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そろそろ年齢呪縛を解きませんか?

太陽が照りつける日。自転車を走らせて図書館に向かう。汗だくになりながら本を返し、借りる本を選ぶ。あまり長いは禁物だから、なかなかの直感だ。ふと一冊の本が目に止まった。

『年齢は捨てなさい』下重暁子著 幻冬舎新書

家に帰って早速読むことにした。

基本的には人生100年時代を生きる読者、特に高齢者と呼ばれる年齢層を書かれていた。だが年齢、世代に関係なく心に響くものだと思う。私自身何度も考えながらページをめくった。下重さんの言葉を胸に刻みながら。

私たちは人生の時間を細かく刻み、20代前半は、20代後半は、30代は、40代はというように世間で囁かれる時間軸に自分を当てはめる。その時間軸から外れるととても不安になる。自分が否定されたように思う。

そこから得る恐怖は、私たちが年齢というものにあまりにも固執していることを示唆する。

20代で結婚し、30代で家を持ち、40代は転職に厳しく、50歳では家のローンを終え、60代では還暦を迎え孫がいる。
典型的な私が思う年齢呪縛を挙げてみた。これだけでなく、高校大学はストレートで行くとか、20代後半になったらだんだん転職が厳しくなるとか、歳を取れば夢を追えないとか、いたるところで数字を目にし、肌で感じてしまう。さまざまな人のブログや、テレビ、雑誌、広告。どうしてこの国はこんなに年齢を気にするのだろう。

かくいう私も年齢を気にして生きている20代だ。私も誰かと話すと相手の年齢を確認する。それは私と同じ年代とわかりほっとするとか、自分より相手の年齢が上だと知り自分はまだ大丈夫なんだと安心するとか、かなり、いや確実に卑猥な行為だ。人に向けられた行為は自分にも知らぬ間に向けられ、縛り上げる。

でももう自分で自分の可能性を狭める行為を終わらせてもいいんじゃないかな。

著書で下重さんのエジプトでの体験が書かれたページが一番印象に残っている。ここから遠い国。流れる時間や、価値観が違う国。私には持っていない時間を持った人々。

下重さんの文章はとてもチャーミングで、時に辛口で、時に寄り添ってくれて。とても楽しい時間でした。

下重さんはいう。

「もう年齢は捨てました」
きっと、すっきりしますよ。

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年齢は捨てなさい
下重暁子著/2019.04.25/幻冬舎

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