専業主夫の49歳が精神科病院に入院したときの話(4)看護師にお願い!
専業主夫の薄衣です。
今回は入院3日目のお話しから。
はじめさせて頂きます。
前回のお話しはこちら
看護師さんいろいろ
残念編
昨夜からこの朝まで、爆睡しました。
眠剤を服用することも、勧められることもなく。
ひとりでにウトウトして、爆睡でした。
しかも起床後、朝食も完食。
ご飯の量は相変わらずメチャメチャ多いですが、完食しました。
すると、病室の外で看護師達の会話が、
「10号、ご飯ちゃんと食べてますよ。」
「あんなんでも、腹は空いてるんだな」wwww
『10号って、私のことなんだな~』
と思いました。あとで見たら、私のいた病室が10号室。
なんだか、自分が惨めになりました。
このうちの1人が本日の私の担当とのこと。
ちなみにこの病院は、基本私の担当看護師として入院中ずっと決まった方が1人いるのですが、その方が夜勤等で日中不在の場合、別にその日の担当さんが割り当てられていました。
で、その方に試しにシャワーを浴びることが出来ないか聞いてみました。
すると、室外の先輩に(先ほどの2人のうちの1人)
「薄衣さんがお風呂入りたいって・・・」
(イヤ、そこまでは言ってない・・・)
「タオルでもやっとけ!」となり、
再びウエットタオルを一掴みグシャッと頂けました。全部聞こえていたせいか、
「言わなければよかった」と思いました。
また、この担当氏から売店での買い物が出来ると教えてもらいました。
家族がお金を病棟に預けて、それを使って私の代わりに担当看護師が買って、病室まで届けてくれるシステム。
ただしこの部屋は制限が多いので、飲み物、お菓子くらいなら、とのことでした。そこで、コーヒーとチョコレートをお願いしました。
しかし・・・いくら待っても来ません。
頼んだのは朝、朝食後。持ってきて貰えたのは夕方、夕食前でした。
看「すいません、忘れてました。はいチョコレート」
薄「あの、コーヒーは?」
看「もう夕方ですし。買ってはあるのですが、明日にしましょう」
薄「・・・。ありがとうございました。」
振り返ると全くもってお恥ずかしい限りなのですが、薄衣はこの時、コーヒーとチョコをメチャメチャ楽しみにしていたのです。
それなら、
ナースコールやほかのタイミングで催促をすればいいのです。
それをしなかったのも私です。
そういうの苦手なんですよね。
人様に催促。
結果、待ちくたびれたり嫌な思いをするくらいなら、頼まなければよかった・・・・・・が当時の感想です。
喜び編
一方で、この日はこんなことも。
昨日世間話などをしていた看護師が、午後になって様子を見に来てくれました。その時、
主治医の先生は今日は不在で来られないが、明日は来る。
なのでその時、先生に「部屋を移りたい」と伝えてみては?という話をされました。
そんなことをこちらから言ってもいいのか 戸惑いましたが、
「薄衣さんの状態ならきっと大丈夫です」と言ってもらえました。
このおかげで、少し希望が持つことが出来ました。この独房から出られるかもしれない と。
この時点で、先のことは全く分かりませんでしたが、少なくともこの状況に良い変化が生まれるかもしれない。
看護師との話から、そんな希望を持たせてもらえました。
研修医さん
この日は上記のように主治医が不在でした。
なので先生と話す機会は結果的に朝の回診だけでしたが、ここの回診は、サーキットのスタンドで見るF1の如く、多くの先生は疾風のように去って行かれます。
先生「何か不安はありませんか」
薄衣「特には・・・」
(やっぱり即答出来ない私・・・)
先生「お大事に~」
これが主治医以外の先生との
【やりとり定型文】です。
この日の回診には、研修医の先生がいらっしゃいました。
試しにシャワーを浴びれないかをこの方にも聞いてみます。
すると、
「主治医の許可が必要です。主治医に相談してください。」
とのこと。
この時は、その前の看護師とのやりとりもあり内心穏やかではなかったので、正直
「お前何しに来たんじゃ!」
と思いました。
(心の中の話です。先生すいません。)
主治医の許可が必要なのは、まぁ分かります。でもお医者様達の中には、こういう患者の希望、要望を伝達してくれない方もいらっしゃるのですね。
病気とは関係ないからでしょうか、お医者様ではなく、これは看護師に相談すべき事柄だからでしょうか。でも主治医の許可がいるとも言うし・・・
後日、回診に来たこの研修医さんに、またわざと別の質問をしてみたのですが、返ってきたのは
「それは主治医に相談してくださ~い。」
・・・だよね~、でした。
例えば、薄衣が公務員として勤務していた頃、住民の方が私あてに来庁され、私が不在の時は課内の別の人間が話を聞いて、それを私に伝達してくれます。もちろん、本格的な対応は私が戻ってからになるわけですが、それでも話は私につながります。
ここでは、基本それがありませんでした。
特に先生起点の場合。先生から先生や、先生から看護師へ。
ところが、私の主治医の先生は、それがあった(日常の困りごとを話すと看護師に伝達してくれたり)ので、全員がそうではないようですが、入院初心者の私には難しかった。
病棟の習慣や常識は一朝一夕にして分からずです。
小心者の薄衣には、先生との会話はそもそもハードルが高いもの。とても、回診に来た先生に「主治医に言っておいてよ」とは言えませんでした。
振り返ると
入院中、特に鍵のかかった病室での隔離中は、コミュニケーション相手といえば、ほとんど看護師さんのみです。
ほかにすることがほとんど無いので、看護師ウォッチはじっくりと、またそれへのジャッジも厳しめになっていたようです。
そして、俯瞰した視点を持つ余裕など全くありません。
その瞬間、瞬間が全てです。
後日、残念編に出てきた2人の看護師さんには、本当にお世話になるのです。今では感謝でいっぱいです。
しかし、この時の私はそれを知る由も無し でした。
それと私は、お願いすることが苦手だったようです。
このあとその機会は何度も訪れますが、その都度時間がかかったり、断念したり・・・今思えば、無茶なことでも何でも無いのに、出来ないんです。
極々たまに出来る時もあるのですが、そんな時でも、相手が嫌な思いをするのでは、とか考えながらとっても卑屈な感じで、申し訳なさそうに、しどろもどろで伝えていました。(ハタから見ると、それがかえって気持ち悪く見えてるような気がします・・・)
「もう少し直感的に行動出来たらいいのになぁ」
あの時の薄衣に、少し控えめに言ってやりました。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次に続きます。