高齢者の水分不足、6つの対処法
高齢者の方がどうすれば水を飲んでくれるのか具体的な方法がわからない!
そんな悩みはありませんか?
水を飲んでくれるような具体的な対処法について紹介します。
①そもそも喉が乾いていない
「テレビでお茶を飲むと体にいいって言ってましたよ〜。」
「いつもお元気な○○さん(有名人など)は、よく水分を摂ってるって言ってましたよ!」
介護の基本、ハロー効果というものです。
「お食事ごとに、一杯飲んでいただくことになっております。」
ここのルールってことにしちゃう作戦ですね。
コップたくさんお盆に乗せて、
「お下げしま〜す・・・あ、まだ残ってますね、飲んでいただけると助かります〜」
勝手な片付ける目線であるように感じますが、主婦業をやっていた高齢女性には有効な手段で、残りをぐっと飲んでくださいます。ただ、ムセやすいので注意は必要です!
②トイレが億劫、トイレの失敗が怖い
失敗しても大丈夫だ、と都度伝えたところで、お気持ちは動かないと思います。失敗しても、ではなく、失敗しない、と伝えましょう。
失敗しないためには、たとえリハビリパンツ(紙のパンツ)を履いていたとしても、パンツにパットをつけていたとしても、トイレへ定時誘導することが大切です。
ぴったり何時でもいいですし、起きてすぐ、ご飯のあと、お茶のあと、寝る前、という生活に合わせたお誘いのしかたでもOKです。
成功体験を積み重ねて、「水分をとっても大丈夫!」と安心してもらいましょう。
③ムセてしまう
介護の現場でよくあるテクニックとして「水分にトロミをつける」というのがあります。
「トロミ剤」と検索すれば、各種メーカーが発売しています。すでにトロミがついているお茶というのもあります。最近ではカップ飲料の自販機で、トロミ付きが選べるものもあるんですよ!
飲み物にトロミをつけると、びっくりするほどムセなくなります!
また、水分摂取というくくりでいうなら、ゼリーを召し上がっていただくのも良い方法です。市販のものでもいいですし、お気に入りのジュースで手作りで何個か作っておくと手が伸びてくれるかもしれませんね。
④水分をあまり摂らない生活をしていた
どうしようもなさそうですが・・・パーティ会場のウエイターさんのように、お盆に色んな種類の飲み物を載せて「お飲み物はいかがですか?」と敬々しく提供すると、つられて選んでくださることがあります。
飲み物を飲むというより、選ぶ楽しさの提供の勝利ですね。
⑤体調が悪い
水分摂取の必要性は、健康の維持です。本末転倒にならないように、まずは体調確認をしてみましょう。
⑥「飲む」という行為の障害・失行
ムセてしまうという嚥下障害の他にも、入れ歯が合わない、口の中が気持ち悪い、などの違和感も含めて考えると良いでしょう。入れ歯を外したり、口を一旦ゆすいだりすることでお茶を飲んでくださることもあります。
認知症の場合
認知症になると、短期記憶が低下し、「このお茶は飲んでもいいのかな?」「他の誰かのかも。」「喉乾いてたっけ?」飲んでる最中でも「何してたっけ?」となってしまうことは、よくあることです。適宜声掛けをしましょう。
「飲む、飲み込む」という言葉が伝わりにくいとき、介助者の口元を見せ「あぐあぐ、ごっくん」とやってみてください。つられてやってくださることもあります。
飲み込みが出来たら「いいですね!」「上手に飲めてますよ!」と声掛けもして調子をつけるのも良いですね。