ドラマ『春になったら』第7話は、涙腺崩壊の神回でした!
ドラマ『春になったら』は初回を観て予想した通り、いろんな形の”愛”に溢れた素敵なホームドラマです。これまでもウルっとさせられるシーンは多々ありましたが、第7話の後半戦は自然と涙が溢れ出てきてしまい、奈緒と濱田岳の演技に見事に泣かされました。
ストーリーはここのところ比較的緩やかに進行していた感じでしたが、のりちゃん演じる父・雅彦の病状が少しずつ悪化していていく様は観ていてだんだん辛くなってきました。食が細くなり、手にもしびれが出てきたり…。
のりちゃんの演技を観て「声が大きすぎて病人に見えない!」「もうすぐ死ぬ人には全然見えない!」とか、そういうマイナスなイメージのネット記事を目にしたりしました。
でもこれがあまりにも演技が上手すぎる俳優さんが演じたとしたら、どうしても”父の死”の方にばかり重きがおかれてしまい、少しテイストの違うドラマになってしまっていたと私は思うんですよね。
のりちゃんのあのひょうひょうとしていて肩の力が抜けている演技くらいの方が、雅彦を演じるにはちょうどいい感じだと私は思っています。
昔大好きな倉本聰氏脚本の『風のガーデン』で中井貴一演じる主人公が亡くなっていく様子をかなりリアルに描いていましたが、あまりにも演技が上手すぎてこちらの精神的ダメージが強すぎたということもありました。
それにもしも私自身が雅彦と同じ状況だったとしたら、自分の周りの人たちに対していかにも”末期の病人”であるという風には振る舞いたくないし、そういう風に接してほしくはないと思うんですよね。
それがたとえ”から元気”と言われても、みんなの前では無理をしてでも元気なフリをすると…。だから、のりちゃんの演技はむしろ自然だと感じています。
延命治療はしないと決めた雅彦も、時には自分の選択が間違っていたのではないかと迷い惑うこともあります。第7話の二人で行ったキャンプのシーン。
この雅彦と瞳の会話は、これこそ非常にリアルでした。誰だって覚悟を決めていたとしても、いざその時が近づいてくれば死ぬのが怖くなると思います。その雅彦の不安な気持ちが手に取るように伝わってきました。
父の吐露を聞いて、今までの瞳なら泣いていたであろうところ「泣いてないよ」と雅彦に精一杯の笑顔を見せたのがまずジーンときました。いろんな感情の揺れ動きを経て、人間としてひと回り強くなった瞳の成長と変化が垣間見られたようでした。
カズくんが学習塾の講師とお笑い芸人の二足のわらじ生活を始める決意を固めて、瞳にお笑いライブを開くから雅彦と一緒に来てほしいと連絡がありました。会場に行ってみるとお客さんは瞳と雅彦、そして龍之介の3人だけ。
「○○な君、ドンマイ、ドンマイ。僕は好きだよ」が決めゼリフのカズマルくん。瞳についてのネタを繰り広げ、決めゼリフをちょっとだけ変えて「僕は大好きだよ」と。カズくんの瞳への愛がこぼれそうなネタを観た時の、瞳の泣き笑いの顔を観ていたら自然に涙がつつーっと流れてきました。
そして雅彦のネタへ…。
カズくんから瞳へのプロポーズ、カズくんから雅彦への誓い、そして瞳から雅彦への言葉…。何度も何度も繰り返された雅彦の「認めます!」ここ一連のシーンはずっと涙が止まりませんでした。龍くんの健気なおじぎも忘れられません。この展開は当然読めていたけれど、ようやくここまできたか…と感慨深いものがありました。
雅彦が死ぬ前にやりたかった「瞳のウェディングドレス姿を見る」という願いは叶うことになると思いますが、雅彦の最期のシーンはどうかサラッとカラッとでお願いしたいなぁ…と思っています。
そういえばこの第7話。キャンプに行った瞳と雅彦が釣りをしたり、スワンボートに乗ったり、いちご狩りをしたりしている時にバックに流れていたのが、のりちゃんと奈緒のデュエット曲「ふたりで」。のりちゃんが歌が上手いのは分かっていますが、奈緒もキレイな歌声で、お互いを思いやる温かい親子の関係性が感じられる優しい楽曲だなーと、これにも感動してしまいました。