類義語DBを整備する「機能」を探したら、1つしか「~機能」って言葉がなかったから、「手作業入力機能」と解答して次へ進みましょう。
設問1(2)c | 惜しいところまではいけたが
正答は「目標レベル」
私には無理ですね。惜しいところまではいきましたが。
私の解答は「回答満足率」。
回答満足率は、顧客の意見を集計したものなので、受入テスト段階で測定はできないですが、仕方ないです。受入テスト時に、受け入れ部門が評価してくれれば良いと祈って書きました。
私の解答へ至る経緯から、模範解答への考察を書かせてください。
空欄cは表1項目3より、受入テスト時に新CBの効果を評価・測定する指標、を問われていると解釈しました。
しかし、問題文に「受入テスト」を探しましたが、ありません。
次に、問題文から指標になりそうなものを探しました。計4箇所も「回答満足度」が表れます。
特に60頁(3)④「PoCにおける~回答満足率を指標にして、効果の目標レベルを定め、新CBの有効性を判断している」。
以上より「回答満足率」としました。
しかしここで、「効果の目標レベルを定め」が表1項番3「効果のcが定められているか」と酷似している点に気づけば、模範解答と同じになりましたね。「定め」が共通。
私は、「受入テスト」の記述がない、指標っぽいのは「回答満足率」だけだ、に考えが集中してしまい、気づきませんでした。
ただし、空欄cに「回答満足率」を入れても文意は成立してるかなと。負け惜しみですが思っています。本試験で回答満足率と解答しても悔いはありません。
設問1(3)d | 文系問題でも午前用語が出る
正答は「レビュー」。
ノーヒント問題ですが正解できました。「プロジェクト関係者による」が決め手。レビューは、基本情報技術者での開発工程でしばしば出てきましたから。
強いてのヒントは設問文。
「5字以内」は用語か問題文から抜き出し。しかも「本文中の字句を用いて」と書いてません。同じ5文字で問題文に書かれている言葉なら設問1(2)にcとdをまとめて出題するはず。
作問者としての視点なので、本試験では意識しないでOKです。理解よりもテクニック過ぎて、意味がありませんから。
設問2(1)e | 文系問題でも午前用語が出る
正答は、イ(性能要件)
空欄e周辺は、「類義語DBの整備がスケジュールどおり完了しないおそれ」について、「PoCで実施した際の要件になっているか確かめる」こと。
PoCで行った類義語DBの整備において、開発スケジュールに絡む内容を探します。
59~60頁の②「類義語DBを整備する際のサーバ処理に想定以上の時間を要していた」とPoCで分かったので、サーバ性能を高める必要があります。
したがって、イの性能要件。
消去法でも確認。アの外部インタフェース(外部システムとのやりとり)でもないし、ウのセキュリティ、エの保守(メンテナンス)も、サーバでの処理時間には無関係ですね。
機能要件/性能要件についても、混乱するので。
機能要件:システムに必要な機能
実行できるべき処理内容など。利用者が意識する。非機能要件:システムに必要な「性能」
達成すべき処理時間、暗号化など。利用者が意識しない。
覚えやすいかなと思った部分を太字にしました。
設問2(2)f, g, h | 取れるものから取る
f:季節性のある製品
g:本番移行
h:受入テスト
hは必ず正解、fはなるべく正解、gは正解できたらいいな、ぐらい。
hから。「開発プロセスにおいて顧客サービス部によるh」なので、受入テストと一発判断。利用者が行ってますから。
fについて。「新製品だけでなく、現行のh」なので、新製品と対比する言葉。「現行の製品」でだとなんか元も子もない感じですよね。
少し繋がりが希薄なんですが。58頁(1)①と②。「季節性のある製品(に偏りがある)」だから「現行CBでは、曖昧な言葉に対応できず」だったのかな、と読める、、、かも。
とはいえ、現行の「製品」で、×にする根拠には薄いなぁと思います。でもわざわざ問題文に書かれていて、「10字以内」と少し長めなので、問題文記載を重視かな。敢えて逆らっても仕方ない。
最後にgについて。空欄g前後を見て、「表1項番3について」「新CBの有効性を確保」「プロジェクト運営員会が~評価」などをヒントにします。
まず表1項番3。受入テストで効果がなかったのに本番運用に移行するリスクがあるので、本番移行の可否判断をする評価項目を定める必要がある旨。
空欄g周辺の、プロジェクト運営委員会が新CBを評価する計画は、本番移行の可否判断を指してます。よって「本番移行」に先立つ。
表1項番3にあった「本番運用」も別解かも。ただ本番移行をした後に本番運用なので、×が濃いかも。解答できただけ良しとしてください。祈りましょう。
まとめ
お疲れ様でした!
問題文の言葉をそのまま使うとはいえ、あれやこれやと考えてしまう問題でした。いつもは設問からスパっと「これだ!」と見つかるのですが、候補から選ぶ感じ。
解く時は難しく感じて、答えを知ると「なーんだ」「勿体ない!」と思う系。多少落としても合格するぐらい、地に足をつけた余裕ある点数を取りにいきたいですね。
PoC:新技術による商品が実現可能か検証する
PoV:新商品が顧客に価値があるか検証する
PoB:ビジネスとして成立するか検証する
今後、AP午後の用語問題で問われるんじゃないかな、と。今回Iパスレベルの用語「レビュー」「受入れテスト」「学習データ」などが出ましたから。
以上になります。でわでわ。
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