死ぬ前!?襲いかかる危機、死戦期呼吸
突如として目の前で人が倒れた場合、あなたは冷静に対処できる自信がありますか?このような状況は、予期せぬ時にどこででも発生する可能性があり、誰もが突然救助者となる瞬間に直面することも珍しくありません。
「死戦期呼吸」とは
心停止の直後に観察される特殊な呼吸パターンを指します。
この状態では、患者が苦しげに呼吸を試みる様子や、下顎の動きを伴って呼吸しているかのように見えることが特徴です。
特に、急性心筋梗塞などによる心原性の心停止直後では、血中に残る酸素の作用により、この死戦期呼吸が頻繁に発生することがあります。
死戦期呼吸の種類
下顎呼吸:この状態では、下顎が開閉する動きを伴い、まるで呼吸をしているかのように見受けられます。
鼻翼呼吸:鼻の小鼻が拡がったり縮んだりする様子が、呼吸しているように観察されます。
あえぎ呼吸:苦しそうにあえぎながら呼吸をしているかのように感じられる状態です。
これらの呼吸形態について
発生する状況によって異なり、特定の段階や頻度で現れるわけではありません。また、これらが呼吸のように見えるものの、実際には肺に酸素を取り込む実質的な呼吸活動ではなく、胸の動きが伴わないのも、これらの特徴の一つです。
最大のリスク
見た目には呼吸しているように見えるが実際には呼吸が行われていないため、緊急に必要な処置が施されないことです。この状態は、一見正常に呼吸しているように錯覚させるものの、実際には効果的な呼吸が行われておらず、命に関わる危険な状態である心停止を示しています。
注意!
死戦期呼吸が心停止の重要な警告信号であるにもかかわらず、呼吸しているという見た目から、心停止の事実を見落としてしまうことがあります。
死戦期呼吸への対処法
対象者が意識不明であり、呼吸が停止しているか、前に述べた死戦期呼吸の兆候が見られる、あるいは状態判断が難しい場合には、心停止の可能性があると考え、すぐさま胸骨圧迫(心臓マッサージ)を施すべきです。
周囲に助けを求める
周囲の人に助けを要請し、救急車を呼び(119番)、可能であればAED(自動体外式除細動器)を取ってくるよう指示することも、救命処置の成功には欠かせません。