思考を細分化しモノ化してみる
現代の私達は「自分疲れ」になっていることが多くなったと思います。
そもそも人の人生というのは、途方もない過去の重みを背負い、瞬時に過ぎ去る現在に立ち合い、そして広大で不確かな未来を思い描きながら生きています。
また現代の生活では毎日毎日膨大な情報の量をさばかないといけません。
過去、現在、未来と、それだけでも人の人生というのは途方もなく広大なものです。
ある時は過去の、あるいは未来の不安に心が押しつぶされることもあるでしょう。
思考が絶え間なく過去や現在や未来を行ったり来たりして不安を抱えながら、
どうにかこうにか現在の境遇を享受しています。
もし過去の過ちや現在の諸問題、未来の不安などに押しつぶされそうになったら、
人生を細分化してみることがよいと思います。
よく人生の点から線が導かれると言いますが、線が錯綜としたら局所化した点に戻る。
その起点が「今」です。
今からの視点を重視し、今どうなっているか、今の心境、境遇はどうなっているを確認します。
そうしていくと時系列のメリハリができ、漠然とした人生の不安から徐々に解放されていきます。
今の視点に立てば、遠近法的配置から過去からも未来からも距離を保てるようになります。
そして、絶えず渦巻く思考から距離を保ち、その思考の正体を見抜きます。
思考はいわば自動的に生起している物体でモノとして視ることが大切です。
人の人生は広大なものですが、その生き方の極意はごくごく小さいところに
フォーカスを絞って一歩ずつ進めていくことが大事だと思います。