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ドラマ『厨房のありす』は”門脇麦劇場”に″ミステリー要素″も絡んで今後の展開から目が離せません!

門脇麦という俳優は″役に命を吹き込む天才″だといつも感じています。

例えば『ミステリと言う勿れ』のライカ役もイメージと違うと最初は言われていたものの、すぐにその確かな演技力で原作ファンも大絶賛の嵐でしたよね。あの存在感はハンパなかったです。

ライカも本のページや行の組み合わせでつなげると文章になるという数字をいつもぶつぶつとつぶやいていましたが、今回のドラマ『厨房のありす』でも「料理は化学です」というのが口ぐせで”料理を化学式で説明する”天才料理人・ありすの長ゼリフのシーンが満載です。よどみなくスラスラと化学式を口にする門脇麦の記憶力は、一体全体どうなってるの?と感心してしまいました。

もちろん早口の長ゼリフだけではなく、ありすが自分の気持ちを吐露しながら涙を流すシーンなど”門脇麦劇場”のレベルの高さは今回も圧巻でした。父親役の大森南朋も大好きな俳優さんなので、二人の親子のシーンは嬉しさ倍増という感じで観ていました。

ありすは人とのコミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症(ASD)。

大きな音や強い光が苦手で、人に距離をつめられるのも苦手。物は何でも真っすぐにそろえないと気が済まない、超マイペースな性格。

発達障がいの特徴として”こだわりの強さ”があげられますが、ありすもまさにそんな感じですね。

ASDの特徴を演技で表現するために多少誇張されている面は否めないと思われますが、ありすは自分自身の特徴のことをよく理解していて、その辺もしっかり描こうとしているので自然に受け止められました。

特に周囲の温かい人たちの優しさに見守られながら自分がようやく生きられていること…それをありすが何よりよく分かっていて、常に葛藤を抱えながらも自分のできることを一生懸命やろうとしている姿に心を打たれました。

だからこそ幼なじみのホール担当・和紗の次男・銀之助の誕生会でのありすの言葉は胸にささりました。

「“普通”は素晴らしいです。私は大きな音がしただけで動けなくなります。注文したトマトが来なかっただけで、何もできなくなります。いつもいつもそのせいで、みなさんに迷惑をかけています。
いくら化学ができてもオセロができても、お客さんから注文を取ることもできません。覚えたことを忘れなくても、鍋から火が上がるだけで頭が真っ白になります。でも、和紗がいるからこのお店はやっていけます。お父さんがいるから、商店街を安心して歩けます。
私はたくさんの人たちのお陰でようやく生きていけます。”普通”は凄いことです。″普通″の銀之助さんは素晴らしいんです!」

ドラマ『厨房のありす』第1話より

ドラマは、住み込みのアルバイト店員・倖生の謎めいた雰囲気、テレビに映った女性を観てありすが「お母さん」とつぶやいたこと(ありすの母は事故で亡くなったのでは?)、その時いつもは優しい父・心護(実の父ではない)が険しい表情を浮かべてテレビをすぐに消したことなど″ミステリー要素″もあります。

『フェルマーの料理』+『あたりのキッチン』+『グッド・ドクター』÷『ミステリと言う勿れ』?!

いろんなドラマのテイストが少しずつ混ざり合いながらも「もっと要領よく、うまく、生きていけたらいいのに…」という、誰もが抱えている悩める想いを優しく包み込んでくれそうなドラマ『厨房のありす』。

”新時代のハートフル・ミステリー”とうたわれている今後の展開が、一筋縄ではいかなそうで非常に楽しみになりました!!

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