【ネスペ6問】VoIP電話のややこい名前と回線品質(ネットワークスペシャリスト)
この問題ではIP電話(VoIP)について、ネスペR06~H21の全問題から搔き集めました。
VoIPはネスペならではの重要テーマです。
VoIPで間違いなく混乱するのは、似通った名前。
RTP, RSVP, RTCP, RTSP, RSTP。
それぞれの違いが分かりますか?
そして1つ仲間外れがあったのに気づきましたか? 答えはRSTP。スパニングツリープロトコル(STP)の1種で、VoIP絡みではないです。>STPのNote
このNoteでは、混乱を紐解く講座とAMII過去問を載せました。
私の全てのNoteは、学生時代の独学合格体験、大学・IT専門学校での授業経験に基づいています。受験する側・教える側の実績があるので、少しでも信用して頂けたら嬉しいです。
それでは始めましょう!
\私の3ヶ月の学習記録/
VoIP | SIPは午後まで良く出る
RTPとSIPは必ず覚えてください。SIPによる発呼や転送の手順が、午後問題でも良く出ます。残りは、午前対策にだけ必要。
RTP:「リアルタイム」を「伝送」から判断。VoIP(音声)、動画や音声など。UDPを使います。
SIP:通話の開始や終了を制御。SがSession、IがInitiation、余裕があれば。
RSVP:RTPの帯域確保(各ネットワーク機器に予約設定)。VはReservation。これはムズイ。
RTCP:RTPの伝送ルートの調整管理。CがControl。
RTSP:RTPで送る映像や音声の処理状態を制御。再生・録音・巻き戻しなど。RTSはReal Time Streaming
RTSPで再生や巻き戻しをすれば、RTCPが伝送を開始するようなイメージ。使う状態を制御するか、伝送状態を制御するか。
なお、似た名前のプロトコルも追記しておきます。
RSTPは、STP(スパニングツリープロトコル)の1種で、ネットワーク構成に変更があった時に、素早く(Rapid)ツリーの再計算をするプロトコル。>STPのNote
再度まとめますが、まずはSIPとRTPだけ覚えてください。他は「なんか伝送とか状態とか回線とか制御するんだよな」ぐらい。何度も復習しながら、だんだん増やしていってくださいね。
問題演習
正答はエ。少し難しいですが、作問者は「ネットワーク資源の予約」から、帯域管理=RSVPを連想して欲しかったようです。
消去法ではイとウを消せればよいですね。
ア:Diff-serv機能とのこと。覚えなくて良いかかと。
イ:RTCP:RTPの伝送ルートの調整管理。「オーディオ情報(音声)、ビジュアル情報(映像)」を遠隔「制御」より判断。
ウ:RTP:「リアルタイム」を「伝送」から判断。VoIP(音声)、動画や音声など。UDPを使います。
VoIP以外のプロトコルと一緒に出す時も多いです。VoIPで固められても、R絡みで固められても、ややこいですね。
正答はエ。一発で正解を引いて下さい。かなりややこしいです。
ア:RARPは、IPアドレス→MACアドレス。なおIPv6ではICMPv6が担うため、RARPは不要です。>ICMPのNote(準備中*)
イ:RSTPは、STP(スパニングツリープロトコル)の1種。ネットワークの構成が変化したら、素早く(Rapid)再計算。>STPのNote
ウ:RTSPは、音声や動画のストーリミング伝送を制御するプロトコル(再生や録音など)。RTSはReal Time Streaming。
エ:VRRPは、ルータなどを複数(冗長)設置し、主系に障害が出たら、待機系がすぐに稼働するためのプロトコルです。ハートビートと一緒に覚えておきましょう。>VRRPのNote(準備中*)
少し補足。ややこしいので。
RTCP:RTPの伝送の制御。
RTSP:RTPで送る映像や音声の処理状態を制御。再生・録音・巻き戻しなど。
RTSPで再生や巻き戻しをすれば、RTCPが伝送を開始するようなイメージです。使う状態を制御するか、伝送状態を制御するか。
シツコイですがもう一発。
正答はエ。正解一発で引きましょう。
ア:ARP:IPアドレス→MACアドレス。逆変換はRARP。IPv6ではICMPv6が担うため、ARPもRARPも不要。>ICMPのNote(準備中*)
イ:OSPF:ルーティングプロトコルの1つ。AS(自律システム)内を管理するIGPに属し、リンクステート型。サブネットマスクにも対応。>ルーティングプロトコルのNote
ウ:RSTP:スパニングツリープロトコル(STP)の1つ。ネットワークが変更された時の更新が素早い(Rapid, 速い)。>STPのNote
エ:VRRP:複数のルータで冗長構成した時、主系が稼働しているかどうかを判断するためのプロトコル。いわゆる「ハートビート」。主系に障害があると判断したら、待機系が稼働を始める。
正答はア。「帯域を管理」より判断。消去法では、イとエは消してください。
イ:VLAN:ネットワークを「論理的なグループに分ける」より判断。ネスペ午後の重要テーマ。>VLANの解説Note
ウ:MLPPPとのこと。覚えなくて良いです。今後を様子見。現状PPPを拡張=PPPoEで。>PPPの解説Note(準備中*)
エ:認証プロトコルは、たくさんあります。PAP, CHAP, EAP, RADIUS
>EAPのNote(準備中*)
>RADIUSのNote(準備中*)
>PPPのNote(準備中*)
正答はア。イとエは必ず判別してください。アとウで迷いましょう。
SDPは、RTSP(再生・停止・早送りなどの制御)が上位層で用いるプロトコル。SがSession。(参考Web)
イ:RTP:「リアルタイムストリーム」から判断。VoIP(音声)、動画や音声など。UDPを使います。
ウ:RTCP:伝送を管理している旨なので。
エ:SIP:「セッションの確立」から、発呼などと連想します。SIPはネスペで大事なので必ず当ててください。
SIPがセッションを制御するのに、SDP(Session Description Protocol)が出てきて、ややこしくなりました。VoIPにおけるSDPは捨て問にして良いと考えます。
SDP(Software-Defined Perimeter)はセキュリティ分野での新用語でもあります。ネットワークの内部・外部の境界線をソフトウェアで制御する「ゼロトラスト」実現方式の1つ。
今後出るなら、VoIPのSDPよりも、セキュリティのSDPと考えました。
SCでも出ているので、多資格方向での学習コスパは良いですね。
正答はエ。「セッションの確立」より判断。
VoIPで優先すべきは、RTPとSIP。少なくとも「S」が入ったプロトコルを選びたいですね。
RTCP:RTPの伝送ルートの調整管理。「オーディオ情報(音声)、ビジュアル情報(映像)」を遠隔「制御」より判断。
RTP:VoIP(音声)、動画や音声などを伝送。UDP使う。
SDPは、RTSP(再生・停止・早送りなどの制御)が上位層で用いるプロトコル。SがSession。
SIP:通話の開始や終了を制御。SがSession。
なお、ウのSDPは、VoIPのSDP(Session Description Protocol)だと思います(H26年の古い問題なので)。
回線品質の問題
正答はイ。
ア:MOS値は、利用者による品質評価。Oはofと思いきや、Opinion(意見)なのが、珍しいです。
イ:R値は、IP電話の品質。歪みや遅延など。
ウ:ジッタは、音声の乱れ。電気信号の乱れ。特に電圧の立ち上がりの乱れを指します。組み込み問題にも出てきます。
エ:パケット損失率は、発送したデータがどれだけ届かずに失われるか。回線の品質なので、R値の算出にも使われます
正答はア。
イ:ポリシング。最大量を超えたデータを破棄する処理。
ウ:シェーピング。送るデータをドバァとではなく、最大速度を超えないように制御しながら送ります。送れるだけ送る感じですね。
エ:優先制御。「優先度を変えて中継」より判断。
イ:ポリシング と ウ:シェーピングは、通信回線の最大量を超えたデータをどう処理するかの違いでした。
「ベストエフォート」は日常語として知っておいて欲しいです。「できる限り頑張ります」という意味で、「できなくてもごめんね」というニュアンスも含みます。
まとめ
お疲れ様でした!
ひとまず最低限2つ。
RTP:VoIP(音声)、動画や音声などを伝送。UDP使う。
SIP:通話の開始や終了を制御。SがSession。
残りの、3つは「なんか回線とかの管理だったなぁ」ぐらいで留めておきましょう。でも、学習ノートにまとめていつでも付け焼刃できるようにはして下さいね。それかこのNoteをブクマして頂くか。
テキスト2~3周目で覚えていくか、試験直前の付け焼刃にしていくかはお好みで。私だったらRTCPを1個追加かなぁ。CがControlなので一番覚えやすいので。3つ知っておけば、消去法で正解確率は上がるかと。
以上になります。でわでわ。
\私の3ヶ月の学習記録/