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臨場感ハンパなく、感動の嵐だった『波よ聞いてくれ』最終回

ここまで主人公がしゃべり倒すドラマが今だかつてあったでしょうか?

鼓田ミナレという難役に挑んで見事に昇華し切った小芝風花ちゃんに心から拍手を送りたくなった最終回でした。

『トクサツガガガ』辺りから注目された風花ちゃん。私もその頃から彼女の愛らしさと演技力の高さに目が離せず、彼女の出演ドラマはそれ以降全て観てきていると思います。

『妖怪シェアハウス』なんて最初は「なんだ、このドラマは…?」と、とても最後まで観られる気がしませんでした。が、妖怪と同居するというそもそものあり得ない設定すら彼女の自然体の演技でいつの間にかすんなり受け入れてしまい、結局その世界観にどっぷりハマっていました。

『モコミ~彼女ちょっと変だけど~』は、モノや植物と話ができるという不思議ちゃん役でしたが、繊細なモコミの心の機微みたいなものを丁寧に演じていて、毎話じんわり感動させてもらっていました。

今回の『波よ聞いてくれ』はドラマが始まる前の予告映像を見てまずビックリ!ド派手なメイクに吠えてるみたいな風花ちゃん。これは新しい彼女がまた観られると期待していました。

フタを開けてみれば、どこで息継ぎをしているのか想像つかないほどの毎度毎度の”マシンガントーク”の連続ですっかり圧倒されてしまいました。

やさぐれミナレ役とどう向き合えばいいのか風花ちゃんも最初は戸惑いながら手探り状態だったみたいです。でもどうしてどうして。彼女じゃなければミナレは演じ切れなかったと誰もが納得の圧巻の演技でした。

昔からラジオっ子でDJに憧れていた私としては、ラジオというメディアへの熱い想いに満ち溢れたこのドラマが余計に心に響くものがあったのかもしれません。

最終回。ミナレが暮らす舞波町で大地震が発生。麻藤にラジオ局に来いと呼び出され。麻藤はミナレにこんなことを言いました。

「深夜に大地震が起きて停電で何も見えない。いつ復旧するかわかんねぇ中でラジオをつけりゃあアナウンサーが緊迫した口調で災害情報を読み続けてる。
(中略)
だからこそ『波よ聞いてくれ』にしかできないことがあるんだよ。お前がいつものように『一人じゃない、大丈夫』だって声を届けることに意味があんだよ」

『波よ聞いてくれ』最終回より

無茶振り麻藤の”ラジオ愛”が伝わってきて、このセリフ…シビれましたー!

自分がラジオパーソナリティーと呼ばれていいのかどうか悩み自問自答していたミナレ。麻藤の言葉を胸に、その迷いを吹っ切るかのようにラジオブースへ。いつ終わるかも分からないノンストップの生放送『波よ聞いてくれ』がスタート!

そこからは緊急時だとか全く関係ないいつもの″ミナレ節″炸裂!リスナーからのメールに笑いも交えながらミナレらしく突き進んで行く姿はあまりに凛々しくて惚れてしまいました。緊急時のラジオ局ってこんな感じなんだろうなーという臨場感も感じられて、最終回はまさに神回でした。

ミナレの声にどれだけの人が励まされ勇気づけられ、パワーをもらえたことでしょう。

朝方”おっぱいボリス”なるふざけたラジオネームのリスナーから「地震から停電がきて不安な中、『波よ聞いてくれ』でミナレさんの声を聴き続けていました。お陰で”一人じゃない”って思いながら朝を迎えられました。本当にありがとうございます」というメールが届き。

このメールを読んで泣きそうになるミナレを観て、思わず泣きそうになった私。

「アタシさ…ラジオパーソナリティーになったのだって、怪しげなおっさんディレクターにスカウトされて、成り行きであれよあれよという間に始めちゃって。正直、ずっと自覚が沸かないまま流されてやってきたって気持ちがずっとあったんだよねぇ。アタシいつまでこんなこと続けられんのかなってさ…でも、今のメールもらって思ったわ。

アタシの声はちゃんとお前らに届いてて、それを受け取ってもらうことにもちゃんと意味があって…アタシはラジオパーソナリティーやってんのがスッゲェ楽しいんだなって!それに気づかせてくれてありがとう!」

『波よ聞いてくれ』最終回より

自分がラジオパーソナリティーをやることの意味にやっと気づけたミナレ。いつもは口を開けば悪口を言ってくる先輩パーソナリティーまどかもミナレを一人のラジオパーソナリティーとして認めた瞬間でもあり、とても感動的なシーンでした。

全8話、2,234行もの膨大な台詞量を演じ切った風花ちゃん。クランクアップの時にスタッフから表彰されたそうですね。その名も「強烈マシンガントーク&ありえないような量のセリフを覚えたで賞」。これほど見事な滑舌でハイテンションのままセリフを言い続けられる俳優さんはそうそういないと思います。『波よ聞いてくれ』は間違いなく風花ちゃんの代表作になったドラマであり、何年か後に続編も期待したいところです!

風花ちゃんはじめ、キャストの皆さん、スタッフの皆さん。素敵なドラマをありがとうございました!

長い文章、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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