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ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』は、不思議な魅力に溢れたお仕事ドラマです!

この手の「若者群像劇的医療系お仕事成長ドラマ」は、当たり外れが激しいイメージがあります。でも今クールのドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』はコメディー要素が強い割には、観終わって心が元気になるというか、爽やかな気持ちになれる不思議な魅力を感じています。

それは、主演の芳根京子の好演ゆえですかね?彼女主演のドラマもなんだかんだ観てきていますが、今回のまどか役は彼女らしさ全開で、ピタッとパーツがハマっている感じがしています。まどかの「なんとかなるっしょ!」の口ぐせ、ナレーションのまどかの心の声の突っ込みに思わずクスッ。

同期の研修医の面々もなかなかバラエティに富んでいて、チームワークはいい感じです。それぞれダメな部分を補い合いながら、互いに切磋琢磨して成長していく姿がきちんと描かれています。

研修医の実態は知っていそうで詳しくは知らなかったところもあって、勉強になります。いろいろ解説してくれるのは、まどかが子どもの頃夢中になっていた人形劇に登場する“ドクターK“というアザラシの天才外科医。大塚明夫氏の声がまたいいんですよ(笑)。

「患者の声に耳を傾けろ。答えはそこにある」“ドクターK“のこのセリフこそ、まどかが医師を目指した理由でした。

研修医にとって重大な選択の二年間。“スーパーローテーション“というシステムでさまざまな″科″を巡り、最後に自分の″科″を決定。そこからもまだ先は長く、その後専攻医としての数年間を経て、ようやく専門医の認定を受けることができる。途中で″科″を変えると、数年間の過酷な日々が水の泡。研修医にとって“科選び“は、離婚できない結婚相手を見つけるようなもの…。

「科を決めるのは、どう生きるかを決めること」タイムリミットは二年。

何を専門とするか?がこんなにも大変だとは…。

イマドキ研修医は「研修医はお客様」と皮肉を言われているというのも、医療現場も働き方改革の昨今なるほどでした。「9時-5時の研修」なんて、昔なら考えられなかったことでしょう。

先輩医師たちの会話が実情なんですかね?5人来る“研修医たち=お客様“が「問題は、使えるようになるかどうか」「使えなくても、人手がほしい」などなど言いたい放題。

情熱を持って医師になろうと研修に臨んでいるまどかたちと、受け入れる先輩医師たちの温度差は仕方ないとは思います。でも“お客様“扱いされるというのは、もし自分がその立場なら戸惑うし、非常にもどかしい気持ちになると思います。

第1話では消化器外科の指導医の菅野から「患者の声に耳を傾けろ」と言われたものの、まどかは患者の湯川さんが腰と背中の間が痛いと言ったことを報告せずにいました。

幸い大事に至らずに済んだものの一歩間違えば…の事態になりかねなかったことで、「研修医が勝手な判断をするな!お前はまだ医者じゃない。研修医はお客様だ。その意味を考えろ!」

菅野と同じく消化器外科の指導医の西山からこんな厳しい言葉を投げかけられて、涙するまどか。菅野から「逃げずにきちんと(患者さんと)向き合うんだ。若月先生はお客様じゃない。俺たちと同じ医者だから」

菅野の言葉を胸に湯川さんに謝りに行ったものの「いいお医者さんになってね。約束よ、まどか先生」と逆に励まされて、前に進む勇気をもらえたまどかでした。

第2話では、まどかが朝のカンファレンスの報告準備を忘れ、付け焼き刃で暗記しようとして頭真っ白になって失敗してしまいます。

「俺たちの時代と違って、今の子はプレゼン一つできないんですかねぇ?」
「まぁまぁ彼女らはまだお客様ですから」

またまたお客様発言。そんなベテラン医師たちとの、飲みニケーション。いかにも昭和な飲み会の席、繰り出される「俺たちの時代は…」。まどかはその言葉にお腹いっぱい。

でも、翌日には二日酔いもなくいつもように冷静なオペをする西山の姿が…。

なんといってもオペ中西山に「BGMがほしい」と言われて、西山の世代を考えてまどかが「あずさ2号」を歌う姿に萌えました(笑)。意外すぎる展開。しかも一緒に歌い出す西山に「歌うんか~い」と、心の中でまどかが突っ込むシーンは爆笑でした。

ある朝病院のサーバーがダウンして、電子カルテが見られないという状況にまどかはアワアワするだけでした。

電子カルテがなくても、頭に入った各患者の数字を的確に言いながら回診で対応する西山と菅野。その姿に打ちのめされるまどか。

西山が「入院患者のカルテを全部覚える…俺たちの時代はそんなの当たり前だった」と言った言葉通りでした。令和の時代の研修医だからといって、そこに甘えてばかりはいられませんね。自分自身で日々努力しないと!

二度目のカンファレンスを仲間の力を借りて見事に乗り越えたまどかでしたが、「俺たちの時代は、研修医一年目で十人の患者の状態を把握してた。それでようやく医者のスタートラインってもんだ。患者一人覚えていたぐらい、普通だ」相変わらず西山は厳しい言葉を投げかけます。

でもそんなまどかを、患者の瀬戸さんのヘルニア手術の執刀医に抜擢してくれたのも西山でした。「いまだに令和の育て方が分かりません」と愚痴る西山ですが、実は研修医を一人前に育てたい熱い気持ちの持ち主なのかもしれません。

自分の手術をしてくれたまどかに、瀬戸さんは「あなたもなかなかやるじゃない」と。そんな風に言ってもらえて、感無量のまどかでした。

彼氏からのベイスターズの野球観戦の誘いを、外科医の先生たちとの打ち上げで断るまどかはやっと一歩成長できた感じがしました。外科の次は消化器内科。仕事に厳しい手塚が、そこに待ち構えています。

指導医・菅野との恋の予感もありつつ、ツワモノ揃いの先輩医師たちからの厳しい指導に耐えながら、まどかが“スーパーローテーション“を経てなんの専門医を目指していくのか?これからの展開が非常に楽しみです。まどかと仲間たちの成長も!

星野源の主題歌「Eureka」もいい感じです♪

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