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ドラマ『春になったら』は、のりちゃんと奈緒の演技を超えた”親子愛”が光った名作でした
「お父さんと一緒にお酒飲みたかった、お父さんと一緒にご飯食べたかった、お父さんのためにおしゃれしたかった、お父さんとケンカしたかった、そんな私の夢をすべて『春になったら』の中で叶えていただきました。きっとこのドラマを見てくださった方たちの中にも、私と同じような境遇の方だったり、お別れする年齢は皆違えども、いろいろな思いを抱えながら、それでも毎日笑って生きていらっしゃる方がたくさんいるかと思います。そんな方たちに、『春になったら』チーム全員の思いと、ノリさんというお父さんと親子で過ごした、大切な人との幸せな時間が、いかにかけがえのないものかというのを伝えられたのではないかなと思っています」
奈緒のクランクアップのときの言葉を引用させていただきました。実のお父さんを生後7か月で亡くした奈緒にとっては、このドラマはきっと忘れられないドラマになったのではないでしょうか…。
ひと言、"いい"最終回でした。なんのひねりもない安直な言葉かもしれませんが、あえて”いい”という言葉を使わせてください。
決して”お涙ちょうだい”の最終回ではなかったのに、ずっと涙が止まりませんでした。
いったい瞳とカズくんの結婚式がどんな式になるのか、あれこれ考えていました。まさか家の近くの階段を利用した「人前結婚式」をやるとは想像もしていませんでした…。
父・雅彦と子どもの頃から歩いた″なじみ″の道路が赤いじゅうたんを敷いた"ヴァージンロード"とは…。瞳たちも考えましたね。雅彦もこの距離なら瞳と一緒に歩ける…。このシーンでもうすでに号泣でした。
"いい"「人前結婚式」でした。本当に大切な人たちに囲まれた、こんな手作り感満載で心のこもった式もいいものですね。
その後の「椎名瞳写真展」も、二人の想い出が一つ一つよみがえってきてまた涙涙…。のりちゃんと奈緒の二人だったからこそ作り上げることができた、演技を超えた”親子の絆”がそこに感じられました。
「旅立ちの式」も、"いい"ネーミングの式でした。瞳とカズくんと、プラス龍ちゃんの三人にとっては新たな生活への旅立ち、雅彦にとっては天国への旅立ち…。
「結婚式」と「お別れの会」のミックスなんて、前代未聞ながらこれまた"いい"アイデアでした。「生前葬」という言葉の響きとはイメージが確実に違いましたね。
「お葬式に呼んでほしい人リスト」に書いた人たちに思いがけず会うことができて、心から幸せそうだった雅彦。お葬式では、もうその人たちと言葉を交わすことはできないですから…。
スペシャルゲストのケイト・ベネット(オリビア・バレール)さんの歌声、ひゃー素晴らしかった!一人ゴスペル♪歌詞もgood!
Nothing is forever in this world.
But don't be sad.
The spring is just around the corner.
And everything will be alright.
Put a smile on your face.
Even when you don't feel like it.
The spring is just around the corner.
Enjoy every little piece of it.
I know I'm happy.
I know I'm happy.
I know I'm happy.
And everything will be alright.
雅彦が最後に披露したスピーチと同じように「自分の人生最高だった」と言って終わりたいものです。みんな笑顔の「グラッチェ」ポーズの集合写真、とても素敵でした。
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式の後に、瞳が雅彦の車椅子を押して一緒に見に行った満開の桜。桜を見るまで雅彦が生きることができた証でした。そして瞳の誕生日でもありました。こんな誕生日…絶対忘れられませんね。
雅彦亡き後、周囲の人たちそれぞれの生活がさりげなく淡々と描かれていったのも良かったです。
自分の親や大切だった人が亡くなるのは本当に悲しいことだけれど、生きている人間の生活はそこから変わらず続いていくわけです。なので雅彦の存在感はもちろん残りながらも、日々の生活を変わらず過ごしている姿が自然に映りました。
のりちゃん、このドラマの出演を決めて本当に正しかったと思います。のりちゃんが愛する成美さん、背中を押してくれてありがとうございました!
【のりちゃん✕奈緒】の化学反応、私にとっては最高でした。口げんかも含めての仲良し親子。私の父はある日突然だったのでもう今さら叶いませんが、こんな仲良し親子…やってみたかったな…。
ドラマ『春になったら』は、いつまでも私の心に残り続ける名作ドラマになりました。