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ドラマ『リラの花咲くけものみち』は、みずみずしい青春&成長ストーリーに心洗われます!

内容をまったく知らずに観たドラマ『リラの花咲くけものみち』。映画『正体』でも好演していた山田杏奈が主演で、獣医師を目指す少女たちの青春が描かれています。

山田杏奈が演じているのは、あるきっかけで12歳から引きこもり生活を送っていた岸本聡里。

中学校はほとんど通えず、高校はいわゆるチャレンジスクール。実の母が小学4年生のときに亡くなり、その後新しい母ができたもののうまくなじめず、自分の部屋に引きこもるようになったようです。

祖母の風吹ジュン演じる牛久チドリに引き取られてから少しずつ立ち直り、大好きな動物たちを救う獣医師になることを目指して北農大学獣医学部に入学することになりました。

寮生活、獣医学…。毎日が新鮮で、表にはなかなか出さないけれど聡里の心は日々大きく進化していました。

「実習では、匂いや触感、音や視覚、五感すべてを使って動物の命を実感します。生きている…ということ」

ある日當真あみ演じるルームメイトの綾華が、石橋静河演じる寮母の夏菜と部屋を変わりたいと話をしているのを聡里は見かけます。

「一度二人でよく話してみたら?」と夏菜に言われた綾華に「無理、キモい。私には無理です」と、聡里は拒絶されてしまい…。

「いいな…」
「んっ?なーに」
「静原さん、動物にも人にも好かれて」
「私が?そうかな…」
「うらやましいです。私のような人間からすると…。私なんてクロネコみたいで」
「どうしてクロネコ?」
「不吉だとか、キモいとか言われて。人前を横切っただけで嫌がられて。でも、クロネコはなんで自分が嫌がられてるのか全然分かんなくて」
「分かんなくて?」
「逃げることしかできない」
「岸本さんのおばあちゃん。あなたのことが心配で心配でって言ってた。私、信じてあげてくださいとか言っちゃったんだよねぇ。岸本さんはクロネコじゃない。言葉を話せるんだから。逃げる以外にも、できることがあるはずだよ」

ドラマ『リラの花咲くけものみち』第1話

その後勇気を出して綾華と話してみると、聡里が夜中に古ぼけた箱を取り出してぶつぶつ話しかけているのがキモいと…。

その箱の中身は、パールという飼い犬の骨でした。心のよりどころだったパールは、大学の合格発表の日に亡くなっていました。

「不登校の子は変わっているのかな?」と綾華は冷たく言い放ちますが、実は古ぼけた箱は亡き母が買ってくれたイチゴのバースデーケーキが入っていたもので、唯一の形見。

新しい母はパールのことを毛嫌いして捨ててきてほしいとまで言われ、聡里が拒むと今度は部屋から出すなと…。それこそが、聡里の不登校のきっかけでした。学校に行ってる間に、パールが新しい母に捨てられてしまうのではないかと聡里は不安だったのでした。

それを聞いた綾華は「ばっかじゃないの!」と言いながらも、涙ぐむ聡里にティッシュを差し出してくれました。

翌朝、パールの骨が入った箱を花と一緒に部屋の窓辺に飾ってくれた綾華。笑顔で「おはよう」と聡里に話しかけてくれました。二人の雪解けが感じられた、ジワり感動のいいシーンでした。

「白樺祭」という新入生歓迎の会に向かう途中、なにかの鳴き声が気になった聡里。それは、捨てられてケガをした犬でした。

保護犬や保護猫を無償で診てくれるしずちゃん演じる獣医師の久恒先生が来てくれて、その犬は無事に治療してもらえることになりました。

「誰かが捨てたんでしょうね。手軽に飼い始めて実際に世話が大変だって分かると、持て余して放棄しちゃう。あぁ…許せないって顔してる?でもそういう人間がいるっていうのも現実。動物側に立つと人間のエゴってのがよーく分かる。気をつけて。獣医学を学んでいくうちに人間のことが嫌いになることもあるから」

ドラマ『リラの花咲くけものみち』第1話

久恒先生の言葉は重かったですね。動物を飼うというのは、想像よりも大変なことがいろいろありますから。“捨てる“という行為に走ってしまう人間も、少なからずいますし…。でも捨てたのは「いのち」そのものなんですよね。

夏菜の叔父の経営する「小川ファーム」では、スノー・フェアリーという馬の出産が間近でした。夏菜、聡里、同級生の萩原利久演じる久保、先輩の佐藤寛太演じる加瀨の四人でその出産に立ち会うことになりました。

ところが正常なお産は無理そうで、甲本雅裕演じる獣医師の能見先生に診てもらったところ、今回は母体であるフェアリーを救うために子馬はあきらめることになりました。

母親の体内で子馬を切断するという方法…。聡里はあまりにも残酷な現実を突き付けられて、獣医師という仕事の厳しさを思い知るのでした。

「切断なんてやめてください!やめてって鳴いてる!殺さないで!」と泣いて叫んで取り乱す聡里。第1話はここで終わりでした。

予告編では夏菜に「獣医師を目指すのやめたほうがいい」と言われる場面がありました。次回、聡里はどうなっていくんでしょう。

実は亡き兄の子どもの頃からの夢が、獣医師になることでした。結局その夢は叶わず、大学時代は畜産学部というところで学んでいました。

私たち家族にはそういうことはなにも言わなかったけれど、兄嫁には大学の実習で聡里のように動物を殺さなければいけないような場面に出くわして、本当に辛くてたまらなかったと言っていたそうです。

兄はとても優しい性格だったので、そのエピソードを聞いて納得でした。実際、獣医師という仕事は命を救うこともあれば、今回のような決断をしなければならないこともあると思います。

そういう意味では、兄は夢叶わずで良かったのかもしれないと思ったりもしました。ドラマではありますが、聡里はさまざまな困難を乗り越えて獣医師になってほしいと願っています。

とはいえ、このドラマ全3話らしいのであっという間に最終回のようですね。NHKさん、今年も素晴らしいドラマをありがとうございます。

北海道の大自然の景色と、聡里たちのみずみずしい青春&成長ストーリーに心洗われますよ!


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