躾けと叱り
先日、アート活動をしている子どもが絵を描いていて頻繁に欠伸をします。また、別の行動をとっていても、やはり欠伸をします。その際、大きな口を開けてする行動に対し、手で口をふさいで欠伸をしようねといったマナーを話しました。
また、ある子どもは、自分の作品を仕上げるために横にいる子どもが使っているペンを奪い取る行動をしました。
このような状況において発達に課題のある子どもの生活する上で学ばせたい躾(しつけ)と守らせなければならないための叱ることも、成長の過程でとても大切な学びです。
では、正しいと思われる躾と叱りについて考察してみます。
このような場合の発達心理学の側面からみた考察をします。
発達に課題のある子どもの行動に関して、躾(しつけ)と叱りのバランスを考えることは非常に重要です。子どもがどのように自己調整を学び、社会的なスキルを身につけるかに影響します。以下に、発達心理学の観点からこの状況を考察してみます。
▫️欠伸の行動に対する対応
欠伸は、しばしば疲れやストレスのサインとして現れますが、時には興味の欠如や集中力の低下を示すこともあります。この場合、手で口をふさぐというマナーを教えることは、社会的なルールを理解させる良い機会です。
ポジティブなアプローチ
「欠伸をするときは手で口をふさいでね」という具体的な指示をすることは、子どもが社会的なマナーを学ぶ上で非常に効果的です。このような指導は、子どもが自己調整能力を育てる助けになります。
感情の理解
欠伸をする理由を一緒に考えることも有効です。「疲れているのかな?それとも、もっと楽しいことを見つけたいのかな?」といった問いかけを通じて、自己認識を高めることができます。
▫️他の子どものペンを奪う行動
この場合、子どもが他者のものを無断で奪うことは、社会的なルールや他者への配慮を学ぶ必要があることを示しています。
ルールの明示
「みんなのものを大切にしようね。他の子どものペンを使いたいときはどうする?」と問いかけ、共有について考えさせることが有効です。
経験の活用
このような行動を経験しながら、「もし自分のペンを奪われたらどう感じるかな?」と感情を他者と共有させることで、共感能力を育むことができます。
▫️躾と叱りのバランス
叱りも躾の一部ですが、その方法には注意が必要です。子どもが行っている行動に対して、どのように伝えるかが重要です。
一貫性
躾と叱りの基準は一貫している必要があります。一貫したルールも守られないと、子どもは混乱するかもしれません。
ポジティブな強化
ネガティブな叱りではなく、ポジティブな行動を強化することも重要です。「他の子どもと一緒に遊べたとき、とても上手にできたね!」といったフィードバックを与えることで、望ましい行動を促進します。
▫️結論
発達に課題のある子どもに対する躾と叱りは、学びのプロセスにおいて非常に重要です。ルールやマナーを教えつつ、感情や共感の理解を深めることで、社会的なスキルが育成されます。それを通じて、子どもたちは自分自身を理解し、他者と調和して生活する力を養っていくことができます。
絵は、就学前の児童が描いたもので本文の主旨とは無関係です。
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