ドラマ『問題物件』は"独特の世界観"を楽しめれば勝ちの不動産ミステリー!
上川隆也といえば、やはりドラマ『遺留捜査』の風変わりな刑事・糸村の印象が強いですよね。私は昔から上川くんの大ファンで、彼の出演するドラマはことごとく観てきています。
バラエティに出演しているときも、マジメな性格ゆえの面白さをいつも醸し出している上川くん。結構お茶目な一面もあったりします。
今クールのドラマ『問題物件』は、あの上川隆也をこんなキャスティングするの!?という意外性や驚きが強くて、初回はキツネにつままれた感じのまま終わってしまいました(笑)。
このドラマはこの"独特の世界観"にハマれるかハマれないかで、捉え方や感じ方が大きく分かれるタイプのドラマだと思います。
公式ホームページにこう書いてありますが、上川くんの演じる不動産調査員・犬頭光太郎は謎のヴェールに包まれた存在です。常に“犬ファースト“で、人間より犬を下に見るような発言を嫌います。犬並みに人並み外れた聴覚の良さと記憶力、さらには天才的な推理力を持っている犬頭。
おそらく(いや、間違いなく)“犬の化身“という設定だと思っていますが、鮮やかな黄色のジャケットを羽織って神出鬼没に現れたかと思うと、あっという間に物件に隠された事件の謎を解決していつの間にか消えてしまう…。
「吾輩は犬である」などと冗談めかして言うミステリアスな一面がある一方で、かなり気が短くてすぐに手や足が出てしまう一面も…。
第2話では、犬頭が悪い方々とやり合うカッコいいアクション・シーンがありました。上川くんのアクションはテレビではかなりレアかもしれなくて、舞台で鍛えた切れ味鋭い動きは流石でした!でも歯をむき出しにして相手を威嚇する姿がまさに犬そのもので、これには思わず笑ってしまいました。かなり”犬っぽい動き”を意識して演じている感じがします。
犬頭自身は“心霊現象“などはまったく信じていなくて、なにが起きてもまったく動じません。
そんな犬頭のバディになるのは、内田理央演じる若宮恵美子。不動産会社に勤務するOLで、心霊物件など不可思議な現象に関するクレームを扱う「販売特別室」に異動させられ、犬頭と出会います。
内田理央は、このドラマではかなりのコメディエンヌぶりを発揮しています。どこか吹っ切れた感があるというか、案外コメディエンヌこそ内田理央の生きる道かも!?上川くんともなかなかいいコンビです。
「販売特別室」の室長は、宮世琉弥演じる大島雅弘。7年前に交通事故で両親を亡くした過去を持ち、自身も後遺症で足が不自由になり車いす生活に…。心霊現象が大好きな心霊オタク。
話はそれますが、宮世くんの前クールのドラマ『スノードロップの初恋』では死神役で、どこか人間離れした雰囲気もある宮世くんにピッタリでした。着実に俳優としてステップアップしている感じがしています。
彼の相棒の犬“犬太“が、人間になって犬頭として活躍しているのか!?それはまだ分かりません。そのうち少しずつ、犬頭の秘密が明かされていくんでしょう。
個人的には、犬頭の顔見知りの探偵・浜野謙太演じる有村次郎がツボです。元刑事らしくない雰囲気といかにも松田優作を意識したファッション、無理に低音でしゃべろうとする”わざとらしさ”が浜野くんならではの演技で、少ないシーン数ながら楽しませてもらっています。
第1話の『借りたら必ず死ぬ部屋』、第2話の『ポルターガイストが起こる部屋』。どちらも怪奇現象などではなく、人間による事件でした。謎解きの種明かし的な内容に少々無理矢理感もあったりしますが(笑)、そこはドラマということで…。
肩肘張らずに明るく楽しいドラマが観たいという方には、ドラマ『問題物件』はちょうどいい感じかと思います。