バカリズム・ワールドさく裂のドラマ『ホットスポット』は、シュールな笑いどころ満載です！
バカリズム・ワールドさく裂の、新ドラマ『ホットスポット』。【SF史上かつてない小スペクタクルで贈る、地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー！】とはよく言ったもんです。
初回、期待を裏切らない面白さでした。シュールなバカリズムの世界観満載で、これを平然と受け止められるか否かでこのドラマを純粋に楽しめるかどうかが決まるのではないかと感じました。
職場で一緒に働く同僚が、実は宇宙人だということを偶然知ってしまった主人公のシングルマザー・遠藤清美。
清美役・主演の市川実日子はなんの気負いもなく、いつもと変わらず淡々とした佇まい。ごく自然体で清美を演じていました。
清美の仕事は、ビジネスホテルの受付。おそらくさまざまなお客様が登場すると思われ、この職場設定も上手いところをついてきますよね。
同僚、磯村由美役の夏帆、沢田えり役の坂井真紀。二人がいるだけで、このドラマの安定感が増します。夏帆は、すっかりバカリズムのお気に入りですね(笑)。
ホテルの支配人・奥田役のココリコ・田中まで出てくると、これはもしや『LIFE』のコントかと思ってしまいます(笑)。
清美がトラックと衝突するシーンは、まさかのまたもや生まれ変わり系！？という雰囲気を一瞬匂わせて、実は宇宙人が救ってくれたというあまりにもバカバカしい展開(笑)。
その同僚で宇宙人・高橋孝介を演じるのは、「東京03」の角田さん。もうこれは完全にハマり役ですね。角田さんにしか出せない味でした。ともすると「東京03」のコントに登場しそうな高橋のキャラは、明らかに“あえての“バカリズムの狙い通りでしょう。
自分が清美を助けたことを、誰にも言わないでほしいという高橋。そこからのこんな会話劇。
「じゃあ言うけど、ホント、誰にも言わないでね」
「もちろんです」
「あの……実は俺、宇宙人なのね」
「んっ？」
「いや、あの…宇宙人なのよ。だからちょっと内緒にしてもらいたいんだよね」
「はぁ…分かりました。内緒にします」
「ちょっと待って…。俺今、なんかヤバい人みたいになってるよね？」
「そんなことはないです」
「いやいや、なんかヤバいこと言い出したと思って、すぐに切り上げたよね？」
「あっ、いえ…」
「ちょっと待って、分かった、分かった、分かった。ちゃんと話すね」
この後特殊能力を披露したりして、自分が宇宙人であることを必死で伝えようとする高橋の姿に思わずまたクスッ。
清美の幼なじみ役の鈴木杏演じる“はっち“こと中村葉月と、平岩紙演じる“みなぷー“こと日比野美波。女三人コンビはドラマ『ブラッシュアップライフ』でも出てきましたが、どうしてどうして！今回の三人トリオも演技派が揃っていて、会話劇のテンポ感が最高でした。
紙ちゃんがたまに本気で笑いをこらえているのがうかがえて、それがまたおかしかったです。
清美は高橋には黙っていると言いながら“はっち“と“みなぷー“にはしゃべってしまい、結局二人に高橋を会わせることに…。ここら辺、清美は秘密を内緒にするのが苦手なタイプのようですね。
それにしても、猫背で知覚過敏。父親が宇宙人で母親は地球人。自分の星には行ったことがないハーフという設定にもクスッ。見た目は母親に似ているというくだりも、細かいところまでバカリズムでした。『E.T.』ネタまで盛りだくさん！
特殊能力としては10円玉を指で折り曲げたり、離れた場所から会話を聴き取れる…。元々ある能力を引き上げることはできるという、ささやかな能力の感じがいかにも角田さんっぼくて…。
そして、またもや大好き野呂ちゃん登場！客室清掃係・中本さん！
アメニティを、なんでも持って帰る常連客・丸山さん。アメニティに飽き足らず、バスタオル、とうとう部屋のテレビまで持って帰ってしまったと清美に告発する中本さん。
実はこれは、中本さん自身が犯人だったという顛末でした。高橋の特殊能力を借りて、迅速にプチ事件解決でした。
支配人には内緒にしておくと言った清美が支配人にチクって、中本さんはあっさりクビに。これで野呂ちゃん見納めかと思いきや、相関図に載っているということはまだこれからも！？
どうやら宇宙人・高橋に、清美が仕事や私生活のプチ事件の解決をお願いしていくという展開のようですね。
ホテルに長期滞在している小日向文世演じる村上博貴もただの宿泊客とは思えないし、これからどう絡んでくるのやら…。
温泉がドラマの一つのキーワードのようで、父親役の野間口徹が子どもと温泉に浸かりながら「もう治ったか？」と声をかけた、その子どもこそ高橋の子ども時代？と想像しました。
これからどう展開していくのか、まったく先の読めないドラマ『ホットスポット』。バカリズム・ワールドに浸りながら、3か月楽しみたいと思っています。