ドラマ『嘘解きレトリック』は、老若男女楽しめるレトロ・ミステリーな世界観が唯一無二です！

秋ドラマ…まだスタートしていないドラマがたくさんあるにも関わらず、すでに豊作の予感です♡

その中の一つ…。こういう月9は新鮮でアリ！というドラマ『嘘解きレトリック』。現代ではない昭和初期の世界観に引き込まれてしまい、非常に楽しめました。

嘘解きレトリック - フジテレビ

それにしても、松本穂香は昭和がよく似合います(笑)。和服姿がぴったり。彼女はこれから先も”現代(いま)風ではない雰囲気”が出せる貴重な俳優として、重宝されていくんじゃないですかね？

鈴鹿央士は松本穂香とW主演ではありますが、GP帯連ドラ&月9の初座長にふさわしい堂々たる佇まいで、彼のチャーミングな魅力がたっぷり堪能できました。あの笑顔は反則です(笑)。

鈴鹿くんが広瀬すずにスカウトされたというエピソードは有名な話ですが、その後さまざまな役どころを演じてきていて、もしかしたら演技に対して”天賦の才”があったんですかね？

ドラマ『クロステイル 〜探偵教室〜』ではまだ初々しさが残る演技ながら主人公の飛田匡を懸命に、ドラマ『silent』では心優しき湊斗を、実に繊細に巧みに演じていました。

『ゆりあ先生の赤い糸』ではそれまでの鈴鹿央士のイメージとうって変わって、箭内稟久というちょっと腹黒で”悪いやつ”を、憎みきれない絶妙なさじ加減で演じていました。鈴鹿くんにはこんな一面もあるんだ…と驚かされたものです。

鈴鹿央士という俳優は、あのかわいらしい風貌通りの純粋な役どころが似合うと勝手に思い込んでいました。けれど演技の振れ幅はこちらが思うよりも大きくて、演じた数だけスポンジみたいにどんどん吸収していって、これからどんな俳優になっていくのか楽しみな若手の筆頭になりました。

松本穂香演じる鹿乃子は、”人の嘘を聞き分ける奇妙な能力”を持った人物。その能力ゆえ、子どもの頃から人々に気持ち悪がられ、疎まれて生きてきました。

生まれ育った村を出るために奉公に出ることにした鹿乃子に対して、若村麻由美演じる実の母親が「辛いことがあったら、いつでも帰ってきていいんだからね」と言ったその言葉さえ嘘だと分かってしまった鹿乃子の絶望を思うと、かわいそうでたまりませんでした。

空腹で行き倒れたところを貧乏探偵の鈴鹿くん演じる左右馬に助けられ、左右馬がいつもただでご飯を食べさせてもらっているお食事処「くら田」でご飯を食べることになった鹿乃子。

「くら田」の店主・大倉孝二演じる倉田達造と、その妻・磯山さやか演じる倉田ヨシ江の夫婦も、ドラマのいいスパイスになっていますね。磯山さやかも何気にいろんなドラマに出演して、野呂ちゃん並にいい味出してるんですよ。

その息子・タロがおつかいのお釣りをごまかす嘘をついたとき、当然嘘に気づいてしまった鹿乃子。

「ダメ、嘘はついちゃダメ。その嘘のせいでタロちゃんは嘘つきになって、その八百屋さんはなにもしてないのに悪者にされるんだよ。人を悪者にするような…そんな嘘はついちゃダメ」

自分の力のせいでみんなの楽しい雰囲気を壊してしまった鹿乃子はお店を出ていこうとするけれど、引き留められて左右馬の事務所の女中部屋で一晩お世話になることに。

その翌日、なんとタロが行方不明に！タロがこっそり稲荷で猫を飼っていたのではないかと推測した左右馬。おつかいのお釣りをごまかしたのは、その猫に何か食べさせてあげようとしていたのでは？と。

左右馬のこの″鋭い観察眼″には、どうやら隠された秘密がありそうな気配…。

左右馬と鹿乃子はタロを探しに稲荷に向かい、一人の男とすれ違います。「小さな男の子を見かけなかったか」と左右馬に聞かれたその男は、「見ていない」と嘘をつきました。鹿乃子は迷いながらも左右馬に、

「私…分かるんです。嘘が…聞こえるんです。あの人、知らないって言ってたけど、あれは嘘だと思います！」

そう言い残して、その男の後を追いかけました。その男が小屋を燃やそうとしているのを見て、左右馬はとっさに「おいあんた！その中に子どもがいるだろ？」と。「いませんよ、子どもなんて」と答えるその男の嘘を確信した鹿乃子は、「嘘！嘘～っ！！」と叫びました。

左右馬は鹿乃子の言葉を信じて燃える小屋に飛び込み、小屋の中から無事にタロを救いだしました。

タロは猫が気になって稲荷に行ったとき死体を埋める男に遭遇し、逃げて小屋に隠れたところを監禁され殺されかけたのでした。

「どうして…どうして信じてくれたんですか？本当かどうかも分からないのに。火の中にまで…死んじゃうかもしれなかったのに」
「だって、嘘じゃないって思ったから。人を悪者にするのはダメって言った人が、あんな嘘つかないでしょ？」

左右馬には自分の能力を知られたくなかったと落ち込み、町を出ていこうとする鹿乃子に左右馬は、

「君は、うちで働きなさい。給料はそんなに払えないけど。だって、そうだろ？嘘が聞こえるなんて、探偵としてすっばらしく便利じゃないか！君のその力と僕の″……″があれば。とにかくたくさんの人の力になれる。そして、たくさんのお金が稼げるのです！」

左右馬の″……″が何なのかは、これから明らかにされていくことでしょう。これまで自分の能力にずっと苦しめられて生きていきた鹿乃子が、初めてその力で誰かの力になれるかもしれないと思えた瞬間でした。

「私が傍にいるのが、嫌じゃないんですか？」
「うん…嫌じゃないよ。分かるでしょ？嘘じゃないって」

左右馬の言葉が嘘ではないことが分かって、嬉し涙を流す鹿乃子。

探偵と探偵助手として、これから左右馬と鹿乃子がどんな名コンビとして事件を解決していくのか…これは非常に楽しみですね！左右馬の親友・味方良介演じる警官の端崎が鹿乃子に気がありそうなので、恋愛模様もどんな風に描かれていくんでしょう。

昭和レトロな町並みの雰囲気も味わえるし、何より明るく楽しい月9はいいものですね！月曜日はやっぱりこうでなくちゃ（笑）！元気をもらうためにも、リアタイで観られるときには録画ではなく観ていこうと思っています。

小さな嘘なら、人間毎日何かしら一つはついているんじゃないかと思います。人が嘘をつくには理由があって、ささいなことから深いことまで…。このドラマで描かれる嘘は、きっと″優しい嘘″なのではないかと想像してみています。

自分の特殊な能力のために居場所がなかった鹿乃子が、左右馬と出会って居場所を見つけることができた…。毎話ほっこり温かい気持ちになれそうなドラマ『嘘解きレトリック』。これから3か月間、その唯一無二の世界観をじっくり味わっていきたいと思っています。